結婚行進曲の紹介:1951年日本映画。公開当時「早口大会」と称されたこの映画、役者全員がテンポよくセリフをまくしたてます。結婚8年目のベテラン夫婦と、結婚目前の恋人たちが織りなす行進曲とはどんなものなのでしょうか。
監督:市川崑 出演者:中原(上原謙)、島子(山根寿子)、カナ子(杉葉子)、伊野(伊豆肇)、菊奴(高杉早苗)ほか
映画「結婚行進曲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「結婚行進曲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「結婚行進曲」解説
この解説記事には映画「結婚行進曲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
結婚行進曲のネタバレあらすじ:起
東和ニューゴールドの営業部長・中原はいつも大忙しです。今日も妻・島子との外出の約束を守れぬままに、あっちへこっちへ飛び回っていました。そんな彼の元へ、面会を申し込んだ娘・金子カナ子がおりました。彼女の恋人・伊野はつい先日会社をクビになった東和ニューゴールドの社員でした。彼女はこの件について抗議をしようと中原と面会をしたいのですが、彼の忙しさ故になかなかつかまりません。しびれを切らした彼女はとうとう彼の家まで出向いて、彼の奥さんに直接「伊野のクビは不当である」と訴えるのでした。中原家のばあやが教えてくれた「泣き落とし作戦」でうまいこと取り入ったカナ子は、島子を通して見事、中原に直談判できることとなったのでした。 家へ帰るとさっそく伊野に復職運動の報告をするカナ子。ところが当の伊野はもうすっかり作家志望に切り替わり、あんな会社はもうまっぴらごめんだといった具合なのでした。
結婚行進曲のネタバレあらすじ:承
翌日、島子と会社を訪れたカナ子。ようやく中原との面会を果たします。ここぞとばかりにまくしたてて、彼の復職を訴えますが、中原は彼女のよどみない口ぶりと、はっきりした物言いを見込んで、逆に彼女を営業として雇ってしまいます。今の職場の給料の倍以上の金額を提示され、思わず雇われてしまうカナ子。けれど、帰りはしょんぼりして伊野に報告しにいきます。伊野はびっくりしながらも、もう自分には関係ないといった風なのでした。 一方、カナ子との面会が終わった後で、久しぶりに中原と外でお茶をし、晩ご飯も家で一緒に食べられた島子は嬉しさで一杯です。相変わらずぶっきらぼうな中原ではありましたが、それでも幸せなのでした。しかし、食後のお茶を入れていると島子の母と妹たちがやってきて水を差しに来ます。おまけに会社の人までやってきて、仕事の話を持ち込みます。あげくのはてには近所の奥さんがアイロンを借りに来たりで、夫婦の団らんはすっかりぶち壊されてしまったのでした。
結婚行進曲のネタバレあらすじ:転
カナ子はその押しの強さと負けず嫌いで、営業マンとしての頭角をぐいぐい表していきました。あっという間に営業成績もトップになります。せっかちでもあるカナ子は、明日でも構わない業務報告を、わざわざ中原の接待先の店・菊水まで行って済ませます。菊水の芸者・菊奴と島子は知り合いで、業務報告の場面を見た彼女は島子に、若い娘が近くにいるから油断しちゃダメよと忠告します。ですが、島子は中原を信用しきって疑ってはいませんでした。実際、中原は美男子でよくモテましたが、堅い男でもあり、仕事熱心でムードに欠ける男でもあったからです。そこが、彼の魅了でもあり、ちょっぴり不満でもある島子なのでした。
そんな折、二人の結婚記念日がやってきます。新婚当時の熱海に行くことにした二人でしたが、旅行先でも急ぎの仕事で呼びだされた中原は、島子を置いて謝罪もそこそこに仕事場へ戻ってしまいます。すっかりむくれてしまう島子。その後、中原とカナ子が二人きりで徹夜仕事をしたという話を聞き、あらぬことまで勘ぐってしまいます。一方、その話は伊野の耳にも伝わり、島子と同様嫉妬心を燃やします。
結婚行進曲の結末
中原は島子と、カナ子は伊野と仲違いになってしまい、中原とカナ子の間にも気まずい雰囲気が流れます。ある日、二人は仕事終わりになんとなく一緒に映画を観て、歌謡ショーを観て、カフェへ行き、ついにはダンスホールにまで行ってしまいます。そして、そこを運悪く菊奴に目撃されてしまいます。この事実は、またもや島子と伊野双方に伝わってしまい、ついに伊野は中原の仕事場へが乗り込んでいきます。伊野は非常に回りくどい言い方で中原に文句を言いますが、結局は彼女を愛していて結婚したいのだという結果に落ち着きます。一方、島子の方へもカナ子が殴り込んでいきます。あなた方夫婦がしっかりしないから、伊野からあらぬ誤解を受けて結婚を取り下げられたと泣きじゃくります。カナ子と言い合いをしながら、島子も中原への想いを再確認していきます。 様々な想い再確認したところで騒動は静まり、カナ子と伊野は結婚することとなりました。仲人は中原が勤めます。若い二人の結婚式を終えると、二人は他人行儀とも初々しいともとれる態度で帰宅します。暗い室内で、ラジオから流れる音色に二人、揺られながらお互いの思いが再び寄り添うのを感じるのでした。
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