お絹と番頭の紹介:1940年日本映画。若い番頭・幸どんと、福家のひとり娘・お絹は顔を合わせば口喧嘩ばかりの毎日です。お互い自分の気持ちに素直になれず、すれ違いの日々が続きます。そんなとき、幸どんに婿入りの話が持ち上がります。二人は素直に気持ちを打ち明ける事ができるのでしょうか。
監督:野村浩将 出演者:お絹(田中絹代)、幸どん(上原謙)、主人(藤野秀夫)、ボート屋の娘(三宅邦子)、地主(河村黎吉)ほか
映画「お絹と番頭」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「お絹と番頭」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「お絹と番頭」解説
この解説記事には映画「お絹と番頭」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
お絹と番頭のネタバレあらすじ:起
足袋商・福家で番頭をする幸どん。その家の娘・お絹。幸どんはとても働き者で、毎日てきぱきと作業をして、店を切り盛りしています。なかなかの美男子で、頭もよく、お絹の弟の家庭教師もしています。一方、お絹は毎日ぶらぶらと出かけてばかりで、それを幸どんに注意されると、むっとした調子で言い返したりなどをして、この二人はあまり仲が良いとはいえないのでした。主人も、幸どんに隠れて寄席を観に行ったりと、なんとも気楽な親子です。主人はお絹を幸どんに嫁がせてもいいと思っていますが、お絹はとんでもないと突っぱねるのでした。福家の隣にはボート屋があります。福家の娘と息子は、ボート屋の娘と息子とそれぞれ仲が良いのですが、父親同士は地代の件で揉めているのでした。
お絹と番頭のネタバレあらすじ:承
ボート屋一家も、幸どんの出来の良さには一目置いていました。娘も年頃なので、ここはひとつ彼を婿として迎えれば、良い働き手にもなり、成績不振の息子の面倒も見てもらえて、一石二鳥だと考えているのでした。この提案に、娘も特に異議は唱えませんでした。ある日、主人はは地主に呼びだされます。直談判の苦手な彼は、代わりに幸どんを寄越します。その頃、地主の一家も年頃の娘を抱えて、見合い写真とにらめっこをしていました。どの写真をみても首を縦に降らない娘に愛想を着かしていた時、幸どんがやってきます。地主は、幸どんの好青年ぶりと、敵ながら見事な交渉っぷりに思わず娘を引き合わせると、娘は初めて笑顔を見せたのでした。さっそく、福家の主人を呼び出して、幸どんを婿にもらえないかという交渉をはじめる地主。主人は、大事な働き手なので、おいそれと返事は出来ないし、本人の意向も尊重してやりたいと返答し、地主宅をあとにします。
お絹と番頭のネタバレあらすじ:転
一方その頃、相変わらず仲の悪い幸どんとお絹はつまらない事で口喧嘩をしています。主人が帰ると、お絹は感情的になって「あんな奴嫌い。どっかへやってしまってよ!」と訴えます。これを聞いた彼は、ちょうど良いとばかりに幸どんに地主の家への婿養子の話を持ちかけます。幸どんは戸惑い、お絹を気にしつつもこれを受け入れるのでした。主人がお絹にその事を話すと、彼女は彼の予想とは打って変わって元気がなくなり、その日から自室にこもってしまいます。嫌い嫌いとはいっていても、やっぱり彼が好きであったお絹。意外な形で別れを突きつけられ、ご飯ものどを通らなくなってしまったのでした。いろいろとストライキ中のお絹をボート屋の娘が外へ連れ出します。お絹の傷心に意外な真実を知った彼女は、両親が勝手に決めた幸どんとの婚約をあっさり辞退します。呉服屋の仲間内では、二人がいがみ合いながらも想いあっていることは、なんとなく気づいていました。鈍感なのは主人だけだったので、呉服屋の面々は思い切って事実を話します。
お絹と番頭の結末
大変な勘違いをしていたと知った主人は、大慌てでこの出来事の収拾にかかります。まずは、散々渋っていた地代の値上げを受け入れる代わりに、婚約の話をなかった事にしてもらいます。そして、お絹と幸どんを呼び出すと、お互いの気持ちを白状させて二人の進むべき方角を指し示しました。こうして、二人は年明けに結婚することとなりました。呉服屋のみんなで食事を共にする大晦日、ずいぶんと降り積もった外の雪をみながら、二人は穏やかな様子で言葉を交わすのでした。
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