エンジェルの紹介:2007年イギリス,ベルギー,フランス映画。貧しき少女エンジェルは小説家になる夢を実現しますが、彼女の人生には過酷な運命が待ち受けていました。ある女流作家の波乱に満ちた生涯がドラマチックに綴られた作品。「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が挑んだ初の英語作品です。
監督:フランソワ・オゾン 出演者:ロモーラ・ガライ(エンジェル・デヴェレル)、シャーロット・ランプリング(ハーマイオニー・ギルブライト)、ルーシー・ラッセル(ノラ・ハウ=ネヴィンソン)、マイケル・ファスベンダー(エスメ・ハウ=ネヴィンソン)・サム・ニール(セオ・ギルブライト)ほか
映画「エンジェル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンジェル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「エンジェル」解説
この解説記事には映画「エンジェル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンジェルのネタバレあらすじ:起
英国の小さな町。食料品店を営む母と暮らすエンジェル・デヴェレルは上流社会に憧れている少女です。貧しき家に生まれた彼女は町のパラダイス屋敷という大邸宅に住むことを夢見ています。エンジェルの将来の夢は一流の小説家になることです。寝る間も惜しんでレディ・イレニアという長編小説を書き上げ、早速出版社に送ります。しかし出版社からの返事はなかなか来ません。学校も欠席がちになり、塞ぎこんでいたところロンドンから一通の手紙が届きます。それはレディ・イレニアの出版を依頼する手紙でした。大喜びで一人ロンドンへやってきたエンジェルは、出版人のセオ・ギルブライトから才能を高く評価されます。しかし小説にはいくつか修正すべき箇所があることを指摘されます。プライドを傷つけられたエンジェルは小説の修正を強く拒絶します。彼女の意志の強さに魅かれたセオは非礼を詫び、修正を加えることなく小説を出版することを約束するのでした。その夜エンジェルはセオの家の夕食に招かれます。しかしセオの妻ハーマイオニーからエンジェルの小説は想像力だけの未熟な表現が多いと指摘されてしまうのでした。
エンジェルのネタバレあらすじ:承
その後出版されたレディ・イレニアはロマンス小説として話題を呼び、エンジェルは瞬く間に人気女流作家として脚光を浴びていきます。あるパーティーでエンジェルのファンであるノラと彼女の弟で絵描きのエスメと出会います。その後エンジェルは念願のパラダイス屋敷を手に入れ、ノラを個人秘書として雇い入れます。エスメに一目惚れしてしまったエンジェルは、肖像画を描いてほしいと彼に接近していきます。エスメの女癖の悪さをノラから忠告されるものの、彼と情熱的な恋に落ちていきます。やがて母を病で亡くし天涯孤独となったエンジェルはエスメにプロポーズし、二人はパラダイス屋敷で新婚生活を開始します。しかし幸福な生活は長くは続きません。まもなく戦争が始まり、軍に志願したエスメはエンジェルの反対を押し切り、ロンドンへと旅立っていきます。エンジェルはエスメの子を身籠るものの流産してしまいます。さらに作風を変えたことから小説の売れ行きも伸び悩むようになっていきます。ノラはエスメが昔の恋人と寄りを戻したことを知りますが、エンジェルには黙っておくようにセオから固く口止めされるのでした。
エンジェルのネタバレあらすじ:転
その後足を負傷したエスメが帰還します。しかし戦地から戻ったエスメは酒浸りの生活を送るようになり、創作への情熱もすっかり失っていきます。ギャンブルで多額の借金を抱えたエスメのために新しい小説を書き始めるエンジェルでしたが、エスメの放蕩癖はさらにひどくなっていきます。エンジェルは自暴自棄になっているエスメを何とか支えようとしますが、生きることへの希望を失ったエスメはある日首を吊って自殺してしまうのでした。エンジェルはエスメが愛読していた本の中から、彼に宛てて書かれたラブレターを見つけてしまいます。エスメの愛人の存在を知ったエンジェルは、自分の稼いだお金が女につぎ込まれていたことをノラから聞かされ驚愕します。エンジェルは愛人のもとに一人乗り込みますが、生前のエスメが愛人アンジェリカに精神的に支えられていたことを知ります。帰り際エスメにそっくりなアンジェリカの息子を目にしたエンジェルは失意に陥り、孤独にさいなまれていくのでした。
エンジェルの結末
心身を病んだエンジェルは現実と夢を混同し始め、やがて寝たきりになってしまいます。病床で自分が子供を産んでいればエスメを失わずに済んだのではないか、自分は生き方を間違ったのではないかとノラに尋ねます。彼女の才能を愛してきたノラは、エンジェル・デヴェレルは誰よりも偉大な小説家であり、歩んできた人生は光り輝いていたと必死に励まします。エンジェルは誰よりも自分を愛してくれたノラへ感謝の気持ちを伝えると、彼女の腕の中で息を引き取るのでした。こうしてエンジェルの情熱的な生涯は静かに幕を閉じるのでした。
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