必殺仕掛人 梅安蟻地獄の紹介:1973年日本映画。この作品は原作・池波正太郎の連作小説を実写化したもので、TV娯楽時代劇「必殺」シリーズの第1作目となる『必殺仕掛人』(1972年~1973年)の劇場版第2作目の映画です。人足口入稼業の音羽屋半右衛門を元締に、剣客浪人・小杉十五郎と鍼医者・藤枝梅安の暗殺稼業「仕掛人」たちが、依頼者から銭を貰い、裁かれない悪人を闇から闇へと暗殺し、晴らせぬ恨みを晴らすという画期的な娯楽時代劇です。暗殺の仕方も当時、注目を集め人気を得たものです。
監督:渡辺祐介 出演:藤枝梅安(緒形拳)、小杉十五郎(林与一)、音羽屋半右衛門(山村聡)、伊豆屋長兵衛(佐藤慶)、山崎宗伯(小池朝雄)、岬の千蔵(秋野太作)、りん(松尾嘉代)、仲(津田京子)、もん(ひろみどり)、ほか
映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」解説
この解説記事には映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
必殺仕掛人 梅安蟻地獄のネタバレあらすじ:1.遭遇
「はらせぬ恨みをはらし ゆるせぬ人でなしを消す いずれも仕掛けて仕損じなし 人よんで仕掛人 ただしこの稼業 江戸職業づくしにはのっていない」。ある夜、仕掛人・鍼医者の藤枝梅安は、行きつけの料亭・井筒屋のおもんのもとに行き、その帰り道で誰かが尾行している気配を察しました。その一人の浪人はいきなり、梅安に斬りつけてきました。梅安はそれをかわし、得意の針を投げました。浪人はその針を刀で受けました。梅安が自分の名を名乗り、「誰だ」とその浪人に問いました。しかし、その浪人は名乗らず、「すまん。人違いだ」言い、その場から立ち去っていきました。
必殺仕掛人 梅安蟻地獄のネタバレあらすじ:2.暗殺指令
その夜、梅安は家に帰らず、井筒屋へ戻りました。梅安はおもんに自分と似た客のことを聞きました。すると、ちょうど本道医師・山崎宗伯が来ていました。宗伯は伊豆屋長兵衛と何やら話をし、伊豆屋は宗伯に自分が指示するまで妄りに外に出るなと忠告しました。梅安は密かにそんな二人の様子を庭影に隠れて見ていました。伊豆屋は用心深い男でもありました。梅安は自分が宗伯と間違えられたと察知しました。ある日、梅安はりんのもとに鍼治療をして長屋に戻りました。気さくな梅安は、お客さんや人々から愛され、親しまれていました。そんな梅安のもとに仕掛人の元締・音羽屋半右衛門から暗殺指令が下りました。それはあの伊豆屋長兵衛を消せというものでした。元締・音羽屋はいつもの金の倍を出し、直ぐに暗殺せよと命じました。梅安は何かあると思いながらも、その仕掛を引き受けました。その頃、伊豆屋は稲葉丹後、山根主膳を脅し、また大きな取り引きを成功させようと企んでいました。
必殺仕掛人 梅安蟻地獄のネタバレあらすじ:3.悪党の過去
ある日、あの梅安を斬りつけた浪人がある女郎屋にやって来ました。浪人は床に伏せっている女郎・お仲のもとへ行きました。実はこの浪人は偶然、お仲と知り合い、お仲の母が宗伯に無理矢理犯され、その為にお仲の母が自殺してしまったことを知ったのでした。その浪人は、非情は宗伯に憤り、お仲の代わりに仇を取ろうと宗伯の命を狙っていたのでした。梅安はその頃、暗殺対象の伊豆屋の情報を集めていました。ろうそく問屋の伊豆屋は五年前に江戸に来てから、急速に財を成し、その私生活は謎めいていました。ただ、人当たりは良く、立派な後ろ盾がついており、同業者からも「仏の長兵衛」と呼ばれ、一目置かれていました。そんな中、梅安は「最近、伊豆屋は急に体が弱った」という話を小耳にはさみ、不審に思いました。ある日、伊豆屋のもとに同業者の備前屋庄右衛門がやって来ました。備前屋は破産寸前で伊豆屋のもとに、泣きついてきたのでした。伊豆屋は快く備前屋に100両もの大金を貸すと言い、部下を使って備前屋を刺殺しました。伊豆屋の企み通り、商売敵の備前屋は店を畳みました。裏の伊豆屋は野心家でとんでもない怪物でした。伊豆屋は元・紀州家の侍でしたが、藩内の政権争いの渦中で、二人の家老のために毒薬を宗伯から手に入れ、秘かに藩主を毒殺したのでした。それ以降、侍を捨て商人となった伊豆屋は、その弱みを利用し、家老から金を強要し、それでは飽き足らず御用米を牛耳ろうとしていました。数日後、梅安は伊豆屋を張り込み、伊豆屋と宗伯が隠れ家で密会しているのを観ていました。すると先日の浪人が現れました。浪人は小杉十五郎と名乗り、薄幸な女郎お仲の母を自殺に追いやった宗伯を狙っていることを梅安に明かしました。梅安は大胆にも、手下の岬の千蔵に仮病のふりをさせて、宗伯のもとに行き探りを入れました。梅安と小杉はそれから、宗伯の用心棒たちに追われる身となってしまいました。そんな中でも、梅安は調査を続けました。そして、梅安は宗伯の女狂い、そして伊豆屋と宗伯の藩主毒殺、そして伊豆屋と宗伯が兄弟であることを知りました。伊豆屋の仕掛を依頼したのはその家老でした。
必殺仕掛人 梅安蟻地獄のネタバレあらすじ:4.罠
梅安は小杉を匿い、自分が仕掛人であることを明かしました。梅安は伊豆屋を、小杉は宗伯を殺すことになりました。梅安の粋な計らいで、お仲は元締・音羽屋のもとで養生することになりました。お仲は温かい音羽屋の言葉に涙を流し、静かに喜びました。秋祭りの日が近づいてきたある日、伊豆屋は今年の氏子総代になることになりました。その時、酔っぱらった宗伯が、伊豆屋のもとに現れました。伊豆屋は言いつけを守らない弟・宗伯を叱り飛ばし、斬り殺そうとしましたが、命乞いをする弟を斬ることはできませんでした。伊豆屋は梅安たちに自分たちが狙われていると察知し、宗伯を甲府へ逃がしました。そして、伊豆屋は殺し屋を雇い、梅安と小杉を抹殺するように命じました。用心深い伊豆屋は、梅安の家に罠が仕掛けました。何も知らず家に帰って来た梅安と小杉に、殺し屋たちが襲いかかってきました。それは一度入れば抜けられない蟻地獄でした。窮地に陥った梅安と小杉でしたが、なんとか斬りぬけました。小杉は殺し屋の一人を締め上げ、宗伯の居場所を聞き出しました。小杉は直ぐ宗伯の後を追いました。
必殺仕掛人 梅安蟻地獄の結末:終わりのない仕掛
小杉は街道沿いの茶店で休んでいる宗伯を見つけました。小杉は宗伯の用心棒二人を斬り、そして宗伯を見事に斬り倒し、お仲の仇をとりました。一方、梅安は祭りの人込みに紛れ、そっと櫓の上で銭まきをする伊豆屋に接近しました。梅安は伊豆屋の首に針を一刺しました。伊豆屋は櫓から転落しました。集まっていた人々の騒ぎをよそに、面を被った梅安は、くわえた針を納め、人込みから消えました。お仲はすっかり元気になり、茶店で働くようになりました。小杉は町道場へと帰って行きました。お仲は小杉を見送りました。梅安は元締・音羽屋から「実はまだ仕掛は終わってない。次はもっと大物だ」と言われました。足を洗おうとしていた梅安でしたが、その言葉を聞き、元締と共に仕掛をすることにしました。二人は次のターゲットに目をやりました。それは固く閉ざされた旗本屋敷でした。
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