ホーンテッドマンションの紹介:2003年アメリカ映画。偶然呪われた「幽霊屋敷」に足を踏み入れてしまった不動産一家が、999人のゴーストに迎えられ、様々な恐怖に遭遇する顛末をユーモラスに描いたホラー・ラブコメディ映画です。ディズニーランドにある人気のアトラクションをモチーフにした作品。キャッチコピーは「この館には、誰も知らない秘密があった」。
監督:ロブ・ミンコフ 出演:エディ・マーフィ(ジム・エヴァース)、ジェニファー・ティリー(マダム・リオッタ)、テレンス・スタンプ(ラムズリー)、ナサニエル・パーカー(エドワード・グレイシー)、マーシャ・トマソン(サラ・エヴァース)、ウォーレス・ショーン(エズラ)、ディナ・ウォーターズ(エマ)、ほか
映画「ホーンテッドマンション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホーンテッドマンション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ホーンテッドマンションの予告編 動画
映画「ホーンテッドマンション」解説
この解説記事には映画「ホーンテッドマンション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホーンテッドマンションのネタバレあらすじ:1.「ようこそ、愚かな人ども…」
時は19世紀、アメリカ、ニューオーリンズ、そこで栄華を誇った大きな屋敷が聳えたっていました。ある夜、その屋敷では盛大な舞踏会が開かれていました。あるうら若き美しい女性が、愛する人への手紙をしたため、赤い封筒に入れ、愛する人の部屋へ密かに届けました。その女性の名は「エリザベス」…、彼女からの手紙を見たある男は彼女のもとへ駆け込みました。しかし、エリザベスは毒の入ったワインを飲み、命を落としてしまいました。その男は命を亡くした彼女を抱きしめ、涙を流し嘆きました。その男はその屋敷の主人でした。彼は彼女の死後、愛する人を失った哀しみのため苦しみ、その屋敷の中でとうとう、首を吊り、自殺してしまいました。その悲劇の屋敷はそれ以降、誰も近付く者はいなくなり、年月だけが経ちました。そして、その悲劇も忘れ去られ、巨大な屋敷だけが当時のまま、ひっそりと佇んでいました。
ホーンテッドマンションのネタバレあらすじ:2.電話
時は流れ、現代のある日、その屋敷に一人の少年がやってきました。彼はアルバイトである不動産屋のチラシを配っていました。突如、その屋敷から異様な空気に襲われた少年は、驚き、持っていたチラシを落として、逃げ去りました。その不動産屋のチラシには二人の夫婦の顔写真が入っていました。ジム・エヴァースとその妻サラ・エヴァースでした。彼らは二人で不動産業を営んでいました。ジムとサラには二人の子供がいました。一人は我が儘で強気で好奇心旺盛な娘メーガン、そしで何よりもクモが大嫌いな臆病な息子マイケルでした。ジムは愛する美しい妻サラとそんな二人の子供たちに囲まれ、幸せな暮らしをしていました。ただ、サラは最近のジムの態度に不満を抱いていました。それはジムが仕事ばかりで、家族サービスがないがしろになっていたからでした。とうとう、サラは結婚記念日の約束を守れなかったジムに不満を言いました。ジムは彼女を宥め、週末に家族で湖へ冒険旅行をしようと提案しました。サラたちは大喜びしました。そんなある日、ジムの家に1本の電話がかかってきました。サラが電話を取ると、不動産売買の件でした。電話の男は邸宅の住所を言い、「まずはあなた、お一人で来てください。…お写真を拝見してあなたは信用できる」とサラに言いました。ジムはその住所を見て驚きました。そこは豪邸ばかりが建っている所でした。ジムは大チャンスが舞い込んだと喜びしました。しかし、男が指定した日は、家族全員で冒険旅行へ行く日でした。大チャンスを逃すことはできないと思ったジムは、家族全員で旅行の途中に、その邸宅に寄ることにしました。
ホーンテッドマンションのネタバレあらすじ:3.美しき豪邸・エドワード邸
ジムは車にサラ、メーガン、マイケルを乗せ、その邸宅に向かいました。人里離れた深い林を抜けて、ジムたちはようやく、その邸宅に到着しました。それは見たこともない巨大で立派な古い屋敷でした。ジムたちはまず、その屋敷の裏を見て驚きました。そこは広大な墓場でした。ジムは売る際のキャッチコピーを考えていると、突然、雨が降ってきました。ジムたちはその邸宅の扉をノックしました。すると扉が自動的に開き、ジムたちは中に入りました。ジムたちは目を見張りました。外見は古びていましたが、その屋敷のエントランスは広く、素晴らしい造りと調度品で整えられていました。それは見たこともない美しさでした。そこへ屋敷の奥から、電話をかけてきた男・執事のラムズリーが出てきました。ジムたちはラムズリーの案内で、屋敷の主人エドワード・グレイシーが待つ部屋へと案内され、更に奥の間へと行きました。その部屋も見たこともない美しさで、晩餐の用意がされていました。立派な暖炉にサラとジムが見とれていると、どこから入ってきたのか、屋敷の主人エドワードが立っていました。ジムとサラは彼に家族を紹介しますが、エドワードの目はサラだけに集中していました。エドワードはサラにこの屋敷の感想を尋ねました。サラは正直に素晴らしいと褒めると、エドワードは「溢れんばかりの想いが込められた屋敷です」とサラの目を見つめ、答えました。召使いのエズラとエマが料理を運び、晩餐が終わると、エドワードはジムに「幽霊の存在を信じますか?」と突然、尋ねてきました。変に感じながらもジムは、仕事を成立するため「いると思います」と答えました。時間は夕刻を過ぎ、外は豪雨で川の水が溢れ、ジムたち家族は仕方なくエドワードの勧めで、この屋敷で1泊することになりました。ジムたちはラムズリーの案内で各部屋に入りました。サラはジムにこのような事態になったことを責め、怒って別室に閉じ籠もってしまいました。落ち込むジムが振り向くと、ラムズリーが立っていました。驚くジムにラムズリーは、主人がお話がしたいと言ってきました。ラムズリーの案内でジムは、主人の待つ部屋と案内されますが、そこにエドワードはいませんでした。ラムズリーは幽霊の存在を信じないと言うジムに、「旦那様は具合が悪い。この屋敷を離れねばなりません。…最悪の事態も起こりうるので」と意味深な事を告げてきました。
ホーンテッドマンションのネタバレあらすじ:4.怪奇な出来事
ジムはラムズリーが去ると、部屋の中をあれこれと触れて回りました。ひょんなことでジムは、机の上の像の頭を折ってしまいました。すると書棚が開きました。その書棚なさらに奥へと通じる秘密の扉となっていました。ジムは恐る恐るその中へ入りました。すると扉が閉まり、ジムは閉じ込められてしまいました。その頃、メーガンとマイケルは、子供たち用とあてがわれた部屋で、古いオルゴールを見つけました。マイケルが何となくそのオルゴールの蓋を開けると、オルゴールの音色と共に、青白く光る丸い玉が浮かんで出てきました。それは人魂でした。その人魂は子供たちを導くように、空間を移動していきました。恐がりのマイケルと連れ、興味津々のメーガンはその人魂の後を追いました。一方、サラは姿が見えないジムを探していると、ラムズリーに言われ、書斎に入りました。そこにはエドワードがいました。驚くサラにエドワードは優しく話かけました。エドワードは執事のラムズリーを心から信頼しているようでした。サラは思い切ってエドワードにこの屋敷を売り払う理由を尋ねました。エドワードは「この屋敷のどこを見ても想い出が詰まっている。その中には辛いものもある。…エリザベスが…彼女が今もこの屋敷に取り憑いているのです」とサラに語りました。人魂の後を追い奥へと入るメーガンとマイケルは、ある物置部屋に入りました。そこには純白のウェディングドレスと、ある女性の肖像画がありました。子供たちはその絵を見て驚きました。その肖像画の女性は母サラとそっくりだったからでした。驚く子供たちに召使いのエズラとエマが、この肖像画の絵は「エリザベス」という名の女性だと教えました。すると、そこへラムズリーが姿を消した子供たちを探しにやって来ました。エズラとエマは子供たちを机の下に隠しました。ラムズリーはエズラとエマに「子供たちを見つけたら、連れてくるように。もう準備は整っている。旦那様の計画に邪魔が入ることは決して許されん」と言い、立ち去りました。その頃、閉じ込められたジムはその暗い道を通り、なんとか屋敷のどこかに出ることができました。廊下を歩き、ジムは女性の声がする不気味な感じの部屋を見つけました。ジムは思い切って、その部屋に入りましたが、女性の姿はありませんでした。女性の声は、机の上の鮮やかな緑色に光る水晶の玉から聞こえてきました。見るとその中に女性の顔が浮かんでおり、その女性が声の主でした。驚くジムにその水晶の女性マダム・リオッタは、この屋敷には悪霊がいて呪われていると教えました。そのリオッタはジムに「悪しき魂が墓よりやって来る。…急ぎなさい家族の命がかかっている。お前の命も狙われている。…呪いを解かねば、ここから逃げることはできない。行け!」と告げました。
ホーンテッドマンションのネタバレあらすじ:5.真実への鍵
なんとかリオッタの部屋から走り逃げたジムは、偶然、子供たちと出会いました。そこには召使いのエズラとエマもいました。彼ら二人も幽霊でした。ラムズリーの話をこっそり聞いていた子供たちは、幽霊の存在を信じ、母サラが危険にさらされており、ジムに呪いを解かないとみんなでここから出られないと言い、嫌がるジムを引っ張り、あのリオッタの部屋へ行きました。その頃、サラはエドワードからこの屋敷にまつわる悲劇を語り伝えました。美しい女性エリザベスとここの主人が深い愛情で結ばれようとしたが、身分の違いから、将来を悲観したエリザベスは服毒自殺をしたこと、そして、その跡を追いここの主人も屋敷内で首吊り自殺をしたことを語りました。驚くサラに、エドワードは「彼の魂は彼女を諦めきれず、今もこの屋敷を彷徨っている」と語りました。その様子をジムたちは、あの水晶を通して見ました。ジムはようやく理解しました。この屋敷で亡くなったエリザベスに瓜二つのサラを、幽霊であるエドワードが狙っているということを…。リオッサは「真実を知らねば、呪いは解けない。真実を知るには鍵を見つけねばならぬ」と語り、その鍵の在処をジムたちに教えました。ジムたちはサラを救うため、鍵を取りに行く決意をしました。しかしそこは裏の墓場の奥の霊廟、そしてその中の黒い棺の中でした。それにはまずこの屋敷から出なくてはいけませんでした。エズラとエマは古い幽霊馬車にジムたちを乗せ、そこへ向かいました。行く途中、墓場では幽霊たちが思い思いに遊んでいました。霊廟に着いたジムと子供たちは、その霊廟の黒い棺の中のミイラから鍵を取りました。すると、横で眠っていたミイラたちが襲ってきました。ミイラに追いかけられながらも、ジムたちはなんとか鍵の奪取に成功しました。ジムたちは次に何をすべきか、リオッタの指示を仰ぎました。ジムは水晶のリオッタを持って、ある部屋に行き、一つのトランクボックスを見つけました。ジムはリオッタの指示通りに、取ってきた鍵でその箱を開け、赤い封筒を見つけました。ジムはその封筒の中の手紙を読み、驚きました。その手紙の内容はエリザベスの遺書などではなく、恋人宛への永遠の愛情を宣言する結婚宣誓書のようなものでした。エズラとエマは、エリザベスが自殺ではなかったことを知りました。ジムは「誰かが手紙をすり替えたんだ」と呟きました。
ホーンテッドマンションのネタバレあらすじ:6.悲劇の真実
するとそこにラムズリーがやって来ました。ラムズリーに逆らえないエズラとエマは、直ぐに姿を消しました。ジムはなぜとラムズリーに詰め寄りました。ラムズリーは「旦那様が全てを捨てようとしなさった。愛のために。…この屋敷を守ることが、私の務め。坊ちゃまが愚かな選択をせぬよう配慮する責任がある」と語りました。悲劇を起こしたのはラムズリーでした。彼はエドワードが全てを捨てて、愛するエリザベスと駆け落ちしようとしていたので、舞踏会の夜、エリザベスに毒の入ったワインを飲ませて殺したのでした。ラズベリーは、主人エドワードが呪いから解放されることで、自分たちも解放され、天国に行けると考えていました。それにはエリザベスと瓜二つのサラを、エドワードにエリザベスと思わせて結婚させる必要があったのでした。ラムズリーはサラの命を奪うつもりでした。結婚式は今夜行うとラムズリーはジムに言うと、邪魔立てしようとしたジムを、力尽くで窓から屋敷の外に放り投げました。その頃、エドワードはサラを連れ、かつて舞踏会で共に踊ったホールに案内しました。エドワードはサラに「愛とは許すことだ。愛は今一度、チャンスを与える。そう思わないか?」と尋ねました。サラが「そう思うわ」と答えると、エドワードは急にサラに「思い出さないか?」と言い、かつてエリザベスと共に過ごした時間のことを熱烈に語り出しました。エドワードは完全にサラをエリザベスと思い込んでいました。サラはそんなエドワードを見て、怖くなり、部屋へ逃げ帰りました。落胆するエドワードをラムズリーは励まし、結婚式の準備にかかるように指示しました。ラムズリーは子供たちを人質にとり、サラにエドワードと結婚式を挙げるように迫りました。サラは仕方なく、ラムズリーの指示に従いました。
ホーンテッドマンションのネタバレあらすじ:7.天国と地獄
ラムズリーの計略にはめられサラは、ウェディングドレスを着て、エドワードとの結婚式に行きました。そして、エドワードとサラの結婚式が始まりました。結婚の宣誓に誓いを述べたエドワード、そして、サラは嫌々ながら目に涙をためて、誓いを述べました。ラムズリーは誓いのワインに毒を入れ、それを二人に飲ませようとしました。サラが少しそのワインを飲みかけた時でした。ドアをぶち破り「異議あり!」と叫び、ジムと子供たちが乱入してきました。ジムは外でリオッタに励まされ、車で屋敷に突っ込み、その後、人質の子供たちを救い出し、サラを助けに来たのでした。サラはジムの登場に喜び、抱き合いました。その様子を見たエドワードは、剣を抜き、ジムを脅しました。ジムはエリザベスが書いた本物の手紙をエドワードに渡し、すべてラムズリーの計略だと言いました。エドワードはその手紙を読み、驚き、真実を悟りました。エドワードがラムズリーを追究すると、ラムズリーは仕方なく真実を語りました。ラムズリーはエドワードに「この恩知らずが!みんな地獄に落ちろ!」と言い放ちました。すると、外から悪霊たちが多数入ってきました。その時、暖炉の炎が燃えさかり、龍となって、ラムズリーに襲いかかり、地獄へと引きずり込もうとしました。ラムズリーはジムを道連れにしようとしましたが、間一髪のところをエドワードに助けられました。ラムズリーは地獄へと落ち、地獄の扉は閉じました。静寂に包まれた屋敷の中、毒入りワインを少し飲んでしまったサラは、ジムの腕の中で息絶えてしまいました。そこにあの青白く光る人魂が、入ってきました。その人魂がサラの体内に入りこむと、天空から青白い一筋の美しい光がサラを照らしました。サラの身体は宙に浮かび、サラの目が開きました。その人魂はエリザベスでした。真実を知ってもらったエリザベスは、サラの身体を借りて「やっと一緒に天国へ行ける」と言い、エドワードと抱き合い、キスしました。複雑な心境でジムは、エドワードに「僕の妻なんだけど」と言い、エリザベスに「サラ」と呼びかけると、急にサラは意識を無くし倒れ込んできました。サラはエリザベスの力で命を取り戻しました。エドワードはジムとサラに感謝の意を述べ、屋敷の権利書を渡し、エリザベスと抱き合って、天国へ昇天していきました。続いて、エズラとエマも昇天して行きました。屋敷にはびこっていた無数の霊たちも、次々と昇天し、巨大な屋敷から異様な空気は取り払われました。
ホーンテッドマンションの結末:8.愛はすべてを越える
ジムは車に、歌う幽霊像ザ・シンギング・バスツを積み、水晶のリオッタを最後部に乗せて、家族みんなでは屋敷から出て、約束通り車で冒険旅行へ行きました。リオッタは「愛はすべてを越える…」と言い続け、ザ・シンギング・バスツは明るく歌い続けました。
テーマパークにあるホーンテッドマンションとはまた違ったストーリーで面白いです。切ないラブストーリーも盛り込まれていて、意外にもシリアスな面を持つ映画です。しかし、ディズニーならではのユニークな描写も多く、どの世代の人も皆楽しめる映画となっています。