ポリーナ、私を踊るの紹介:2016年フランス映画。小さな町でバレエの才能を見出されたポリーナ。コンテンポラリーバレエに出会い、踊りを探求する道のりが始まる。バスティアン・ヴィヴェスのグラフィックノベルが原作のドラマ映画。
監督:ヴァレリー・ミュラー、アンジュラン・プレルジョカージュ 出演:アナスタシア・シェフツォヴァ(ポリーナ)、ニールス・シュネデール(アドリアン)、ジェレミー・ベランガール(カール)、ミグレン・ミルチェフ(アントン)、ヴェロニカ・ジョフニツカ(ポリーナ(8歳))、クセニヤ・クテポヴァ(ナタリア)、ジュリエット・ビノシュ(リリア・エルサジ)、ほか
映画「ポリーナ、私を踊る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ポリーナ、私を踊る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ポリーナ、私を踊るの予告編 動画
映画「ポリーナ、私を踊る」解説
この解説記事には映画「ポリーナ、私を踊る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ポリーナ、私を踊るのネタバレあらすじ:起・ロシアの片隅の才能
小さな町のバレエ学校に通うポリーナ、彼女にとって踊りとは身体から自然に出て来るもので、バレエ学校から帰り、彼女は一人踊りながら帰っていた。それは学校が教える厳格な踊りとは違うものだった。
ある日、父と雪の森に狩りに出かけたポリーナは、一匹の鹿に出会った。しかし父の銃声に我に返ると鹿は消えていた。
貧しいながらも、両親を手伝いバレエ学校に通い続け成長したポリーナだったが、拳銃を持った借金の取り立てがやって来て家を荒した事から、父が危険な仕事に手を染めている事を知る。翌日学校では踊りに込めた感情をコントロールしろと叱られたが、それができず、自分の役を交代させられてしまった。
それでもポリーナは夜更けまで練習し、ボジンスキー先生に稽古の甲斐もあり、ボリショイ・バレエ学校に入った。
ポリーナ、私を踊るのネタバレあらすじ:承・ボリショイで訪れた転機
ロシアの象徴ボリショイで舞台に立ちたければ頑張らなければならず、成功にはエネルギーが必要だった。ここでもボジンスキー先生が稽古をつけてくれた。
ある夜帰宅すると、また家の中が荒らされていた。プリマにするのが夢の父親は、ポリーナに危険が及ぶことはないと抱きしめた。そんな期待を背負った彼女も、フランスからやって来たアドリアンと恋に落ち、更に彼と見たコンテンポラリーバレエに衝撃を受け、彼がフランスへ帰るのと一緒に、母親が止めるのもよそに、ボリショイを抜けエクサンプロバンスのバレエ団に入った。
ポリーナ、私を踊るのネタバレあらすじ:転・南仏のバレエ学校へ
そのバレエ団では訓練期間中、ポリーナは古典向きとだけと内に秘めている物があると評され、アドリアンとペアを組み白雪姫の役を貰った。
コンテンポラリーのレッスンは厳しいと講師のリリアに忠告された通り、水辺に泳ぎに行った水着姿のポリーナは体中が打ち身とあざだらけだった。レッスンでは美しいだけで真実が感じられない、あなたは何者なのかと言う問いに、父親はジョージア人、母親はシベリア人だと打ち明けた。
休めと言われた休みの日も一人で練習していると、リリアに孤独を感じるかと問われ、少し寂しいと答えると、それを感じて踊れと言われた。
そんな矢先、アドリアンとのリフトがうまくいかず、ポリーナは足首を痛めてしまった。彼女が踊りから離れているうちに、アドリアンはソーニャとペアを組み踊っている所や、リリアが練習室で一人で踊っているのを見てしまう。焦りを覚えた彼女は、白雪姫を自分に踊らせてほしいと直談判したが断られ、さらにアドリアンの心変わりを察した彼女は水辺で入水しようとするが、出来なかった。
ポリーナ、私を踊るの結末:ポリーナの辿り着いたもの
アントワープまでやって来たポリーナは、広告にあったダンサーの試験を受ける。すると試験官はダンサーが踊れるのは当然、その上で何かを感じさせろと言われ試験は通らなかった。それでも諦めきれないポリーナは即興を取り入れるコンテンポラリーのクラスをながめ、祖国の母親には嘘の電話をかけてごまかすが、宿代も尽きてしまい、夜のパブで働くことになった。
即興のクラスが気になるポリーナは再びスタジオを訪れ、ルームメイト募集の広告を出していた即興クラスの講師のカールの部屋に住み、クラスに入る事になった。
しかし父親がアントワープにやって来てパブで働いている事を知ってしまう。帰郷を望む父親に、彼女は世界を見たい、他人の振付を真似するのは嫌だと首を振った。
才能を持て余すポリーナにカールはモンペリエ・フェスティバルの振付の依頼をしたり、バーと家の行き来ばかりで疲弊していく彼女を散歩に誘い出し、波止場で踊るように歩いた。そして振付を引き受けたポリーナはカールと二人で踊りたいと提案した。
振付を考え出すと、彼女の目には道行く誰もが踊っているような錯覚をし始める。「港」と言う題で振付を始め、練習場で共に寝起きし作品を作り上げる二人はいつしか恋に落ちていたが、今度は働いているバーに父親の訃報の電話が掛かって来た。故郷に戻ったポリーナは父の夢は娘がプリマになる事だったと告げられる。子供の頃通っていたバレエ学校を訪れ、恩師との邂逅の後、アントワープに戻りフェスティバルの担当者に出来上がった作品を見せた。
できあがったものは、雪のなかで踊る作品。それは彼女が子供の頃にみた鹿のイメージだった。
以上、映画ポリーナ、私を踊るのあらすじと結末でした。
ポリーナ、私を踊るのレビュー・感想:ポリーナにとっての「踊り」
故郷を離れ自分の踊りを模索し続けたポリーヌは、最終的に踊りを始めた当初言っていた「身体から自然に出てくるもの」という所に回帰する。カールとアントワープの港を題材にしたはずの踊りは、雪深い森とその中に佇んでいた鹿という彼女が父親と子供の頃に体験したイメージに支えられている。それはかつて踊りを習い始めた頃、帰り道で踊っていた踊りこそが身体から自然に出て来ていたのだと証明するかのようだ。
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