ミッションの紹介:1986年アメリカ映画。カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドール、アカデミー賞で撮影賞、ゴールデングローブ賞で脚本賞を獲得した歴史ドラマです。18世紀のスペイン植民地下の南米を舞台に、時代の波に翻弄されるキリスト教宣教師たちの運命と葛藤を描きます。
監督:ローランド・ジョフィ 出演者:ロバート・デ・ニーロ(ロドリゴ・メンドーサ)、ジェレミー・アイアンズ(ガブリエル神父)、レイ・マカナリー(アルタミラーノ枢機卿)、リーアム・ニーソン(フィールディング宣教師)、エイダン・クイン(フィリッポ・メンドーサ)、シェリー・ルンギ(カルロッタ)ほか
映画「ミッション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミッション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミッションの予告編 動画
映画「ミッション」解説
この解説記事には映画「ミッション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミッションのネタバレあらすじ:起
1750年代、当時スペインの植民地だった南米・パラナ川上流の未開の地(現在のパラグアイ)では、キリスト教カトリック系のイエズス会の宣教師が原住民グアラニー族への布教を試みていましたが、捕らえられて十字架にかけられ、川に流されて殉教していきました。新たに現地に派遣された後任宣教師のガブリエル神父(ジェレミー・アイアンズ)は険しいジャングルを潜り抜けてグアラニー族の集落に辿り着き、早速布教のためのアプローチを試みました。最初はガブリエルを敵視していたグアラニー族も、言葉は通じないながらも自分たちの文化である音楽を理解してくれたガブリエルに心を開くようになっていきました。やがてガブリエルを慕う若き宣教師・フィールディング(リーアム・ニーソン)も現地を訪れ、二人はグアラニー族にキリスト教の布教を開始しました。
ミッションのネタバレあらすじ:承
その一方で、ガブリエルは同じスペイン人入植者で、グアラニー族を誘拐しては奴隷として売り飛ばす奴隷商人ロドリゴ・メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)の存在を知って愕然としました。ガブリエルはメンドーサを嫌悪、メンドーサもまたガブリエルを見下すなど二人の間には緊張感が走りました。
そんなある日、メンドーサは弟のフィリッポ(エイダン・クイン)が愛人のカルロッタ(シェリー・ルンギ)を寝取ったことに腹を立て、衝動的にフィリッポを殺害してしまいます。自らの過ちに衝撃を受けたメンドーサはすっかり生きる気力を失くし、逮捕されて独房に収監されました。そんなメンドーサに救いの手を差し伸べたのはまさかのガブリエルでした。ガブリエルはメンドーサに「自分の罪を贖う勇気すらないのか」と焚きつけ、メンドーサはガブリエルに連れられてグアラニー族の集落へと向かうことにしました。
ミッションのネタバレあらすじ:転
グアラニー族に自らの罪を詫びたメンドーサはガブリエルの弟子となり、以後は心を入れ替えてグアラニー族のために見習い神父として働き始めました。やがて集落には小さな教会が立ち、ガブリエルやメンドーサらは布教のみならず農業などの技術も惜しみなく指導していき、集落はやがてグアラニー族の文化とキリスト教の文化が融合した平和で豊かな世界へと発展していきました。ガブリエルらの活動はイエズス会本部からも高く評価され、メンドーサは正式に神父として認められました。
しかし、平和な時も長くは続きませんでした。ガブリエルらの活動を快く思わない植民地の支配者たちは地元一帯をスペイン・ポルトガル両国のいずれかに編入する交渉に入り、ガブリエルらの集落はポルトガル領に編入されることとなりました。それは、奴隷制度を容認するポルトガルがグアラニー族を奴隷として使役するということであり、ガブリエルらと地元住民は立ち退きか服従かどちらかを迫られました。
ミッションの結末
ガブリエルらとポルトガルの有力者との交渉は決裂に終わり、ポルトガルは武力を持って一帯を制圧することを決定しました。メンドーサはイエズス会の掟に背くことを覚悟のうえで徹底抗戦を訴え、反対するガブリエルに「愛する者たちのために戦うべきでないというのが神の意志ならば、私は神父を辞める」と説得しました。メンドーサは滝壺に投げ捨てた武器を回収、共感してくれたフィールディングやグアラニー族とともに戦闘の準備に入りました。
やがてポルトガル軍が集落に攻め入ってきました。圧倒的な戦力の前にグアラニー族の戦士たち、そしてフィールディングはあえなく命を散らしていきました。勇敢に立ち向かったメンドーサも致命傷を負ってしまい、教会は焼き払われ、祈りを捧げていたガブリエルは信者らと共に殉教しました。ガブリエルの最期を見届けたメンドーサもまた静かに息を引き取りました。
「ミッション」感想・レビュー
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4年ほど前に鑑賞しました。西洋の奴隷植民地の歴史を学んだ今なら、もっと深く観れる気がする。
デ・ニーロの出演作にしては、日本ではあまり有名ではないのは、戦後に欧米列強の植民地支配についての、情報統制の一環だったのかなと、今なら思います。
興味を持ちました。
DVDがあるようなのでこれから観ます。