バレッツの紹介:2010年フランス映画。引退したマフィアのボス、マッティは、家族と穏やかに過ごしていた。しかしある日、何者かが彼を襲撃する。22発の銃弾を受け生き延びた彼だが、その黒幕は義兄弟とも言える親友だった。マッティは最初は親友の裏切りに耐えたが、しかし家族を巻き込むその親友の度重なる残酷な仕打ちに、マッティは報復を決断する。ジャン・レノが昔気質のボスを演じるハードボイルド映画。
監督:リシャール・ベリ 出演者:ジャン・レノ(マッティ)、カド・メラッド(ザッキア)、ジャン=ピエール・ダルッサン(マルティン)、マリナ・フォイス(ゴールドマン)ほか
映画「バレッツ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バレッツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バレッツの予告編 動画
映画「バレッツ」解説
この解説記事には映画「バレッツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バレッツのネタバレあらすじ:起
祖母に送り出され、男は息子を連れて車で街に出ます。息子は大道芸を見付けると車を降りて一人そこへ向かいました。
男はその間に駐車場に車を入れます。しかし車を止めて降りると彼は取り囲まれ、無数の銃弾をその身に浴びました。
男の脳裏に、過去恩人が刑務所で、因果な商売だと嘆く言葉が走馬灯のように浮かびます。
引退したマフィアのボスであるマッティが撃たれたニュースは瞬く間に広がります。それは元は仲間で事業を譲ったザッキアとオレリオの耳にも入り、二人は苛立ちます。そしてこの銃撃事件を担当するのは、殉職した夫を持つゴールドマンでした。
マッティは大手術の末命を取り留めます。その手術中、彼は恩人が暗殺され、その仇をとった時の夢を見ます。ザッキアとオレリオは、仇討ちを手伝ってもらって以来、親友でした。
ゴールドマンは捜査に当たり署長から私情を抑えろと忠告され、入院中のマッティを事情聴取します。マッティは非協力的で彼女は病室を後にします。入れ替わりで弁護士のマルティンが、護衛にマッティの元手下を連れてやって来ました。そしてその夜、何者かが病院に侵入しマッティを狙います。ですが暗殺者は誤って、別人を殺して逃げました。
警察はマッティの監視を怠りません。その中、ザッキアがマッティの見舞いに訪れます。ザッキアは22発受けても生きていた事を賞賛し、守護聖人の絵葉書を持ってきます。彼はその絵葉書を裏側に、警察の監視がある事が書いていました。マッティは治療の為の麻酔を拒否し、常に身の回りに銃を置きました。
マルティンは病気の妻を持ち、マッティとは家族ぐるみの付き合いでした。マッティの娘は引退した筈の父がまだ足を洗い切れずに居る事を恨みます。そのマッティは、右手の麻痺が後遺症で残って苦悶に歪みます。
ゴールドマンは先日無言電話を受け、その発信元を調べさせていましたが、発信元は刑務所だったという報告を受けます。刑務所に赴いたゴールドマンは、マッティに恨みを持つピスタチオという男と面会します。ピスタチオは、マッティに女を取られた事を恨みに思っていましたが、今回の事件に関係してないと彼女に告げます。
その頃、マッティの護衛についているカリムは、彼を撃ったと自慢している男を捕え、倉庫に監禁していました。病院を抜け出し、警察の監視を出し抜き、マッティは倉庫で仔細を聞き出します。男は怯えながらも主犯はザッキアで、7人の手下が実行したと答えました。理由は、マッティは麻薬の取引をザッキア達に禁じ、約束させていたからでした。
マッティはそれを聞き、カリムの密告されるという忠告を無視して男を解放します。カリム達は報復を進言しますが、マッティは死んでも友達だと彼を憎めず、彼の為なら死ねると報復を捨てます。そして彼は、そのまま家族の待つ自宅に帰りました。
バレッツのネタバレあらすじ:承
カリムは家族と夕食を楽しみ仕事に出ます。しかしその途中で彼は何者かに誘拐されてしまいました。
誘拐したのはマッティを撃った7人で、密告した男と共にカリムをいたぶり最後にはその男と共に惨殺します。カリムの一部はマッティに送り届けられました。
カリムの葬儀にマッティは出席します。彼はもう一人の護衛パットに家族を隠すよう指示します。そして彼は、7人が集まっている所に姿を現し、時間を掛け、一人一人に報復を行う事を宣言します。ザッキアにもそれを伝えろと彼等を脅し、その場で一人目を銃殺しました。
半年が過ぎ、マッティの報復が始まり、一人ずつ残忍に殺されます。
ゴールドマンはザッキアに報復の件を聴取に行きます。その間、ザッキアの手下がゴールドマンの車に盗聴器を着けます。
ザッキアは関係しているとされている彼女の夫の死に関して牽制して、マッティはまともではないと言い出し始めます。彼はマッティを放置している警察の不備を指摘しますが、ゴールドマンは起訴に持ち込む度に証人等が消えて行く不可思議を指摘します。ザッキアはゴールドマンを取り込もうとしますが、彼女はそれを拒否しました。
ザッキアの手下がマッティの家を荒らし爆破します。その現場に訪れたマルティンは慌ててマッティの所へ向かいます。それをザッキアの手下は尾行し、仲間に連絡します。
海辺の小屋に隠れているマッティの所にマルティンがやって来ます。家の事を告げる彼に尾行はないかと確認すると、ザッキアの手下が銃撃を行ってきます。
マッティはマルティンに銃を渡し、ボートへ向かうように指示します。その間マッティは注意を引き付けますが、マルティンは手下の一人に銃口を突き付けられてしまいました。
マッティはバイクで逃走します。それを手下は車で追跡しますが、マッティは警官を見付けるとわざと事故を起こしてやり過ごしました。
マルティンはザッキアの前に引き出されます。ザッキアは彼に、次マッティの居所を知ったら友達のよしみで教えてくれと言うだけで去って行きました。
バレッツのネタバレあらすじ:転
マッティは拘置されゴールドマンは報復を行っているかを問います。彼は惚けましたが共通の敵が居るとほのめかします。逆にマッティは、何故ザッキア一味を逮捕しないかを聞きます。ゴールドマンは証拠がないと答え、彼を襲撃した者の内、一人は何故かその狙いを外して居たと言う事を教えました。
ザッキアの手下がまた一人殺されます。報復の危険がある中、ザッキアのお気に入りの手下マレクが結婚式を上げました。その間マッティは出席しなかった手下フランクを襲います。マッティはフランクに8人目の襲撃者の事を聞きますが、フランクは覆面をしていて素性は判らないと答えます。更に命乞いをし、代わりに裏帳簿をUSBメモリにコピーして手渡します。そこに、連絡のつかないフランクの様子を見に来た仲間が現れます。彼は血痕を発見し、フランクが襲われている事に気付きますが、マッティはフランクを殺し逃げ果せました。その現場に来たザッキアは、遂に怒りをぶちまけ、マッティを家族諸共殺せと残った手下に命じました。
その頃、結婚式が終わったマレクは家に帰りますが、何者かが彼を撃ち殺して銃を落して行きました。
マッティは帳簿のデータをマルティンに渡し、コピーを取ってオレリオに渡せと指示を出します。
ゴールドマンは、先日のマレク殺し等で使用された銃からマッティの指紋が取れた事で、署長から逮捕しろと命令を受けていました。しかしそれは何者かの罠だと見抜いた彼女は反抗します。
ゴールドマンは、マルティンを探す為に息子の学校を調べるよう同僚に頼みます。彼女は、学校帰りの息子と娘を連れたパットを尾行します。ですが盗聴器で知ったザッキアの手下がそこに現れ、パットを殺し子供を攫って行きました。
警察署にマッティの妻が呼び出されます。娘の方は解放され保護されましたが、酷い暴行を受けていました。娘はマッティが降参しなければ息子を殺すという伝言を託されていました。
ゴールドマンは車に乗ります。そこにマッティが乗り込んで息子を助ける為に自分を逮捕したという誤報を流せと頼んで来ました。ゴールドマンはその頼みに難色を示します。マッティはこれが終わったら出頭すると言い、自分は下らない男だが愛する者を失いたくないと切実に言って来ました。
マッティ逮捕の報道が流れ、ザッキアは息子を殺し、オレリオも殺せと手下に命じます。手下の一人は息子の監禁している家に向かいますが、マッティがそれを尾行します。手下は見張りに殺すのを手伝うよう言いますが、見張りはそれを拒否し逃がそうとします。手下は見張りを殺し、息子も殺そうとしますが、そこにマッティが駆け付け手下を殺害し、息子を無事助け出しました。
バレッツの結末
家族と再会したマッティは、妻に自首する事を告げます。その頃ザッキアは、オレリオの暗殺に成功していました。その現場でゴールドマンは、オレリオに渡っていた帳簿のコピーを手に入れます。
自分の屋敷でザッキアは目を覚ましますが、呼び掛けても誰も出てきません。彼はコーヒーを飲む為にキッチンに向かいますが、壁にマッティに送った絵葉書が張ってある事に気付きます。
姿を現したマッティは理由を知りたいと問います。ザッキアは、警官を殺さない、薬を扱わないというマッティの古い仁義に不満を持っていた事を激白します。ザッキアは銃を向けるマッティに考えすぎるな、撃てと言いますが、マッティは元親友を前に迷いを感じていました。その隙にザッキアはマッティに襲い掛かります、しかし、そこにゴールドマンが部下を連れてきて二人を拘束しました。
逮捕されたマッティは聴取を受けます。彼はマレク殺害を否定しますが刑事は指紋が出た銃を示します。マッティはその銃を見て、それが海辺でマルティンに手渡した物だと気付きます。マッティはザッキア襲撃も聞かれますが惚けて見せました。そこにゴールドマンが来て、マッティを起訴できるのは軽犯罪だけだと聴取にサインを求めました。
マッティはそれに応じ、左手でサインします。ゴールドマンは犯人は右利きだと教え、彼を解放しました。
釈放されたマッティをマルティンが出迎えました。マッティは車で移動し、因果な商売と陰惨な血の連鎖を憂います。車は、最初の襲撃現場に辿り着きました。
マッティは襲撃にマルティンが参加していた事を問い詰めます。マルティンは、金の為にやった、標的がマッティだとは知らなかったと告白します。
マッティはグローブボックスから銃を取り、車を降ります。マルティンも車を降り、狙いは外したと赦しを請います。それを聞いたマッティは、徐に発砲しました。銃弾は連射されましたが、全て外されていました。
マッティはマルティンの手を取り、これで御相子だと彼を抱き締めました。
マッティは家族の元に戻り、出来るだけ長く傍に居よう、何者にも怯える事なくと誓います。
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