危険な関係の紹介:1959年フランス映画。感情に流されずに愛人たちとの関係を楽しんできた男女に起きる危機。1782年にラクロによって書かれた同名小説の最初の映画化。現代のフランスに舞台を置き換えている。公開当初は海外輸出禁止になった問題作。監督のロジェ・ヴァディムは映画の冒頭で自らこの映画の主題について解説している。ジェラール・フィリップの生前に公開された最後の出演作品。音楽はセロニアス・モンク。映画後半のパーティーで演奏するのはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ。
監督:ロジェ・ヴァディム 出演者:ジャンヌ・モロー(ジュリエット・ヴァルモン)、ジェラール・フィリップ(ヴァルモン)、アネット・ヴァディム(マリアンヌ)、ジャン=ルイ・トランティニャン(ダンスニ)、ジャンヌ・ヴァレリー(セシル)その他
映画「危険な関係(1959年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「危険な関係(1959年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
危険な関係の予告編 動画
映画「危険な関係(1959年)」解説
この解説記事には映画「危険な関係(1959年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
危険な関係のネタバレあらすじ:起・パーティーの夜
外交官ヴァルモンと妻のジュリエットの優雅なカップルが自宅でパーティーを開く。ヴァルモンが国連に職を得るための運動の一環である。客たちは夫妻の噂をする。ヴァルモンは女たらし、ジュリエットは貞淑な妻と思われていた。しかし、実は二人とも複数の愛人を作り、それらの情事を報告し合って楽しんでいた。感情に流されずに快楽を味わうのが二人の流儀だった。
このパーティーでヴァルモンは、女学生のセシルがジュリエットの愛人だったアメリカ人コートと婚約したことを知る。コートはバージンのフランス娘を妻にするのを楽しみにしている。そこでジュリエットはヴァルモンにコートを出し抜いてセシルのバージンを奪うように勧める。
一方、そのころセシルは貧しい学生ダンスニのアパートを訪れていた。セシルはダンスニのベッドに身を横たえ、同棲してしまえば二人の結婚をきっと認めてもらえると言うが、ダンスニは行為より結婚が先であるという考えである。しかし学業も兵役もこれからのダンスニがセシルと結婚できるのはずっと先のことである。
危険な関係のネタバレあらすじ:承・スキー場の出会い
ヴァルモンはセシルが母親や友達とクリスマスを過ごしているスキーリゾート地へ行く。セシルの母はヴァルモンのいとこで、ヴァルモンという悪い虫が娘につかないように警戒を怠らない。ヴァルモンはセシルをものにしないうちに、笑顔の美しい、司法官の貞淑な妻で幼い女の子の母であるマリアンヌに心を奪われる。誠実な態度で彼女とその家族と親しくなる。
そしてその後で正直に自分とジュリエットがしている不道徳なことを話した。ヴァルモンはその一方でセシルにダンスニという恋人がいることを知る。若い二人の恋を助けるふりをしながら、彼が握った秘密でセシルを脅迫して関係をもってしまう。
夫がマリアンヌを本気で愛し始めていることを心配して、ジュリエットもリゾート地に合流する。大みそかの夜のパーティーにマリアンヌを招く。ヴァルモンは新年の最初のキスをマリアンヌとするが、相変わらず、それ以上の関係をもつことはできなかった。しかし、ジュリエットにそそのかされたセシルとは頻繁に関係をもつようになる。
危険な関係のネタバレあらすじ:転・ヴァルモンの恋の成就
マリアンヌを忘れることができないヴァルモンはパリの彼女の家におしかけ、インド洋のレユニオン島に転勤する、あなたと同じ都市に住むことが辛いからだと嘘をついて同情を買う。ついにマリアンヌはヴァルモンへの思いを抑えることができず二人は結ばれる。
二人はノルマンディーに旅行に出る。マリアンヌは夫と別れることを決意する。一方、セシルはヴァルモンの子供を妊娠してしまった。セシルはジュリエットに相談する。今すぐダンスニと結婚すればヴァルモンの子供とわかるまい。ジュリエットはダンスニに会いに行くが、真面目なダンスニを誘惑することに決め、セシルとの結婚は後にするようにダンスニに言う。
危険な関係の結末:夫婦の戦争
マリアンヌと過ごしていたヴァルモンに新しい仕事が決まったという連絡が来る。東京、ナイロビ、カルカッタ…。出張が多く華々しく活躍できるポストだ。だが、家に戻ったヴァルモンの前で、ジュリエットは彼の名でマリアンヌへ酷いことばで別れを告げる電報を打つ。
そしてジュリエットがダンスニに会いに行くことを知ったヴァルモンは彼女との戦争を決意する。ダンスニが待つ、ジャズが演奏されるパーティーにセシルを連れて先回りし、ジュリエットにだまされていること、セシルが結婚を急いでいることをダンスニに教える。
しかし、ダンスニがアパートに帰るとジュリエットがいる。ジュリエットはヴァルモンがセシルとの関係を書いた手紙を見せる。怒ったダンスニはパーティーに舞い戻りヴァルモンを殴る。倒れたヴァルモンは打ちどころが悪くその場で死んでしまう。
ダンスニがヴァルモンを「殺した」ニュースを新聞で読んだマリアンヌは精神に異常を来す。死んでしまったヴァルモンに会いに行くために荷造りをする。一方、ジュリエットは警察に調べられないように夫との手紙を慌てて燃やそうとするが手紙の火が彼女の服に燃え移って大やけどをする。やがてダンスニの殺人の疑いは晴れセシルと手を取り合って自由の身になる。セシルの母はジュリエットの顔に醜い心が現れていると言うが、ジュリエットはやけどを負った顔を堂々と見せて法廷を去る。
以上、映画「危険な関係」のあらすじと結末でした。
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