毛皮のビーナスの紹介:1969年西ドイツ,イタリア映画。小説家の男が女性の部屋を覗き見たことで少年時代の体験が蘇り、屈折した快楽が呼び覚まされ、倒錯した愛にのめりこんでいく。「マゾヒズム」の語源ともなった作家マゾッホの原作を映画化。
監督:マッシモ・ダラマーノ 出演:ラウラ・アントネッリ、レジス・ヴァレ、レナート・カッシュ、ローレン・ユーイング、ほか
映画「毛皮のビーナス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「毛皮のビーナス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「毛皮のビーナス」解説
この解説記事には映画「毛皮のビーナス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
毛皮のビーナスのネタバレあらすじ:起・ヴィーナスとの出会い
湖畔のホテルに滞在する小説家セヴリンは、ある日隣室にやってきた美しいモデルのワンダに目を奪われる。その夜、隣室からワンダを覗き見ていたセヴリンは、彼女が裸に毛皮をまとい自慰に耽るのを目にして、少年時代に自宅の運転手と娼婦の情事を覗き見たことを思い出し、ワンダに対する妄想をかきたてられ彼女から目がそらせなくなる。再びセヴリンが隣室を覗いていると、ワンダはホテルで知り合った男を招きいれていた。2人の情事を見つめるセヴリンは、彼女が他の男に抱かれていることの苦痛と、少年時代覗き見が見つかって女に叩かれたときの痛みが交錯し、激しい官能の渦に引き込まれる。
毛皮のビーナスのネタバレあらすじ:承・呼び覚まされた官能
抗えずセヴリンはワンダに声をかけ、彼女とベッドを共にする。そこで彼女が“女王様”になった写真を見たセヴリンはそれをワンダに再現させ、彼女に打たれて激しい快感を得る。ワンダはセヴリンの覗き見に気づいていて、彼女自身見られることで快感を得ていた。そして2人はその屈折した欲望のままに快楽を追及するようになり、セヴリンは次々とワンダに行きずりの男を誘わせ、男たちとの情事を見ることで快感を得、彼女への愛を強めていく。
毛皮のビーナスのネタバレあらすじ:転・ハネムーンの先
やがて2人は結婚。ハネムーンで訪れた地で2人は運転手と人妻というシチュエーションを演じ、周囲から注がれる好奇の目線を楽しんでいた。しかし徐々にワンダの態度に変化が現れ、セヴリンの知らない男と彼の目の届かないところで会って苛立つ。画家だというその男をセヴリンは改めて部屋に引き入れ、ワンダに誘わせてその男との情事をいつものように眺めていた。しかしワンダはそうしたセヴリンの性癖に絶えられなくなり、彼を激しくちょう打する。
それからワンダはセヴリンを無視し、自らが選んだ相手を誘ってセヴリンを遠ざけて他の男と体を重ねるようになる。自分が求めた快楽の形が消え去り、ワンダの愛も失ったことに絶望したセヴリンは1人ハネムーンの地を後にする。
毛皮のビーナスの結末:再びの快楽
途中給油に立ち寄ったカフェで、セヴリンはワンダに瓜二つの娼婦ポリーに出会う。思わず彼女を誘ってホテルの部屋に入ったセヴリンは、ポリーを見つめるうちにワンダへの怒りがこみ上げ、その怒りをポリーにぶつけ、激しくちょう打する。騒ぎを聞きつけた従業員らが部屋に入りセヴリンを取り押さえるが、なぜかポリーは彼をかばい、従業員らを帰らせる。ポリーはセヴリンの前にひざまずき、打たれたことへの喜びを告白する。こうしてまたセヴリンは自分が主導権を握って快楽を追求できる相手にめぐり合ったのだった。
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