ブロークンシティの紹介:2012年アメリカ映画。中々儲からずに苦労していた元警察官の私立探偵が、ニューヨーク市長から妻の浮気調査の依頼を受けました。しかし、その裏には巨大な陰謀が隠されていました。「“正義”が喰い殺されるこの街で、勝ち目0(ゼロ)の復讐が始まる!」というキャッチで、この陰謀に立ち向かう私立探偵の姿を描いた政治クライム・サスペンス映画です。
監督:アレン・ヒューズ 出演:マーク・ウォールバーグ(ビリー・タガート)、ラッセル・クロウ(ニコラス・ホステラー市長)、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(キャサリン・ホステラー)、ジェフリー・ライト(コリン・フェアバンクス)、バリー・ペッパー(ジャック・ヴァリアント)、ほか
映画「ブロークンシティ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブロークンシティ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブロークンシティの予告編 動画
映画「ブロークンシティ」解説
この解説記事には映画「ブロークンシティ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブロークンシティのネタバレあらすじ:1.殺人警官
アメリカ、ニューヨークのボルトン・ヴィレッジ、深夜、一人の男が銃を持ち、立ちすくんでいました。その前には男が眉間を撃たれ遺体となり横たわっていました。遠くからパトカーのサイレンの音が鳴り響いてきました。この男の名はビリー・タガード、ニューヨーク市警の警察官でした。
そして裁判所前、1万人の市民たちは裁判所前で「殺人警官!」「差別を許すな!」「暴力を許すな!」とシュプレヒコールをあげていました。それは市民たちが警察官・ビリーが無実の犯人を一方的に撃ち殺したと、有罪判決を訴えるものでした。しかし、ビリーは犯人が検察側の証拠不十分で不起訴となります。ビリーは恋人ナタリー・バローと喜びました。
判決後、ビリーは警察署長コリン・フェアバンクスに呼び出されました。そこにはニューヨーク市長のニコラス・ホステラーもいました。呼び出されたのは、新たな証拠物件が警察に持ち込まれたためでした。その信憑性は高く、ホステラーとコリンはビリーに辞職するように命じました。全く納得いかないビリーでしたが、彼は警察官を辞職しました。
ブロークンシティのネタバレあらすじ:2.市長からの依頼
7年後、ビリーは女優のナタリーと暮らし、私立探偵を始めていました。助手としてケイティ・ブラッドショーを雇っていましたが、顧客の未払金が多く、彼女にも中々給料が払えず、資金繰りに苦労をしていました。そんなビリーのもとに市長ホステラーから電話がかかってきました。ホステラーはビリーを7年前の事件以来、「強姦魔から街を救った英雄」として高く評価していました。ホステラー市長からの依頼は、なんと彼の妻キャサリン・ホステラーの浮気調査でした。ホステラーは間もなく始まる市長選に向けて、自分の妻が浮気をしているという不利なスキャンダルやレッテルは避けたかったのでした。
ビリーは耳を疑いましたが、市長からの依頼という大仕事にビリーは飛びつきました。ビリーはケイティと共に早速調査を始めました。調査を進めていくと、ポール・アンドリュースという男が浮上してきました。ポールはホステラーの対立候補者ジャック・ヴァリアントの優秀な選挙対策本部長でした。ビリーは執拗に2人の動向を追跡し、ついに証拠となる2人の密会現場の写真を撮影する事に成功しました。
事が事だけにビリーは市長への報告を躊躇っていると、あるパーティーでキャサリンから呼び出されました。キャサリンはビリーが夫ホステラーに雇われ、自分が尾行されていることを知っていました。そして、ポールとの密会している証拠を握っている事も知っていました。キャサリンはビリーに「これは単なる浮気調査じゃない。あなたはホステラーの本性を分かっていない」と言い、証拠を渡す事をやめるように迫りましたが、ビリーはそれを断りました。そして、ビリーはホステラーに証拠を渡し、多額の報酬を受け取りました。
その数日後、恋人ナタリーが出演した映画の試写会にビリーは行きました。ナタリーの濃密な濡れ場を目にしたビリーはショックを受けました。祝賀会で7年間禁酒していたビリーは、ヤケ酒を煽りました。7年前にナタリーの妹を強姦した犯人を撃ち殺し、それ以来、プエルトリコ人のナタリーと彼女の家族の無念を晴らしたビリーでしたが、この一件でナタリーと大喧嘩になりました。ナタリーは一方的に、ビリーに別れを告げました。納得いかないビリーは一人、街を彷徨いました。
ブロークンシティのネタバレあらすじ:3.許されざる真相
そんなビリーのもとに一本の電話が鳴りました。それはアンドリュースが殺害されたというものでした。驚き、現場に駆けつけたビリーは、コリン警察署長に事情を訊かれました。コリン署長はホステラーがこの暗殺の首謀者であると言い、ホステラーを逮捕する事を既に決意していました。コリンは強引にビリーに捜査協力を依頼ました。
その現場近くには対立候補者のジャックが酒を煽り、憔悴していました。ジャックとアンドリュースとは恋人でした。ジャックから事情を訊くとトッド・ランカスターという人物の名が挙がってきました。市長選を目前に控えたこの事件は、衝撃的なものでした。しかし、ジャックはマスコミの前で、気丈にも立候補の意思を新たに表明しました。
アンドリュースはキャサリンの浮気相手ではなく、この事件には選挙の争点でもボルトン・ヴィレッジの再開発に絡んだ裏があり、トッドが怪しいと睨んだビリーは、捜査を始めました。正義感の強いビリーは自分を責めました。そして真相を追うべく、キャサリンと再会しました。「あなたは二流。正しい行動をとるチャンスをあげたのに、あなたは拒んだ」とキャサリンはビリーを責めました。「その通り。俺は市長にハメられた。奴に思い知らせてやりたい。何だったする。」とビリーはキャサリンに訴えました。すると、キャサリンは「あなたが雇われたのは、愛人調査じゃなくて。情報源を突きとめるため。」と言い、真相を語り始めました。それは数十億ドルというボルトン・ヴィレッジの再開発計画に関係するものでした。
調査をするとアンドリュースとトッドが親友であったことが分かりました。トッドの会社へ行くと、そこにはあるはずが無い再開発計画書がゴミとなって捨てられていました。ビリーは、それを車で持ち去ろうとしました。その時、ビリーは何者かから銃撃を受けました。ビリーは車で逃走を図りましたが、車を大破されて気を失ってしまいました。目を覚ますと、計画書は盗まれていました。
ビリーはコリン署長に電話をして、ホテルのバーで会い、キャサリンと浮気をしていた事をネタに捜査情報を聞き出しました。なんと、計画書を奪った犯人は元殺人課のディック・マードックで、トッドの父サム・ランカスターの手下でした。しかし、マードックは実は裏ではホステラーに雇われていました。再開発計画は公然の秘密でした。サムとホステラーは既に開発の契約を交わしていましたが、父親を嫌っていたトッドは、アンドリュースにその契約書を渡す予定でした。彼にそれが渡っていれば、ホステラーは市長選で落選する事は間違いありませんでした。それがアンドリュースをホステラーが暗殺した真相でした。
ブロークンシティのネタバレあらすじ:4.対峙
「残りの秘密はトッドだけが知っている」とコリンから聞いたビリーは、彼の家に潜入して彼を脅し、契約書を手に入れました。しかし、これに気づいたマードックが襲ってきました。ビリーは彼を返り討ちにしました。ビリーはケイティに契約書をマスコミに公表する準備をし、ホステラーの家に向かいました。ビリーはスマホで音声を録音できるようにし、ホステラーと面会しました。
ビリーは、再開発計画によって私腹を肥やそうとしているホステラーの陰謀を追及し、彼に全て真実を語り、市長を辞職するように言い渡しました。しかし、ホステラーは頑として応じず、ビリーにあるビデオを見せました。そのビデオの内容は、ビリーが警官を辞める理由となった7年前の事件の真実を映した証拠映像でした。このビデオが明るみに出れば、ビリーは逮捕される事は確実でした。これをネタに、ホステラーはビリーに単に浮気調査を依頼しただけだと言い、どうするか考える時間をやると言い放ちました。
その夜、ビリーはスマホで録音したホステラーとの会話音声を、コリン署長に託し、全てを公表するように言いました。それはビリーも7年前の事件で逮捕される事を意味していましたが、ビリーは「罪を清算する」と覚悟を決めていました。
余裕の表情でパーティーに出席していたホステラーのもとに、コリン署長が現れました。コリンはホステラー市長を殺害容疑で逮捕しました。
ブロークンシティの結末:5.罪の清算
その翌日、明日の市長選を前に、現職市長ホステラーの逮捕が、衝撃的なニュースとして流れました。これでジャックが新市長になる事は確実でした。コリンとジャックはバーで、新市長のジャックに乾杯しました。そこにケイティがやってきました。ケイティはジャックに「いつまでも待っているから」と言いました。ジャックは罪を清算するため、コリンに連れられ、警察に向かいました。
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