暗黒街の対決の紹介:1960年日本映画。岡本喜八監督のバタ臭いエンタテインメント作品。大藪春彦の「血の罠」が原作だが、岡本流に換骨奪胎されている。派手なドンパチの場面や三船敏郎と鶴田浩二の友情シーンなどは、いかにも西部劇風。
監督:岡本喜八 出演:三船敏郎(藤丘三郎)、鶴田浩二(村山鉄雄)、司葉子(サリー)、河津清三郎(大岡)、中丸忠雄(柴田)、田崎潤(小塚音吉)、ほか
映画「暗黒街の対決」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「暗黒街の対決」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「暗黒街の対決」解説
この解説記事には映画「暗黒街の対決」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
暗黒街の対決のネタバレあらすじ:起
土木産業が急成長を続ける荒神市。そこへ汚職の噂のある藤丘という刑事が、警視庁から左遷されてきます。荒神市では、昔からそこに根を張った小塚組と、その利権を狙った新興の大岡組が対立していました。藤丘は早速甘い汁を吸おうと、大岡が経営するキャバレーに出入りし、組長を始め、その手下たちと知り合いになります。やがて小狡い大岡組長は、小塚組が一手に握っている荒神川の砂利採取権を市へ返還させようとします。しかし、この採取権は、先代が荒神川の改修を赤字覚悟で行った見返りに手に入れたものです。みすみす大岡の思い通りにさせては、亡くなった先代へ顔向けできません。昔気質のヤクザである小塚はキャバレーに乗り込み、議員を接待中の大岡に対し「このままじゃすまさん」と啖呵を切ります。
暗黒街の対決のネタバレあらすじ:承
一触即発となった時、ちょうどその場にいた藤丘が介入し、小塚を外へ連れ出すことに。このままでは小塚が殺されると思ったからです。小塚はそれを恩に着て、藤丘を元子分の鉄雄のバーに連れていきます。鉄雄は妻が交通事故死したばかり。そのことで大岡組に探りを入れていました。鉄雄の妻は、元々大岡のキャバレーの一番の売れっ子。大岡が手を付けようとしていたところを鉄雄がかっさらった形となり、大岡は恨みを覚えていたのです。しかも彼女は大岡の秘密を握っていたという噂があり、その意味でも殺す動機がありました。「あまり無茶をするな」と鉄雄を戒め、小塚はバーを出ていきます。その途端、大岡が雇った殺し屋が彼を射殺。鉄雄の店も何十発もの銃弾を浴びます。
暗黒街の対決のネタバレあらすじ:転
親分の死を知り、血気盛んな小塚組の子分たちは弔い合戦を決行。しかし先手を打たれて包囲され、全員が殺されます。小塚組はこれで消滅でした。その場にいた鉄雄はもう少しでなぶり殺しの目に会うところでしたが、駆けつけた藤丘によって密かに救出されます。実は藤丘は汚職刑事ではなく、「日本各地の暴力組織を壊滅する」という特殊任務を帯びたキレ者のエリート警察官でした。彼はさらに大岡に取り入って逮捕のための証拠を掴もうとしますが、東京の新聞記者が彼に話しかけたことから身元がバレる羽目に。さらに、鉄雄を匿っていることも知られてしまいます。藤丘は大岡の手下たちと一緒にホテルの屋上へ。手下たちは自殺に見せかけて彼を殺すつもりです。しかし密かにホテルに侵入した鉄雄によって藤丘は救出されます。
暗黒街の対決の結末
藤丘は地元警察へ戻って自分の本当の身元と大岡の犯行の詳細を伝え、一家を逮捕に向かいます。鉄雄は以前大岡を脅迫したことから身柄を拘束されるのですが、それを振り切って自らも大岡の屋敷へ。警察は抵抗する手下どもを制圧。そして鉄雄が大岡を撃ち殺します。藤丘はやむを得ず鉄雄を逮捕することになります。ところが隠れていた大岡の手下が藤丘を撃とうとしたため、鉄雄は落ちていた銃を拾い上げてその手下を射殺。それを自分を狙ったものと勘違いした藤丘は、彼を撃ってしまうのです。鉄雄に友情を感じていた藤丘は、その最期を静かに看取ります。
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