沈黙のテロリストの紹介:2001年アメリカ映画。スティーヴン・セガール主演の『沈黙』シリーズのひとつとなるクライム・アクション作品です。サンフランシスコに舞い戻って来た伝説の爆弾テロリストに、セガール演じる爆弾処理のプロフェッショナルと妻子を爆弾で殺された刑事が立ち向かいます。
監督:アルバート・ピュン 出演者:スティーヴン・セガール(フランク・グラス)、デニス・ホッパー(アレックス・スワン)、トム・サイズモア(レイ・ネトルズ)、ジェイミー・プレスリー(クレア・マニング)、ナズ(アート・“ファジー”・ライス)、チリ (リリー)、アイス・T(ウィンターズ)ほか
映画「沈黙のテロリスト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「沈黙のテロリスト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
沈黙のテロリストの予告編 動画
映画「沈黙のテロリスト」解説
この解説記事には映画「沈黙のテロリスト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
沈黙のテロリストのネタバレあらすじ:起
テロリスト集団がワイマン上院議員の自宅に侵入、地下室に爆弾を設置すると議員を人質にとって立て籠もりました。周囲を警察のSWAT部隊や大勢のマスコミが取り囲むなか、テロリストは身代金を要求してきました。爆弾処理のプロフェッショナルであるフランク・グラス(スティーヴン・セガール)率いる爆弾処理班がヘリコプターからワイマン邸に降下、SWAT部隊と共に地下室に潜入、配管の中に隠されていた爆弾らしきものを発見しました。残り時間が2分を切ったなか、フランクは「簡単な仕掛けだな」と言いつつ爆弾の処理を開始、その間にSWAT部隊の主力がテロリストとの銃撃戦に突入しました。しかし、爆弾の処理を終えたフランクはこれがテロリストの仕掛けた罠だと気付き、上司に部隊を撤退させるよう指示した次の瞬間、金庫に仕掛けられていた本物の爆弾が爆発、ワイマン宅は爆炎に包まれ、多くの隊員が犠牲となりました。間一髪で脱出したフランクは、その光景を見て無念さを滲ませました。
沈黙のテロリストのネタバレあらすじ:承
ワイマン議員宅の爆破事件から1年後のサンフランシスコ。
麻薬捜査中のサンフランシスコ市警のレイ・ネトルズ刑事(トム・サイズモア)と相棒のアート・“ファジー”・ライス(ナズ)はかねてから目を付けていた男(アイス・T)があるアパートに入り込むのを目撃して突入しましたが、ファジーはその場に居合わせた元恋人のリリー(チリ)が男相手に商売していたことに激怒、一緒に逮捕しようとしましたが、リリーが子供の為に犯罪をしていること、そして更生施設に入るのを拒否したことから、レイは次はないと警告しつつリリーを見逃しました。ファジーは逮捕すべきだったとレイをなじりますが、レイはかつて妻と子を爆弾犯罪で失って以来すっかり仕事への情熱を失っていました。その頃、1年前の事件を追うフランクは、使用された爆弾が世界各地の紛争地帯で使用された“世界一タチの悪い爆弾”であることを突き止めていました。
その夜、レイとファジーはとある倉庫で不審な集団を見かけ、倉庫内に潜入するとクレア・マニング(ジェイミー・プレスリー)という謎の女性の身柄を確保しますが、その直後にファジーは謎の男たちに撃たれました。男とその手下はレイに「お前は自分の死期を早めたな」と告げると退散、ファジーはレイに「お前の頭の中の“悪魔”を追い払うんだ」と告げると息を引き取りました。
レイはファジーの仇を取りたいと上司に捜査への参加を求めましたが、上司はレイが麻薬捜査担当であることから事件は殺人課に任せると告げられ、やむなく単独で動く決意を固めました。一方のクレアは黙秘を続けていましたが、レイはクレアの所持品である“ブランドンとの思い出に”と刻印された腕時計とブレスレットを押収、ブレスレットには導火線が備え付けたれていたことから訓練中のフランクにブレスレットの鑑定を依頼しました。フランクは一目でブレスレットには世界各地の爆弾テロ事件で使用された特殊な小型爆弾が装着されていることを見抜き、クレアは非常に危険な人物だとの見方を示しました。
沈黙のテロリストのネタバレあらすじ:転
クレアが拘束されている警察署に、謎の男こと彼女のボスである伝説の爆弾魔アレックス・スワン(デニス・ホッパー)から脅迫電話があり、1時間以内にクレアを開放しないと市内各地で爆弾テロを起こすと予告してきました。レイはフランクら爆弾処理チームに再度協力を求めましたが、フランクは警察が爆弾を発見するまでチームは動けないとして断りました。刑事としてするべきことがあるだろうとフランクに指摘されたレイは単身で捜査に乗り出したその時、チャイナタウンにあるバーの入ったビルが爆破されました。調査に出向いたフランクのチームはレイの知識が役立つと考え、彼をチームに加えることにしました。
フランクらは調査の結果、使用された爆弾はクレアのブレスレットのものと同一のものであると断定しました。
クレアの指紋照合の結果、彼女は国防総省の最高機密を取り扱う技術者であり、その夫で建築家だったブランドンは昨年に死亡していたというのです。CIAとの繋がりもあったクレアは昨年に突然国防総省を退職していたのです。
再びスワンから警察署に電話があり、2時間以内にクレアを開放しなければ市内某所を爆破すると予告してきました。レイは部下にブランドンが手掛けた建築物についての情報を収集するよう命じると、自らクレアの取調べに臨みました。レイは自分の妻子が殺害された日のことをクレアに打ち明けました。ブランドンは汚染地域での学校建設計画に関する隠蔽工作を暴こうとした直後に交通事故死したとされていましたが、クレアはブランドンが口封じに抹殺されたと主張しました。レイはクレアが復讐の為にスワンと手を組んだことで相棒や大勢の人々が犠牲になったとして捜査への協力を求めましたが、クレアはスワン一味に関する情報は明かせないとして、事件を解決するには自分を開放するしかないと持ち掛けてきました。レイはクレアの要求を一蹴するとフランクのチームに事件の概要を話し、ファジーが殺害された倉庫にフランクを連れて行きました。フランクは1年前の事件で部下を失ったことを打ち明け、レイに「人間は堕ちるところまで堕ちたら、あとは這い上がるだけだ」と励ましました。
フランクとレイは現場に落ちていたジャズバーのマッチと煙草の吸殻を基にバーの常連客の男を割り出しましたが、レイは血気逸って男に銃を向けてしまい、男はすかさず店員を人質にとりました。フランクは隙を突いて男を射殺すると人質を逃がし、男が持っていたバッグから時限爆弾を発見、すぐさま解除に成功しました。実は男はスワンの手下であり、スワンは新たな犯行を手下に指示しました。
一方、上司に呼び出されたレイは無許可でクレアを尋問したことを咎められましたが、クレア自身から指名されたことにして処分は見送ってあげました。クレアはスワンの情報をレイに明かすと、スワンの次の狙いは知らないとしたものの彼らはとあるホテルを根城にしていると明かしました。フランクのチームは早速ホテルに乗り込みましたが既にスワンたちは姿を消しており、間もなく他の建物が爆破されました。レイは目撃者の聞き込み捜査により、スワン一味が乗る車のナンバープレートの情報を入手しました。
沈黙のテロリストの結末
スワンと手下は偽名を使い、クレアの弁護士を装って警察署を訪れました。一方のフランクはスワンが1年前の事件に関わっていたことを突き止め、すぐにスワンと手下を指名手配するよう要請しました。手下はスワンを裏切ったかのように見せかけて警官隊を引き付けましたがフランクの機転により捕まり、レイの同僚を撃とうとしてレイに射殺されました。フランクのチームが手下の車を調べているところでスワンは車に仕掛けていた爆弾を爆発させ、フランクの仲間たちが犠牲となりました。
スワンは警察署に電話をかけ、最終通告として1時間以内にファジーが殺された倉庫でクレアを開放するよう要求すると市内各所を爆破していきました。レイはブランドンがサンフランシスコの新庁舎の設計を手掛けていたことを知った時には、既にスワン率いるテロリスト集団が新庁舎に爆弾を仕掛けていました。クレアは自分が交渉役になるとして再度レイに解放を迫り、警察はクレアの足に発信機をつけたうえで囮として開放、レイやフランク、警察のヘリが彼女の足取りを追跡すると、クレアはスワンの車に乗るなり発信機を捨てて貨物ヤードに向かい、警察を攪乱すると公衆電話の前で車から降りました。クレアはスワンを車ごと爆殺すると新庁舎に向かいました。クレアは夫の復讐の為にスワンを利用して新庁舎を爆破しようと目論んでいたのです。
レイやフランクのチーム、SWAT部隊はハロウィーンパーティー真っ盛りの新庁舎へ急ぎました。テロリストとSWAT部隊が銃撃戦を展開するなか、レイとフランクはそれぞれ新庁舎に進入、フランクは鍛え上げられた格闘技術で次々とテロリストを仕留めていきました。フランクと二手に分かれたレイはようやくクレアと時限爆弾の在り処を突き止め、クレアを殴って気絶させるとフランクに無線で助けを求めましたが、フランクもまたサンフランシスコ全土を焦土と化すだけの威力を誇る気化爆弾と対峙していました。レイはフランクからの「生や死にこだわるな。恐れを捨てろ」とのアドバイスを受け、フランクからの指示に従って間一髪で時限爆弾を止めることに成功しました。続いてフランクは気化爆弾の解除に挑み、こちらも見事処置することに成功しました。フランクはレイに告げました。「心を開いて話せば声は届く。たとえ肉体は滅びても愛は死なない。愛は終わらない。永遠に生き続ける」と。
この映画の感想を投稿する