美しき諍い女(いさかいめ)の紹介:1991年フランス映画。老画家が1人の女性に出会ったことで、未完の作品を完成させる意欲を取り戻す。モデルとなった女性との緊張感溢れる制作過程を経て完成させた作品とは。
監督:ジャック・リヴェット 出演:ミシェル・ピッコリ(フレンホーフェル)、ジェーン・バーキン(リズ)、エマニュエル・ベアール(マリアンヌ)、マリアンヌ・ドニクール(ジュリアンヌ)、ダヴィッド・バースタイン(ニコラ)、ほか
映画「美しき諍い女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「美しき諍い女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「美しき諍い女」解説
この解説記事には映画「美しき諍い女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
美しき諍い女のネタバレあらすじ:起・老画家の再起
新進画家のニコラは尊敬する画家フレンフォーフェルに会うため、恋人マリアンヌと共にフランスの片田舎を訪れていた。画商のポルビュスの紹介でニコラとマリアンヌはフレンフォーフェルとその妻リズに会う。フレンフォーフェルは10年ほど前、17世紀の娼婦カトリーヌ・レスコーを題材にし、妻リズをモデルにして「美しき諍い女」を描き始めたが途中で断念して以来筆を絶ち、今はリズとともに穏やかな日々を送っていた。夫妻のもとを訪れたポルビュスはフレンフォーフェルに、マリアンヌをモデルにして再び「美しき諍い女」を描くことを提案する。フレンフォーフェルは乗り気になり、ニコラにも勧められるがマリアンヌは断る。しかし翌朝、彼女はフレンフォーフェルのもとを訪れ、5日間だけという約束でモデルになることを承諾する。
美しき諍い女のネタバレあらすじ:承・画家とモデル
マリアンヌはフレンフォーフェルに言われるがままポーズをとるが、彼の要求は過酷なもので、なぜか顔を向けさせず、不自然に肉体を酷使するものばかりであった。彼は次々とデッサンを重ねながら、彼女の内面をさらけ出すことを要求し、マリアンヌもやがて自分を解放することに抵抗がなくなっていく。作業が進むにつれ、フレンフォーフェルはこれまで描かなかった顔を描こうとするが、壁に突き当たったかのように萎えてしまう。未完の「美しき諍い女」に書かれたリズの顔を塗りつぶすフレンフォーフェル。リズはマリアンヌに、彼が顔を描きたいと言ったら拒むよう忠告するが、マリアンヌは取り合わず、むしろフレンフォーフェルを挑発して筆を進めさせるのだった。
美しき諍い女のネタバレあらすじ:転・嫉妬と不安
リズは自分以外の女で絵を完成させる夫に失望し、夫に描き上げる力を与えたマリアンヌに嫉妬する。またニコラも濃密な2人の関係に耐え切れず悩まされる。やがて絵は完成する。そこに描き出された自分の冷淡さに衝撃を受けたマリアンヌはアトリエを飛び出す。ひそかにアトリエを訪れたリズは冷静に絵を見たあと、絵の裏に印を書きこむ。しかしフレンフォーフェルは完成した「美しき諍い女」を誰の目にも触れないよう壁の中に塗り込めてしまい、画商への代替となる絵を一気に描き上げる。
美しき諍い女の結末:さらけ出された後に
翌日、その絵を完成品として「美しき諍い女」のお披露目が行われた。フレンフォーフェルとリズは一見元通りの穏やかな夫婦に戻っていた。ニコラも悩まされた思いを払しょくするかのようにマリアンヌに新生活への旅立ちを提案するが、彼女は冷たく「NON」と言い放つのだった。
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