夜の紹介:1961年イタリア,フランス映画。結婚して10年になる作家とその妻。作家の親友であり、ともに妻を愛した男の死をきっかけに、互いの愛情が薄れ、それまで平穏だった夫婦の関係にかげりがさす。
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ 出演:マルチェロ・マストロヤンニ、ジャンヌ・モロー、モニカ・ヴィッティ、ベルンハルト・ヴィッキ、ほか
映画「夜 (1961年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夜 (1961年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「夜 (1961年)」解説
この解説記事には映画「夜 (1961年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夜のネタバレあらすじ:愛の不在
結婚して10年になる作家のジョヴァンニと妻のリディアは、病床にある友人トマゾを見舞っていた。トマゾはジョヴァンニの親友であると同時に、彼と同じくリディアを愛していたが、リディアはジョヴァンニを選んだのだった。もはや死期の迫っていたトマゾに会ったリディアはジョヴァンニとの間にもはや愛がないことに気づく。
ジョヴァンニのサイン会が行われるミラノに同行したリディアはひとり街を歩く。かつては確かにあった愛が倦怠に変わり、夫は失った愛を外に求めていた。何不自由ない生活を送りながらも、忍び寄る倦怠に不安を感じていたリディアは、街を歩きながら出会う人々の生気に触れることで、逆に自分の生に疑問を持つ。その晩、2人で出かけたナイトクラブでも夫はダンサー相手に目が向いていた。
夜のネタバレあらすじ:友人の死
その後、2人は資産家ゲラルディニのパーティへ行く。そこでジョヴァンニは1人パーティの喧騒から離れて本を読み耽っているゲラルディニの娘バレンチナに出会い、若く奔放な彼女に惹かれる。一方のリディアは着飾ってうわべだけをつくろっている金持ち連中を横目に、気持ちは冷えていた。愛する人の手を握り締めて死にたいと思った彼女は思い立ってトマゾのいる病院に電話をかけると、そこでトマゾの死を知らされる。
自分を愛し、理解をしてくれていたトマゾを失ったことで、生きる支えをも失ったかのような喪失感に打ちのめされたリディアは、もはやジョヴァンニがバレンチナと抱き合ってキスを交わす姿を見ても何も感じることはなく、自分もパーティで知り合った男とドライブに出かける。
夜の結末:すれ違う心と体
朝になり、互いに別々の相手と夜を過ごした2人は屋敷の広大な庭の片隅で再会する。そこでリディアはトマゾが死んだこと、もうジョヴァンニを愛していないことを告げると、ジョヴァンニは再び愛は蘇らせることができると言う。そんな彼にリディアは1通の手紙を読み聞かせる。情熱的な愛の言葉が書かれたその手紙に、ジョヴァンニは誰が書いたのかと尋ねたが、その手紙はかつてジョヴァンニが書いたものだった。愛する人へ書いた手紙すら忘れてしまった事実は、もう互いに愛が無いことを認識させたのだった。
しかしジョヴァンニは2人の間にあったはずの愛を取り戻そうとするかのように乱暴にリディアを抱き、「愛していないと言って」というリディアに「言わない。言うものか」と抗う彼女にのしかかり、強引に唇を奪うのだった。
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