グリーンブックの紹介:2018年アメリカ映画。1962年、アメリカではまだ黒人差別が根強く残っていた時代。特に差別が色濃い南部へコンサートツアーを決行することになった黒人天才ピアニストのドクター・シャーリーは、イタリア系白人で用心棒兼運転手のトニーを雇う。お互いに多くの時間を過ごすうちに、2人は次第に人種を超えた友情を築いていく。グリーンブックとは、1950~60年代に人種差別の激しかったアメリカ南部を旅する黒人のために製作された施設利用ガイドブックのことです。
監督:ピーター・ファレリー 出演:ヴィゴ・モーテンセン(トニー・“リップ”・バレロンガ)、マハーシャラ・アリ(ドクター・ドナルド・シャーリー)、リンダ・カーデリーニ(ドロレス・バレロンガ)、ディミテル・D・マリノフ(オレグ)、マイク・ハットン、イクバル・テバ、セバスティアン・マニスカルコ、P・J・バーン、トム・ヴァーチュー、ドン・スターク、ランダル・ゴンザレス、ほか
映画「グリーンブック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グリーンブック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グリーンブックの予告編 動画
映画「グリーンブック」解説
この解説記事には映画「グリーンブック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グリーンブックのネタバレあらすじ:起
1962年ニューヨーク、高級クラブ“カパカバーナ”で用心棒として働くイタリア系白人のトニーはその口達者な性格からトニー・リップと呼ばれていた。クラブが改装のため数ヶ月間閉鎖すると知らされたトニーは、妻ドローレスと2人の子供達を養うため、仕事を探して回る。
ある日、友人からあるドクターがドライバーを探していると仕事を紹介されたトニーは面接へ行くと、そこで黒人差別が色濃く残る南部へのコンサートツアーを計画している黒人のピアニスト、ドクター・シャーリーと出会う。クリスマス前までの2ヶ月間のツアーに同行するドライバー兼ボディガードを探していたドクター・シャーリーに、それなりの金額を提示されたトニーは仕事を受けることにする。
コンサートツアーへ出発の日、トニーはレコード会社から「ドクター・シャーリーがどれか1つでもコンサートへの出演を見逃したら給料は支払わない」と伝えられ、“グリーンブック”という黒人でも宿泊可能な宿のガイドブックが渡される。トニーは家族に別れを告げるとドクター・シャーリーと一緒に南部へ向かう。
最初のコンサート前、ドクター・シャーリーはトニーにゲストの前で行儀よく振る舞い、彼のイタリア系の苗字を言いやすいアメリカ風なものに変えて紹介する事を提案するが、トニーは「自分の名前や振る舞い方をゲストが気に入らないのであれば、外で待機する」と言い返す。そしてコンサート会場の外からドクター・シャーリーがピアノを弾く姿を見たトニーは、彼のピアノの才能に圧倒される。
グリーンブックのネタバレあらすじ:承
道中でケンタッキー・フライドチキンを見つけたトニーは、ドクター・シャーリーが1度もこの庶民的ファストフードを食べたことがない事を知ると、面白がりながらドクター・シャーリーに強制的に食べさせる。ドクター・シャーリーは思いのほか美味しいフライドチキンをトニーと一緒に楽しそうに食べるが、トニーがソフトドリンクの紙コップを道路に投げ捨てると、それを拾うよう注意する。
ホテルに到着すると、トニーはドローレスに手紙を書き始める。しかし教養がなく書くことが苦手な彼の幼稚な手紙を見たドクター・シャーリーは助言をしてロマンティックな手紙へと変貌させる。
ある夜、ドクター・シャーリーが1人でバーに行くと、差別的な白人たちに暴力を振るわれる。電話を受けたトニーは彼を助け出すと、彼に1人でどこにも行かない事を約束させる。
グリーンブックのネタバレあらすじ:転
次のコンサートで、白人の主催者がドクター・シャーリー達を紹介する際、トニーはドクター・シャーリーから受けた「アメリカの苗字に変える」というアドバイスを無視し、自分のイタリア系の苗字を言わせる。その後のディナーパーティーではトニーがドクター・シャーリーのためにリクエストした自家製のフライドチキンが出される。
しかしそこでトイレを使おうとしたドクター・シャーリーは、主催者から外にある黒人のスタッフ用トイレを案内される。そのトイレを使う事に抵抗を感じたドクター・シャーリーはトイレに行くためだけにホテルへ戻る事にする。トイレを済ませ、パーティーに戻ったドクター・シャーリーはひどい扱いを受けながらも白人の人々と笑顔で握手をする様子を見たトニーは理解に苦しむ。
次のコンサートへ向かう2人は道中白人警察に止められ職務質問を受ける。白人のトニーが黒人のドクター・シャーリーのドライバーをしている事に疑問を持った白人警察官は、トニーのイタリア系の名前を聞くと、「彼も半分黒人だからか」とイタリア系の彼を差別する様な事を言う。トニーは感情を抑えられずその警官を殴り、ドクター・シャーリーも一緒に拘置所へ入れられる。
何もしていないにも関わらず捕まったドクター・シャーリーだが警官は黒人の彼の言う事に耳を傾けなかった。すると警察署に州知事から2人を釈放するよう電話が来る。何をしたのかと聞くトニーに、ドクター・シャーリーは知人である司法長官のボビー・ケネディに電話をしたと言う。
グリーンブックの結末
次の日、最後のコンサート会場へ到着した2人はコンサート会場のレストランで食事をとろうとするが、ドクター・シャーリーは黒人である事を理由に入店を拒否される。自分を入れないとコンサートをしないと言うドクター・シャーリーを説得するよう責任者から金を見せられるトニーだったが、それを断りドクター・シャーリーと共に黒人専用のレストランへ行く。
ドクター・シャーリーはそのレストランにあったピアノを演奏し、周りの黒人達から拍手喝采を受け、2人は最後のコンサート会場に戻る事無くニューヨークへと戻る。トニーを彼の家の前で下ろしたドクター・シャーリーは「メリークリスマス」と言うと、トニーのクリスマスディナーへの誘いを断りその場を後にする。
トニーがクリスマスディナーを囲んでいる家族や親戚達の元へ帰り、皆と食事を楽しんでいるとそこへ誰かが訪ねて来る。ドアを開けたトニーはドクター・シャーリーが立っているのを見つけると、彼をハグし食事へと招待する。ドクター・シャーリーに初めて会ったドローレスは彼にハグをすると「トニーの手紙を手伝ってくれてありがとう」とお礼を言う。
ドクター・シャーリーのドライバーの仕事を終えたトニーはクラブの仕事へ戻ったが、ドクター・シャーリーとトニー2人は2013年に数ヶ月違いで亡くなるまでずっと友達でいた。
以上、映画「グリーンブック」のあらすじと結末でした。
「グリーンブック」感想・レビュー
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奴隷や差別思想は、社会を衰退させると云うけど、米国が超大国に発展したのは、こういった社会的矛盾を克服したからだろう。
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白人でも黒人でもまともな男でもない私は一体何者なんだ
ドクターシャーリーの言葉が切なかった
日本で公開されたのは年が明けてからでしたが、ラストが感動的でクリスマスに見たい映画だと思いました。黒人であるドクター・シャーリーが、自身が演奏する会場のレストランの入店を拒否される場面、そこで食事をしていた白人たちは彼の演奏を聞きたくて集まっていたのに、誰一人、彼を招き入れようとしなかったことが、強く印象に残っています。