いのちぼうにふろうの紹介:1971年日本映画。山本周五郎の短編「深川安楽亭」を仲代達矢夫人・隆巴(宮崎恭子)が脚色。巨匠・小林正樹が監督した時代劇。商家で働く男の純愛に心を動かされた荒くれ者たちが、命をかけてその恋を成就させる。クライマックスでの様式化された捕物シーンが見どころです。
監督:小林正樹 出演:仲代達矢(定七)、佐藤慶(与兵衛)、中村翫右衛門(幾造)、栗原小巻(おみつ)、山本圭(富次郎)、酒井和歌子(おきわ)、ほか
映画「いのちぼうにふろう」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いのちぼうにふろう」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「いのちぼうにふろう」解説
この解説記事には映画「いのちぼうにふろう」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いのちぼうにふろうのネタバレあらすじ:起
江戸湾に面した松平家と黒田家の堀の真ん中に、取り残されたように存在する千坪の荒れ地がありました。ここは俗に”島”と呼ばれています。密貿易の禁制品を預かる中継地点として重宝され、品物は客の注文に応じて小舟で運び出されることになっていました。便利でしかも人目につかないため、密貿易にはうってつけの根城です。
深川安楽亭はその”島”にある唯一の建物。表看板は一膳飯屋ということになっていますが、こここそ禁制品の隠し場所です。店の主人・幾造が与力を抱き込んでいるため、長年、摘発されずにうまくやっています。ここでは年中、密貿易に関わっている得体の知れない流れ者やごろつきどもが、とぐろを巻いていました。
いのちぼうにふろうのネタバレあらすじ:承
ある夜、安楽亭の常連である定七や与兵衛に助けられて、富次郎という男が店の中に担ぎ込まれます。どうやらひどく痛めつけられたらしく、顔は血だらけでした。富次郎は幾造の娘のおみつに看病され、数日後にようやく元気を取り戻します。彼は13年の奉公を終え、後は御礼奉公を終えれば独立できることになっていました。
しかし将来を誓いあった幼なじみのおきわが郭に売られる話を聞きつけ、彼女を身請けするために無断で15両を持ちだしたのです。おきわの家へ行って父親に聞いてもその行方については分かりません。仕方なくカゴに乗って店を回っているうちに金を全て奪われ、袋叩きの目にあった、というわけです。
いのちぼうにふろうのネタバレあらすじ:転
その純情さにほだされた与兵衛は仲介をした女衒を探し回り、売られた店を突き止めます。しかしもちろんおきわを自由にするには身請け料が必要でした。
与兵衛と定七は、安楽亭によく顔を見せる灘屋の小平の仕事を引き受け、密貿易の禁制品を運ぶことに。しかし新しく与力になった役人の手配した捕り手に待ち伏せされ、与兵衛たちは死亡。定七だけが生き残ります。
いのちぼうにふろうの結末
一方、富次郎のお金の問題は別の方面から解決します。安楽亭に飲みに来ていた謎の客が自らの境遇と似ている富次郎に同情し、50両を恵んでくれたのです。喜んでおきわの店へ行こうとする富次郎ですが、その時は島を捕り手が包囲していました。
定七、幾造たちは自らの身を犠牲にして富次郎を助け、彼を脱出させてやります。ほとぼりが冷めたあと、富次郎は身請けしたおきわとともに廃屋となった安楽亭を再訪。定七たちの霊を弔うように頭を下げます。
以上、映画「いのちぼうにふろう」のあらすじと結末でした。
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