長屋紳士録の紹介:1947年日本映画。南方の戦地から帰還した小津監督の戦後第一作。敗戦後の混乱した世相を反映した内容で、「晩春」以降の落ち着いた小津世界とは異なった悲喜劇を描いている。戦前戦中の小津映画のレギュラーだった飯田蝶子が好演。
監督:小津安二郎 出演:飯田蝶子(おたね)、青木放屁(男の子)、河村黎吉(為吉)、坂本武(喜八)、笠智衆(田代)、小沢栄太郎(男の子の父親)、ほか
映画「長屋紳士録」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「長屋紳士録」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
長屋紳士録の予告編 動画
映画「長屋紳士録」解説
この解説記事には映画「長屋紳士録」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
長屋紳士録のネタバレあらすじ:起
ある夜、長屋に住む大道占師の田代が7、8歳ほどの男の子を連れて帰ってきます。その子は元々茅ヶ崎に住んでいたのですが、親に連れられて九段までやって来たところで迷子になってしまったのです。
哀れに思った田代がとりあえず長屋まで連れてきたのですが、独身の彼では世話もできません。部屋の大家である為吉も難色を示したため、田代は向かいで荒物屋をやっているおたねのところへ男の子を連れていき、無理やり置いていきます。
長屋紳士録のネタバレあらすじ:承
おたねは仕方なく一晩その子を泊めてやりますが、寝小便をされてしまい、その子に団扇であおぐように命令します。このままでは迷惑千万なので、おたねは田代に男の子を返そうとしますが、もう出かけた後です。為吉に文句を言っても埒が明かないため、おたねは彼を引っ張って染物屋をやっている喜八のところへ相談に行きます。
普段から喜八は町内会の会長として長屋の揉め事の調停役をしていました。しかも喜八の家には子供が3人いるため、引き取り手になってくれるのでは、と期待したのです。
長屋紳士録のネタバレあらすじ:転
しかし今回の相談には喜八も困惑し、結局、為吉の提案で3人のうち1人が茅ヶ崎まで足を運ぶことにします。行く人間をくじで決めることにしますが、当たったのはおたねでした。
仕方なくおたねは男の子と一緒に茅ヶ崎に行き、部屋を借りていた家を訪ねますが、大家もただの知り合いで、一家の詳しい身元を知りません。どこに越していったかも分からないといいます。困ったおたねは男の子を海岸に置いて逃げようとしますが、男の子はしつこく追ってきてどうしようもありません。結局そのまま二人で長屋へ戻ります。
長屋紳士録の結末
嫌々ながら男の子と同居を続けるおたねですが、やがて情が移り、色々と彼の世話を焼くようになります。干し柿を盗んだと勘違いして叱りつけた時は男の子も家出してしまい、ガッカリしたのですが、幸いまた田代が連れ戻してくれたためにホッとします。
しかし楽しい日々も長くは続きませんでした。茅ヶ崎に戻って事情を聞いた父親がおたねの店を訪ねてきたのです。男の子を引き渡して、おたねは彼らが帰っていくのを見送ります。彼女は「親子っていいもんだね」と言いながら、為吉や田代の前で涙を流します。
以上、映画「長屋紳士録」のあらすじと結末でした。
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