小間使いの日記(別題:あるメイドの密かな欲望)の紹介:2015年フランス,ベルギー映画。パリの上流家庭で小間使いとして働きながらも金持ちに使われることにうんざりしていた女が、同僚である使用人の男から支配されることに喜びを見出す。原作はオクターヴ・ミルボー「小間使の日記」。
監督:ブノワ・ジャコー 出演:レア・セドゥ(セレスティーヌ)、ヴァンサン・ランドン(ジョゼフ)、クロティルド・モレ(ランレール夫人)、エルヴェ・ピエール(ランレール)、ほか
映画「小間使いの日記」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「小間使いの日記」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
小間使いの日記の予告編 動画
映画「小間使いの日記」解説
この解説記事には映画「小間使いの日記」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
小間使いの日記のネタバレあらすじ:金持ちと小間使い
19世紀フランス。パリで小間使いとして働くセレスティーヌは若く美人だが感情的で従順さに欠けるため、勤め先を斡旋するクラン夫人からも苦言を呈される。それでも仕事を斡旋された彼女は郊外にあるランレール家へやって来る。案内された部屋は粗末で雨漏りのする屋根裏部屋で、屋敷の夫人は気難しく、不満げな顔で働くセレスティーヌに理不尽な命令でコキ使う。
一方の主はご多聞に漏れず好色、ことあるごとにセレスティーヌに言い寄ってくるが彼女は夫人に言いつける、といって拒む。そんな彼女を屋敷に15年以上仕えている使用人のジョセフが常に見ていた。
セレスティーヌはこれまでもパリで多くの屋敷で働いてきた。中には老婦人の依頼で病気の孫の世話をしたこともあった。その孫ジョルジュに誠心誠意尽くしたセレスティーヌは、ジョルジュから求愛されるとその熱意にほだされて彼を受け入れるが、愛の行為の最中に彼は血を吐き絶命する。彼の死後も老婦人からは残って欲しいと切望されるが、セレスティーヌは逃げるように老婦人から去ったのだった。
小間使いの日記のネタバレあらすじ:使われる身から抜け出すために
家人の留守中、小間使い仲間らと会って噂話で息抜きをしながら、言い寄る主人をかわし、意地の悪い夫人の命令に従っていたセレスティーヌだったが、ある晩、ジョゼフの部屋に人影を見つけ、彼のもとを尋ねる。ユダヤ人を敵視しているジョゼフは反ユダヤの仲間と冊子を作っていたのだった。
セレスティーヌを観察し続け、信用ができるとふんだジョゼフは、これまで貯めた金でシェルブールでカフェをやるつもりだ、と話し、そこには女が必要だからそこで自分と一緒に商売をしないか、と持ちかけられる。一瞬、彼女は以前に娼館の女将からスカウトされた時のことを思い出すが、ジョゼフに言われ、カフェで気の良い女主人として働く自分を思い浮かべたセレスティーヌは彼の計画に乗ることにする。
小間使いの日記のネタバレあらすじ:支配される喜び
野心溢れるジョゼフと彼を愛するようになっていたセレスティーヌは体を重ね、今後の計画を練る。その後2人は屋敷の中のものをあらかた盗み出し、翌朝ジョゼフが泥棒が入ったと言って騒ぐ。警察がやってくるが犯人は分からないまま捜査は終了し、その数か月後、ジョゼフは家人に惜しまれながらランレール家を去っていく。
セレスティーヌは疑いを持たれないために従順さを装って働き続けると、あれほど底意地の悪かった夫人の態度も和らいでいった。そしてある晩、外に目印の灯りを見たセレスティーヌは翌日、引き止める夫人を振り切って故郷へ帰って結婚する、と言ってランレール家を辞める。
小間使いの日記の結末
計画通り待ち合わせの場所で落ち合ったジョゼフとセレスティーヌは馬車で夜の道を新しい世界に向けて走らせる。あれほど人に使われることを嫌悪していたセレスティーヌだったが、今はジョゼフの支配に喜びを見出していた。
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