ザ・シャウト/さまよえる幻響の紹介:1978年イギリス映画。叫び声で命を奪う男に狙われた夫婦の恐怖を描くサスペンス・ホラー。音楽家のアンソニーは、ある日気味の悪い男クロスリーに出会う。彼は叫ぶことで生物を殺害出来ると話し、実際にアンソニーの前で家畜を殺して見せた。更にクロスリーは古代の魔法でアンソニーの妻を手中に収め、家を乗っ取ろうとする。
監督:イエジー・スコリモフスキ 出演者:アラン・ベイツ(チャールズ・クロスリー)、スザンナ・ヨーク(レイチェル)、ジョン・ハート(アンソニー)、ロバート・スティーヴンス(医者)、ティム・カリー(ロバート)ほか
映画「ザ・シャウト/さまよえる幻響」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・シャウト/さまよえる幻響」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・シャウト/さまよえる幻響の予告編 動画
映画「ザ・シャウト/さまよえる幻響」解説
この解説記事には映画「ザ・シャウト/さまよえる幻響」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・シャウト/さまよえる幻響のネタバレあらすじ:過去を語る男
舞台は郊外のとある精神病院。ロバートはクリケットの試合が行われると聞き、その手伝いに赴きました。医者からスコアラーを頼まれたロバートは、相手チームのスコアラーを紹介されます。彼の名前はチャールズ・クロスリー。読書家で物知りですが、自分の魂が砕けて4つになったと信じ込んでいる奇妙な男です。ロバートは移動式の小屋に入り、クロスリーに挨拶をしました。チームには患者が5人入っていて、残りはスタッフだそうです。クリケットの試合を見ながら、クロスリーは1人の男性患者を見て「あいつだ」と呟きました。その患者には愛してくれる妻がいましたが、現在は別れてしまったと話すクロスリー。ロバートが興味を示すと、クロスリーは「これから話すことはすべて真実だ」と前置きして、昔の話を始めます。
ザ・シャウト/さまよえる幻響のネタバレあらすじ:不気味な夢とコートの男
アンソニーは前衛的な音楽家として活動していました。色々な音を収集して、ひとつの音楽にしていくのです。妻レイチェルと砂丘で日光浴をしていたアンソニーは、不気味な夢を見て跳ね起きました。海軍元帥のような長いコートを着た男が、砂丘を走っている夢です。レイチェルも同じ夢を見たらしく、手に何か持っていたようだと青い顔で語りました。アンソニーに促され帰る支度を始めたレイチェルは、靴の止め具がなくなっていることに気付きます。砂を掘ると、下から動物の骨のような物が出てきました。レイチェルは不思議に思いますが、特に気にせずアンソニーと家に帰ります。アンソニーは音楽活動の傍ら、教会のオルガン奏者も務めていました。ある日、アンソニーがいつものように自転車を置いて礼拝堂に入ると、何者かが自転車のタイヤの空気を抜いてしまいます。仕事を終えて戻って来たアンソニーは、急いでタイヤに空気を入れ始めました。そこに長いコートを来た大柄な男が現れます。男は先ほどの説教について議論しようと提案しますが、アンソニーは家で妻が待っているからと慌ててその場を走り去りました。アンソニーは浮気相手の靴屋の女房と落ち合い、しばらく遊んで家へ帰ります。すると家の前に、先ほどのコートの男が座り込んでいました。2日間何も食べていないので、昼食に招待してくれと言い出す男。アンソニーは戸惑いつつも、彼を家の中に入れました。男はアンソニーに名乗ります、チャールズ・クロスリーと。
ザ・シャウト/さまよえる幻響のネタバレあらすじ:恐るべき魔法
食事の席に着いたクロスリーは、自分の過去を話し始めました。彼は18年オーストラリアにいたそうです。そこで結婚し子供も生まれましたが、子供は全員殺害したと言い出すクロスリー。オーストラリアの先住民族の掟では、生まれて数週間以内なら殺害しても構わないことになっているというのです。子供が出来ないことを悩んでいるレイチェルは、不快感も顕に席を立ちました。クロスリーは他にも、骨を使って人間を呪い殺す魔法について話し始めます。魔術師の長は海軍元帥のコートを着ていたと話すクロスリーに、アンソニーは砂丘で見た夢を思い出して驚きました。するとクロスリーは頭痛が酷いとテーブルに突っ伏してしまい、アンソニーは仕方なく客間で休ませることにします。アンソニーが客間に様子を見に行くと、クロスリーはベッドに裸で座っていました。そして最も恐ろしい攻撃の魔法について語り始めます。「叫ぶんだ」と呟くクロスリー。彼は叫ぶことで生物の命を奪うことが出来るのです。全く信じないアンソニーでしたが、音楽に口を出されムッとしました。そして「あんたの叫びを聞いてみたいもんだね」と吐き捨てます。クロスリーは構わないと言いますが、耳栓をしなければ死んでしまうと警告しました。そこで翌早朝、クロスリーとアンソニーは人気のない砂丘へ出かけます。アンソニーは、クロスリーがレイチェルの靴の止め具を指で弄んでいるのを目撃しました。そしてついにクロスリーが叫びます。体を大きく反らして息を吸い込み、絶叫するクロスリー。それを聞いた家畜の羊が次々死亡します。耳栓をしていたアンソニーもその圧倒的な力に押され、気を失って斜面を転がり落ちました。
ザ・シャウト/さまよえる幻響のネタバレあらすじ:狙われたレイチェル
命を奪われることはなかったものの、アンソニーは体調を崩して寝込んでしまいます。その間にクロスリーはレイチェルと親交を深めていきました。不思議なことに、あれだけクロスリーを嫌っていたレイチェルがすっかり魅了されたようにうっとりしています。2人は庭で仲睦まじくティータイムを楽しみました。クロスリーはオーストラリアの先住民族の結婚について説明します。恋をした若者は意中の相手の持ち物を盗み、それに魔法をかけます。すると魔法を解くまで、相手は肉欲に支配されるようになるそうです。こっそり話を聞いていたアンソニーは、レイチェルにクロスリーが彼女の靴の止め具を持っていることを警告しました。しかしレイチェルは「彼が持ちたいならそのままでいいの」と言い出します。そしてアンソニーに用事を押し付け家から追い出すと、すぐに服を脱いでクロスリーを誘いました。アンソニーは怒りと屈辱に震えていましたが、クロスリーは少しすると止め具を庭先に捨てて出ていきます。途端にレイチェルも普段の様子に戻り、アンソニーは喜びました。そこへ羊飼いのハリーが死亡したと知らせが入ります。昨日の朝、砂丘で死亡しているのを発見されたそうです。アンソニーは「クロスリーのせいだ」と呟きました。
ザ・シャウト/さまよえる幻響の結末:アンソニーの逆襲
少しして、レイチェルは突然体の疼きに襲われ落ち着かなくなります。クロスリーが戻って来たのです。彼は止め具を弄び、レイチェルに食事の支度をさせました。アンソニーが気付いた時にはクロスリーはテーブルで平然と食事をしており、レイチェルは傍らに跪いて彼の手に頬を寄せていました。クロスリーは食事が済んだらレイチェルとベッドへ行くと言い、「君は出て行きなさい」とアンソニーに命令します。出て行かなければ叫ぶと脅され、アンソニーは家を飛び出しました。そして砂丘へ走り、クロスリーの魔術用石を掘り返します。「クロスリー 覚悟しろ」と呟き、石を叩き割ったアンソニー。するとクロスリーが苦しみ出しました。そこへ警察が到着し、クロスリーは子供殺しの容疑で逮捕されます。――クリケットの試合は突然の雷雨に見舞われていました。患者達はパニックを起こし、奇行を繰り広げます。クロスリーはロバートに対し、叫びの魔法はこの雷雨よりずっと凄まじいと迫りました。興奮する彼のもとに医者がやって来て、部屋に戻れと言います。暴れるクロスリーは「叫ぶぞ」と怒鳴りました。ロバートは急いで小屋を脱出し、耳を強く塞ぎます。直後、落雷が小屋を襲いました。急いでドアを開けるとクロスリーと医者の遺体が発見されます。医者は耳を塞ぎ、苦痛を訴えるかのように口を大きく開けて絶命していました。その後知らせを受けたレイチェルが病院に駆けつけます。クロスリーの遺体に手を伸ばし、首から下げられていた靴の止め具を外すレイチェル。彼女が遺体のそばに立ち尽くし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ザ・シャウト/さまよえる幻響のあらすじと結末でした。
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