怪物はささやくの紹介:2016年アメリカ,スペイン映画。パトリック・ネスのベストセラー小説を映画化したダークファンタジー映画です。13歳の少年と、突然彼の前に現れた巨木の怪物が繰り広げる3つの物語が描かれています。
監督:フアン・アントニオ・バヨナ 出演:ルイス・マクドゥーガル(コナー・オマーリー)、シガーニー・ウィーヴァー(祖母 / カルトン婦人)、フェリシティ・ジョーンズ(母親 / リジー・カルトン)、リーアム・ニーソン(怪物)、トビー・ケベル(コナーの父親)、ほか
映画「怪物はささやく」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「怪物はささやく」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
怪物はささやくの予告編 動画
映画「怪物はささやく」解説
この解説記事には映画「怪物はささやく」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
怪物はささやくのネタバレあらすじ:プロローグ
13歳の少年コナー(ルイス・マクドゥーガル)は、母リジー(フェリシティ・ジョーンズ)と一緒にイギリスで暮らしています。夫と離婚しているリジーは末期ガンを患っており、コナーは学校ではいじめっ子のハリー(ジェームス・メルヴィル)からいじめを受けていました。
そんなある夜、毎夜のように悪夢にうなされていたコナーのもとに、裏庭の近くの墓地にあるイチイの巨木が変化した怪物(声:リアーム・ニーソン)が現れ、これから3つの真実の物語をコナーに伝えるといい、それらの物語が終わったら今度は第4の物語としてコナーが隠している真実を語るのだ、と告げます。
その後、リジーの病状が悪化し、入院を余儀なくされたため、コナーは祖母のカルトン婦人(シガニー・ウィーバー)に預けられることになりますが、コナーは祖母とは折り合いがよくありませんでした。その夜、怪物は第1の物語を語り始めました。
怪物はささやくのネタバレあらすじ「第1の物語」
昔むかし、かつてこの地に王国があった時代。国王は魔王との戦いで家族を失い、唯一の世継ぎである孫の王子と暮らしていました。王子は将来を有望視されており、国民からも慕われていました。その後国王は新たな王妃と再婚しますが、やがて体調を崩してしまい、王子が王に即位できる年齢になる前にこの世を去ってしまいます。このことから王妃の正体は魔女なのではという噂が立ちました。国王代行として国を治めていた王妃は王子との再婚を要求しますが、王子は恋人である農家の娘と駆け落ちしてしまいます。王子と恋人はイチイの木の下で一晩を明かしますが、翌朝、恋人は殺されていました。王子は王妃の仕業だと訴え、国民を扇動して王妃を失脚、処刑しようとしますが、王妃は怪物により助けられ、遠くの国へと逃れました。実は恋人を殺したのは王子自身で、王妃が魔女というのも真っ赤な嘘で、王になるために邪魔だった王妃を排除しようと画策していたのです…。
怪物は、物語には二面性があるということをコナーに伝えます。その数日後、リジーと離婚後アメリカ・ロサンゼルスに住むコナーの父(トビー・ケベル)が久しぶりに訪れ、コナーは束の間の楽しいひと時を過ごしますが、父はアメリカでの新たな家庭の方が大事なようでコナーを引き取ろうとはしませんでした。そして、怪物は次の物語を語りだします…。
怪物はささやくのネタバレあらすじ「第2の物語」
今から約150年前の産業革命の時代、昔ながらの自然素材を調合してどんな病でも治してしまう薬剤師がいました。ある日、薬剤師は神父に教会のイチイの木を少しだけでも分けてほしいと頼みますが、薬剤師のやり方が気に入らない神父はそれを拒み、商売の邪魔をしてしまいます。しかしある時、神父の娘が病にかかり、神への祈りも届かず娘は日に日に衰弱していきました。神父は藁にもすがる思いで薬剤師に助けを求め、もし娘を治してくれるのなら信仰を捨ててもよいと言いますが、薬剤師は自分の都合の良い時だけ調子よく頼る神父の要請を断り、娘は死んでしまいます。やがて神父に怒った怪物は、罰として教会を破壊しはじめました…。
話が終わっても、コナーはいつの間にか祖母の部屋を滅茶苦茶にしていました。その後、いつもの通りに学校に通ったコナーは、いじめっ子から透明人間扱いされた時、怪物が現れて語りだしました。
怪物はささやくのネタバレあらすじ「第3の物語」
この短い物語は透明人間の物語で、誰にも気付いてもらえない孤独な男が人々から存在を認めてもらえるようになるも、かえって孤独感を強めてしまうというお話でした。物語が終わると、コナーは逆上していじめっ子のハリーに殴りかかり、病院送りにしてしまいます。
リジーの容態はさらに悪化、コナーは怪物に母を助けてほしいと頼みますが、怪物は「私が現れたのは母を助けるためではない。お前を癒すためなのだ」と語り、コナーに真実を語るよう迫ります。
怪物はささやくのネタバレあらすじ「第4の物語」
コナーは毎晩うなされている悪夢の世界に迷い込みます。元気だったリジーが突如現れた地割れの中に落ちそうになり、コナーは必死で助けようとしますが母を引き上げることができません。そんなコナーに怪物は真実を語るよう促し、コナーは遂に手を放してしまい、リジーは奈落の底へと落ちていきました。コナーは、母に生きていたいと願いながらも、これ以上苦しむ姿を見るのは耐えられず、母に安らかになってほしいと願う自分がいることを怪物に打ち明けます。
怪物は、物語は真実の辛さを和らげてくれるとコナーに優しく語り掛けました…。
怪物はささやくの結末
コナーはいつの間にかイチイの木の下で眠っていました。そこへ祖母が現れ、リジーがいよいよ危篤だと告げます。ようやく祖母と分かり合えたコナーは母の最期に立ち会います。
その後、コナーはリジーが使っていた部屋を与えられ、机の中から母がかつて使っていたスケッチブックを見つけました。そこには怪物が語った3つの物語の登場人物のイラストとともに、怪物の肩に乗る子供とその母親のイラストが描かれてありました。
以上、映画「怪物はささやく」のあらすじと結末でした。
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