内海の輪の紹介:1971年日本映画。松山の呉服屋の嫁と、東京の大学の考古学者との不倫の行く末を描いた、松本清張の小説の映画化作品です。呉服屋の嫁を岩下志麻、考古学者を中尾彬が演じ、愛し合う二人が、憎悪に変わっていく様子を上手く描いています。
監督:斎藤耕一 出演者:岩下志麻(西田美奈子)、中尾彬(江村宗三)、三國連太郎(西田慶太郎)、富永美沙子(川北政代)、入川保則(江村寿夫)、夏八木勲(長谷記者)ほか
映画「内海の輪」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「内海の輪」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
内海の輪の予告編 動画
映画「内海の輪」解説
この解説記事には映画「内海の輪」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
内海の輪のネタバレあらすじ:起
美奈子(岩下志麻)は松山の呉服屋の嫁で、歳の離れた夫の慶太郎(三國連太郎)がいました。慶太郎は高齢で男としての役目が出来ず、若い美奈子を愛撫して喜ばすことしかできませんでした。そんな二人の性生活を住み込み女中の政代(富永美沙子)がいつも覗いていました。慶太郎の趣味は釣りで、釣り場にはいつも美奈代が立ち寄って、よく気の付く嫁だと言われていました。
美奈子は三か月に一回、東京へ得意先回りをしていました。しかしこれは江村宗三(中尾彬)との不倫でした。宗三との関係は5年前にさかのぼります。美奈子に寿夫(入川保則)という夫がいましたが、寿夫が女をつくって新潟へ駆け落ちしました。この時、寿夫のところへ行く美奈子に付き添って、寿夫の弟の宗三が付いて行きました。美奈子は寿夫に離婚を突きつけ、列車で宗三と帰路につきました。そして途中の水上温泉で降り、その夜、美奈子は宗三を誘い関係を持ちました。その1年半後、呉服屋へ嫁入りした美奈子でしたが、その後美奈子から連絡し、不倫関係が続いていました。
内海の輪のネタバレあらすじ:承
宗三は考古学者で遺跡の発掘を主にやっていました。宗三の妻は考古学者の権威の次期大学学長の父をもつ令嬢でした。安定した生活を送りながら、三か月に一度、美奈子との不倫を楽しんでいました。美奈子と関係を持った夜、宗三は来月岡山で発掘があると、美奈子を誘いました。美奈子は慶太郎に姫路で同窓会があると言って外泊の許しを得ました。
そして出発の当日、美奈子は慶太郎に嘘の泊まり先のホテルの電話番号を教えて出発しました。倉敷で泊まり、翌日街を歩くものの、誰かに見られそうで気がかりな美奈子は、宗三と旅館に帰りました。そして旅は下津井、尾道と続きました。そのころ松山の家では、女中の政代が美奈子の泊まり先に電話をし、嘘の電話番号だと知りました。夜になって政代は慶太郎に、美奈代が姫路に行っていないことを告げ口し、脚をはだけて色仕掛けで誘いますが、慶太郎は応じませんでした。
内海の輪のネタバレあらすじ:転
里帰りをしていた政代が美奈子と宗三を見かけました。すぐに写真を撮り、美奈子の泊まる旅館の仲居に手紙を渡しました。手紙を渡され、中身を見た美奈子は驚きました。『すべてを知ってしまいました。松山の家の敷居をまたがせません』と書かれていました。動揺した美奈子は宗三にもう一泊しようと迫りました。レポートを書く予定だった宗三が、仕事が忙しいと言うと、美奈子が書類を投げ散らしたため宗三は怒りました。
その後、入浴中の宗三に美奈子が謝り、二人で入浴し、もう一泊することにしました。そのころ松山では政代が、慶太郎に写真を見せ美奈子の不倫を教えますが、慶太郎は人違いだと言い、何もなかったように迎え入れろと言いました。伊丹空港で翌日の飛行機を予約した二人は、二人が知り合いの長谷(夏八木勲)という男に会いました。美奈子と宗三は少し離れたところにいた為、長谷は偶然が重なったと出会いを喜びました。
内海の輪の結末
長谷に会った二人は、人目を忍ぶため蓬莱峡で泊まることになりました。その夜、美奈子は宗三に自分のいちずな思いを告げました。しかし宗三は「自分は美奈子に弄ばれている」と言ったため、美奈子は宗三の子供を妊娠したと告げました。これに対し宗三は、女の武器だと言い返したため、むきになった美奈子は、松山には帰らない、夫と別れると言い、宗三にも離婚を迫りました。宗三は次期助教授の地位と今の生活を守ると言い、言い争いになりました。
その後、急に宗三が優しくなり、二人は燃え上がりました。翌日、美奈子が目覚めると宗三がいないため、慌てました。仲居が蓬莱峡に行ったいうので追いかけました。蓬莱峡は険しい崖でした。崖の上で宗三のライターを見つけた美奈子は、下の道路で会いました。部屋で休憩した後、宗三が蓬莱峡に行こうと言い出しました。崖から突き落とされて殺されると思った美奈子はためらいますが、死ぬ覚悟で着いて行き、崖の上に立ちました。
怖くなった宗三は、突き落とさず逃げ出しました。その後、崖の下を見た美奈子は足がすくみ転落死しました。美奈子の手には宗三のスーツのボタンが握られていました。刑事は「犯人はすぐわかる」と話しました。
以上、映画「内海の輪」のあらすじと結末でした。
「内海の輪」感想・レビュー
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綺麗な志麻さん好きだわ
岩下志麻さんの妖麗さと終盤の鬼気迫る迫力が凄かった。
原作は読んでないが1982年のドラマ版では転落事件の後に宗三が考古学的発見をしても発表できない葛藤を描いてたが、この映画では美奈子がメインになっていて転落で終わっていた。