激しい季節の紹介:1959年イタリア映画。第二次世界大戦下の高級避暑地で、激しい愛に溺れる男女を描いたドラマ作品。ファシスト高官の息子カルロは、浜辺で美しい未亡人ロベルタに出会った。一目で心を奪われたカルロはロベルタに熱い視線を送り、いつしか離れられないほど深く愛し合ってしまう。しかし反対する声は多く、カルロには兵役の義務も迫っていた。2人は全てを捨て、森深くの別荘へ駆け落ちしようとするのだが。
監督:ヴァレリオ・ズルリーニ 出演者:ジャン=ルイ・トランティニャン(カルロ・カレモーリ)、エレオノラ・ロッシ=ドラゴ(ロベルタ・パルメザン)、ジャクリーヌ・ササール(ロッサナ)、フェデリカ・ランキ(マッダレーナ)、ラフ・マッティオーニ(ジョルジョ)ほか
映画「激しい季節」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「激しい季節」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「激しい季節」解説
この解説記事には映画「激しい季節」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
激しい季節のネタバレあらすじ:避暑地の出会い
舞台は1943年夏、イタリアの高級避暑地リッチョーネ。ファシスト高官の息子カルロ・カレモーリが戦火を逃れやって来ました。彼がいつも一緒に過ごしているのは、上流階級出身の若者達です。彼らは国の苦境に関係無く青春を謳歌していました。グループの1人ロッサナは、久しぶりに会ったカルロをすぐに気に入り恋に落ちてしまいます。
そんなある日、海岸で遊んでいると敵機が威嚇するように低空飛行を行いました。周囲がパニックになる中、カルロは驚いて転んでしまった少女コロンバを見つけます。カルロが駆け寄り宥めていると、すぐにコロンバの母ロベルタ・パルメザンがやって来ました。カルロはその美しさに一瞬で虜になってしまいます。
ロベルタの夫はイタリア海軍の兵士で、数々の武勲を立てて命を散らしました。ロベルタは現在パルメザン荘でコロンバと厳格な母、使用人と一緒に暮らしています。カルロは何かと理由をつけてはロベルタを誘いますが、彼女の母親が良い顔をしないため上手くいきません。それでも諦めないカルロにロッサナは腹を立て、ロベルタを敵視するようになりました。
激しい季節のネタバレあらすじ:愛の目覚め
ある日、パルメザン荘にロベルタの義妹マッダレーナがやって来ます。厳しい戦況に置かれたカタンツァーロから、せめて年若い娘だけはと預けられることになったのです。ロベルタは彼女と抱き合いながら、戦争の足音を確かに感じていました。ロベルタはマッダレーナと同年代のカルロ達のところへ行き、義妹を仲間に加えてくれるよう頼みます。
仲間がマッダレーナを歓迎する中、カルロはひたすらロベルタだけを見つめていました。ロベルタもそれに気付いていましたが、自分が子持ちの未亡人であることを考え出来るだけ素っ気なく接します。夜、ロベルタとマッダレーナはカルロ達からサーカスに誘われました。その後カルロの別荘に移り、明かりを消してダンスを楽しみます。ロッサナはロベルタを牽制し、分かりやすく意地悪を重ねていました。しかしカルロとロベルタは無言で熱く見つめ合います。
甘美な音楽に合わせてダンスのペアを組んだ2人は、庭に降りて抱擁を交わしました。それを目撃したロッサナはショックのあまり走り去ってしまいます。翌日から、カルロとロベルタの関係が噂されるようになりました。ロベルタは一時の気の迷いだと昨夜のことを忘れようとしますが、カルロがそれを許しません。
激しい季節のネタバレあらすじ:変化の波
そんなある日、世界に衝撃が走ります。ムッソリーニが辞任し、後任にイタリア陸軍のピエトロ・バドリオが選出されたのです。これにより戦争継続に反対する声が上がり始め、各地で暴動が起こりました。カルロの父もリッチョーネに逃げて来ましたが、カルロを置いて姿を消してしまいます。
深く傷ついたカルロはロベルタを訪ね、ついに2人は肉体関係を持ちました。2人は幸せな時間に浸りますが、周囲の祝福はありません。むしろマッダレーナはロベルタを軽蔑して家を出ると言い、母も厳しい口調で自制を求めました。カルロは家を接収され、仕方なく下宿に身を寄せることにします。友人達は皆去り、カルロは激しい自暴自棄になっていました。
激しい季節のネタバレあらすじ:逃避行
人目を忍ぶように、夜に逢瀬を重ねるカルロとロベルタ。そこに巡回中の軍人が現れました。兵籍証明書を提示するよう言われ、カルロは明らかに慌てます。実は彼の兵役延期の期限はとっくに切れていました。明朝ボローニャの司令部に出頭するよう命令されるカルロ。出頭すれば脱走兵扱いとなります。しかしカルロとロベルタは、もう離れることなど考えられないほど愛し合っていました。
そこで2人は全てを捨て、田舎にあるロベルタの別荘へ駆け落ちすることにします。翌日、汽車に揺られていると突然敵機が飛来しました。リッチョーネからあまり離れていない駅で猛爆を浴びた乗客達は、複数の死者を出し大混乱に陥ります。カルロとロベルタは何とか生き残りました。ところがロベルタは幼い少女の遺体を見つけ、家に置いてきたコロンバは無事だろうかと激しく動揺します。
激しい季節の結末:別れ
カルロはロベルタを必死に宥めながらリッチョーネに向かう汽車に乗せました。ロベルタが慌てて振り返ると、カルロは汽車に乗らず無言で扉を閉めます。そして自分はここに残ると告げました。
「また会えるよ」と囁くカルロに、「会えなくなるわ 永久に」と涙を流すロベルタ。2人を引き裂くように、汽車が動き始めます。カルロが遠ざかるロベルタを見送り、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「激しい季節」のあらすじと結末でした。
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