マスカラの紹介:1987年オランダ映画。嫉妬に狂っていく異常な愛を、美しくもおぞましく描いたサスペンス作品。ギャビーとバートは互いに信頼し合う仲の良い姉弟。特にバートは姉を幸せにしようと常に心を砕いて来た。趣味のオペラ鑑賞に出かけた2人は、オペラ座の衣装デザイナー・クリスと知り合う。ギャビーとクリスが恋仲に発展すると、バートは次第に嫉妬に駆られ凶行に及ぶようになる。
監督:パトリック・コンラッド 出演者:シャーロット・ランプリング(ギャビー)、マイケル・サラザン(バート)、デレク・デ・リント(クリス)、ロミー・ハーグ(ラナ)、エヴァ・ロビンス(ペパー)ほか
映画「マスカラ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マスカラ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「マスカラ」解説
この解説記事には映画「マスカラ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マスカラのネタバレあらすじ:オペラ座の出会い
舞台はフランス、パリ。郊外の屋敷で一人娘ローラを育てる未亡人ギャビーは、夜の街を車で飛ばしていました。警察署長で弟のバートと、オペラ鑑賞の約束をしていたのです。急ぐ彼女は危うく歩行者と接触しそうになりました。歩行者の若い男は抗議しますが、美しいギャビーを見て文句を言うどころか、うっとりしてしまいます。
ギャビーはバートと合流し、オペラを堪能。今夜は特に衣装に注目が集まりました。奇抜でありながら美しい衣装に目を奪われた姉弟は、鑑賞後にデザイナーを紹介されます。それは先ほどギャビーがぶつかりそうになった男、クリスでした。クリスは運命を感じ、積極的にギャビーを口説きます。しかし本人からやんわり断られ、それを察したバートが彼女を連れてさっさと帰ってしまいました。バートは部下にクリスのことを探らせます。
翌日、バートはオペラ座を訪れ、クリスに頼みごとをしました。内容は、昨夜好評だった衣装を貸して欲しいというもの。親しい女性が誕生パーティーを開くので、プレゼントに一晩だけでも着させてやりたいというのです。はじめは断るクリスでしたが、その女性がギャビーであると気付き、自分が着付けを手伝うことを条件に承諾しました。
マスカラのネタバレあらすじ:ナイトクラブ
クリスはギャビーに電話を掛け、デートの約束を取り付けます。デート当日、クリスはギャビーに色々なことを尋ねました。ギャビーは翻訳の仕事をしており、夫を亡くして以来ローラを一生懸命育てていること。外出は大抵バートと一緒で、たまのデートの相手は皆友人どまりであることなどを話します。退屈な女だと自嘲するギャビーに、クリスは優しくキスをしました。
誕生日パーティーの夜。バートがクリスを連れて行ったのはトンネル跡を通る怪しげなナイトクラブでした。クリスがウキウキと楽屋に入ると、待っていたのはギャビーではなくクラブで働いているペパーでした。クリスは肩を落として着付けを行い、ペパーの出番が終わるまで暗い小部屋で待機することになります。ゲイ遊びに溺れる倒錯的なパーティーでペパーは見事な歌声を披露し、拍手喝采を浴びました。バートも興奮し、別室に移動してペパーを褒めちぎります。バートはうっとりして、ギャビーとの思い出を語り始めました。
バートの頬をペパーが舐めると、彼は突然「何すんだ!」と怒鳴ります。ペパーは何かと言えばギャビーを持ち出し、姉を女神のように信奉するあまり女を抱けないバートのことを「気の毒な人ね」と吐き捨てました。逆上したバートはペパーを絞殺。その後、何食わぬ顔でクリスに衣装を返し、ペパーの遺体を仲間に発見させて隠蔽に協力させます。
マスカラのネタバレあらすじ:バートの執着
ギャビーの家の隣にあるアパートに引っ越したクリス。はじめは喜ぶギャビーでしたが、双眼鏡を見つけ不快感を顕にしました。クリスは誤解だと反論し、監視をしているのは疑い深いバートだと怒鳴ります。ギャビーは「わたしが信用してるのは弟だけよ」と冷たく言い放ちました。
しかし翌日、ギャビーはオペラ座を訪れ、クリスに愛を告げます。クリスも受け入れますが、それがバートに知られてしまいました。バートはペパー殺しをクリスに擦り付けることにします。クリスの部屋を訪ねたバートは、また衣装を貸して欲しいと言い出しました。バートに不信感を抱くクリスは断りますが、薬物を見つけられて脅迫されてしまい、承諾するしかありません。
ふとバートが双眼鏡を覗くと、着替えているギャビーが見えました。クリスは勝ち誇ったように笑い、彼女と毎日会っていると話します。するとバートは恐ろしい形相で手を切れと脅し、部屋を出ていきました。
マスカラのネタバレあらすじ:暴走する愛
バートはクリスを連れて再びナイトクラブへ入ります。今日衣装を着るのは、ナイトクラブのスタッフでペパーとも懇意にしていたラナでした。バートはペパーの時と同じように、出番を終えたラナを絞殺し衣装をクリスに返します。そしてクリスが帰った後、殺人事件の犯人はクリスという噂をクラブ内に流しました。
バートに腹を立てるクリスは、彼のゲイ遊びについて全てギャビーに暴露します。ギャビーはショックを受け、バートを強く拒絶するようになりました。彼女の心はクリスに傾き、初めて彼と結ばれます。翌朝。バートはギャビーを通して、また衣装を貸すようクリスに指示しました。バートはまともではないと震えるギャビー。クリスは彼女を抱きしめながら、次で最後にすると約束します。
3度目のナイトクラブ訪問で、クリスが着付けをしたのはバート本人でした。周囲は驚愕と冷淡な目を向け、こっそり潜り込んでいたギャビーも凝視しています。楽屋に戻ったバートは、クリスに脱がせてくれと言い出しました。バートはクリスに愛を囁き、彼のためならギャビーも殺せると譫言のように話します。苛立ったクリスは衣装を破いてバートを殴り始めました。するとバートは突然冷静な顔になり、犯人を捕まえたと騒ぎ出します。
マスカラの結末:それぞれの愛
ナイトクラブ中に騒ぎが広まり、ギャビーも楽屋に行こうとしました。しかしバートが立ち塞がり、店から追い出してしまいます。ギャビーが店の出入り口付近に潜んでいると、バートが現れました。濡れ衣を着せられ、殴る蹴るの暴行を受けてボロボロになったクリスを引きずっています。ギャビーの制止も聞かず、バートはクリスを桟橋から海に落としてしまいました。
逃げ出したバートをギャビーが追いかけます。通路が崩落し、行き止まりになった場所で追い詰められたバート。しかし彼はクリスのことを、死ぬしかない人間だったと言い出します。人を2人も殺した上、自分達姉弟の仲も壊した罪人だと。クリスを愛していたギャビーの目は怒りに燃えています。
ギャビーは「わたしと遠い所へ行って」と言いながら、一歩足を踏み出しました。バートは後ずさりしながら昔の思い出を語ります。「姉さんを心から愛してる」と言って、バートは崩落した部分から海に転落してしまいました。
翌日、海辺でバートとクリスの遺体が発見されます。ギャビーがキスをしたのはクリスの遺体でした。彼女が「愛をありがとう」と囁き、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「マスカラ」のあらすじと結末でした。
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