ゴーン・ガールの紹介:2014年アメリカ映画。実話を基にしたゴーン・ガールは、2002年のアメリカで起きたスコット・ピーターソン事件がモデルになっておりフィンチャー監督が映画化。ある日突然、妻が失踪してしまったニック。しかし警察が見つけるのは妻殺しの状況証拠ばかり、やがて世間から非難を浴びるニックはどうなるのか? フジテレビのドラマ『僕のヤバイ妻』が『ゴーン・ガール』に似ていると話題になりました。
監督:デヴィッド・フィンチャー 出演者:ベン・アフレック(ニック・ダン)、ロザムンド・パイク(エイミー・ダン)、ニール・パトリック・ハリス(デジー・コリンズ)、タイラー・ペリー(ターナー・ボルト)、キム・ディケンズ(ボニー刑事)、キャリー・クーン(マーゴット・ダン)ほか
映画「ゴーン・ガール」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゴーン・ガール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゴーン・ガールの予告編動画
映画「ゴーン・ガール」解説
この解説記事には映画「ゴーン・ガール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゴーンガールのネタバレあらすじ1:結婚五年目の妻の失踪。
7月5日、ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)の結婚5周年の朝。「記念日には宝探しをする」と双子の妹の働くバーで話していると、近所のウォルトから電話が来る。帰宅するとエイミーが失踪していて、かすかに荒らされた跡があったので通報。その結果、ニックは警察署で事情聴取され、妻のことをあまり知らなかったことを思い知る。
警察署には老人ホームにいるはずの父がいて、ニックは老人ホームへ送った。警察には親友と名乗るノエルが訪れ、キッチンからは血液反応が検出され、タンスからはヒントの入った宝探し用のヒントの封筒が発見された。
エイミー失踪二日目。エイミーの両親は記者会見を開き、情報集めのためのホットライン、ウェブサイトを両親は用意していた。(エイミーの母は彼女をモデルにした小説を書いた著名人。)ニックはそこで初めてエイミーが過去に付き合った男について知った。一人はストーカーで振られると自殺未遂をしたデジーと、もう一人は暴力男でレイプ嫌疑を掛けられていた。
ボニー刑事はヒントの紙を見せ、大学のニックのオフィスにあるヒント2の封筒まで行き着く。そこには女性用の下着があり、ニックに不信感を抱いた。一方、ニックは、2つ目のヒントを元に、ヒント3の封筒を見つけた。
ゴーンガールのネタバレあらすじ2:実は浮気をしていたニック、彼はエイミーを殺したのか?
ニックの元に、「今外にいる」というメールが入る。それは愛人のアンディからで、ニックを家に招き入れ一夜を過ごした。しかし翌日、彼女を帰らせるところをマーゴに見つかり、責められ、エイミーとの結婚生活は最悪だったとニックは告白した。
警察はブローカーのたまり場の廃墟を訪れ、エイミーについて聞き込みをする。そこで、彼女がバレンタインに銃を買っていたこと知る。なお、検査結果によりキッチンの血痕は銃器(及び木材)によるものだと判明する。
夜、ニックはエイミーの情報提供を求める集会に顔を出した。主催は両親で、エイミーは妊娠6週目だったことを知る。再び事情聴取を受けるニックは、エイミーとノエルが仲がよかったのを知らない事、エイミーの保険金の額を上げていること、妊娠していたこと、二人の結婚生活は経済状態のせいで散々だったことなどを尋問される。
警察は彼を殺人罪に問いたかったものの、それには死体が必要だった。そしてニックの父親の家の地下で、焼け焦げたエイミーの日記を発見した。そこには結婚生活が散々だということや、ニックに殺されるかもしれないということが書いてあった。
同じ頃、ニックはマーゴの家の薪小屋でプレゼントを見つけた。中身はジュディ人形。男の人形がこん棒を振り下ろす仕掛けになっていた。マーゴはミズーリ州には死刑制度があり、このままニックが殺人犯になると、死刑になるかも知れないと恐れた。
ゴーンガールのネタバレあらすじ3:全て狂言?その頃エイミーは?
全てはエイミーの狂言と仕込みで、ニックを殺人犯に仕立て上げるつもりで最後には死のうと計画していた。それまで失踪していなければならないエイミーは、現金のみを持ち、髪を染め、サングラスをかけてナンシーと名乗り、金槌で顔に殴り痕を作り、ログハウスを借りた。隣人にはグレダと名乗った。エイミーはテレビで自分が失踪している事と、ニックが世間に悪い印象を与えている事を確認した。
弁護士を訪ねたニックは、過去の男性関係で彼女の印象をひっくり返そうと、レイプの嫌疑を掛けられていたトミーを訪ねると、彼は彼女にレイプ犯に仕立て上げられていて、彼いわく、いつか殺人犯も仕立てあげるんじゃないかと思っていたと打ち明けた。
もう一人、デジーはエイミーに傾倒していて、聞く耳を持たなかった。弁護士はシークレットサービスを雇ってエイミーを探させ、テレビに出るように勧め、死刑を逃れるため印象操作をしようと試みた。
姿をくらませていたエイミーは、グレダとその仲間の男に有り金を奪われたが、警察にも届けられず、代わりに「マーゴの薪小屋が怪しい」と匿名の垂れ込みをした。ニューヨークに戻った彼女はデジーに会い、ニックについて「別れたら殺してやると言われた」などと嘘をつき、まんまと彼の湖畔の別荘を借りることに成功。しかしそこは監視カメラ付きの別荘で、デジーに半ば監禁された状態になった。
ニックがシャロンにインタビューを受ける前に、愛人のアンディはエイミーの両親が開いた集会で謝罪会見を行い、ニックとの不倫関係が明かされた。そんな状況が悪い中でインタビューを受け、ニックはエイミーにとって完璧な夫を演じ、世間からの印象も変わった。エイミーとデジーはそれを一緒に観ていた。
ゴーンガールの結末:殺人容疑を掛けられたピンチのニックの元に現れたのは?
匿名の情報を元に、警察がマーゴの家に家宅捜索にやってきた。マーゴは連行され、ニックは事情聴取を受けた。薪小屋には贅沢品が詰め込んであり、また父親の家の暖炉から発見された凶器と思われる棒によってニックは殺害容疑で逮捕された。そして、公判待ちのためいったん保釈された。
デジーの元であくまでも優雅に暮らしているフリをするエイミーは、事の最中にデジーの喉をカッターで掻き切り、血まみれのままニックの家の前に現れた。そして、自分はデジーに誘拐監禁されて、レイプされている所を逃げてきたのだと病室で警察官達に話した。
周囲は寄り添いながら帰ってくる二人を祝福した。しかし、ニックは自分を殺人犯にしようとしたエイミーを信じられず、デジーを殺したんじゃないかと詰問した。エイミーは核心には触れず、「今自分を捨てたら、世間は誰もニックを相手にしない」と開き直り、夫としての役割を演じるように言うだけだった。
はたから見れば仲睦まじい夫婦の二人だったが、ニックは洗面所の鏡の前で、エイミーはサイコだと本音をこぼした。二人の家へ、以前テレビでニックの印象を悪くした番組の司会者エレンが新しいインタビューに来た。
ニックは仕度の際に、エイミーが精子バンクに預けていたニックの精子を使って妊娠していた事を知って怒るが、インタビューではあくまで理想の夫婦像を演じ、子供が生まれる事も発表した。そして、双子の妹のマーゴにだけ、自分の理性を支える味方になって欲しいと頼んだ。
これからどうしたいのか?これからどうなるか?先への不安を抱いたまま、物語は終了する。
以上、映画「ゴーン・ガール」のあらすじと結末でした。
「ゴーン・ガール」感想・レビュー
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離婚された方におススメ。付き合いたてのカップルにはお勧めしません。奥さん役の方が能面でも張り付けたのかってくらい無表情で当たり役でした。彼女が巻き起こす騒動にそこまでするかよって感じで、ラストの夫には同情を禁じ得ない。本当にこの夫婦がまともに子供を育てられるのか甚だ疑問。不安が残る後味悪いラストでした。
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エイミーの母親が出版した「完璧なエイミー」と言う本が、彼女にとって大きな役割を占めている。エイミーは完璧を自分自身にも求め、付き合う男が求める女性像を演じるという形で付き合ってきた。そして、ニックの前では完璧な妻を演じていた。しかしそれが崩れたのはニックが夫としての役割を果たさなくなったところから、彼女は自分をあくまで世間的は完璧な妻として葬り去ることを画策し、狂言失踪に至ったのではないだろうか。計画の最中でも彼女はその時に必要な女性を演じ、その時の自分の役割を完璧に演じきることに全てを注いでいるようにすら見える。自宅に帰還する際もはたから見たら夫の元へ帰ってきた勇気のある妻としか写らないだろう。また、作中ではメディアによる印象操作など、「演じる」と言うことによって周囲を動かすくだりが繰り返し出てくる。そしてエイミーを見ているとその時々にあった、女性を演じる彼女の自我はいったいどこにあるだろうかと、考えさせられてしまう。
ストーリー序盤では失踪ミステリーかと思わせておいて、中盤にはすでに種明かしをするという斬新な構成に魅力を感じました。それ以外では、登場人物が個性的なのも良いです。エイミーをはじめ、その両親やデジーなど観ていて不安になる人達ばかりですが、なぜか笑ってしまいます。エイミーがデジー宅の監視カメラの前で取った行動には、爆笑しました。