クライム・オブ・パッションの紹介:1984年アメリカ映画。ジョアンナは昼間はファッション・デザイナー、夜は娼婦チャイナ・ブルーという二重生活を送っている。魅力的なチャイナ・ブルーが危ない男たちを招き寄せる。イギリスの鬼才ケン・ラッセルが「新世界」(ドヴォルザーク「新世界交響曲」が様々に編曲されて全編に使われています)アメリカに挑んだ破天荒でエロチックなサスペンス映画。
監督:ケン・ラッセル 出演者:キャスリーン・ターナー(チャイナ・ブルーことジョアンナ・クレーン)、アンソニー・パーキンス(ピーター・シェイン)、ジョン・ローリン(ボビー・グラディ)、アニー・ポッツ(エイミー)、ブルース・デイヴィソン(ホッパー)その他
映画「クライム・オブ・パッション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クライム・オブ・パッション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クライム・オブ・パッションの予告編 動画
映画「クライム・オブ・パッション」解説
この解説記事には映画「クライム・オブ・パッション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クライムオブパッションのネタバレあらすじ:起・二重生活
ボビー・グラディはハイスクールからの付き合いのエイミーと結婚して11年。ロサンゼルス郊外に住み二人の子供がいる。やはりハイスクールからの親友で別れた妻にまだ未練のあるダニー・ホッパーとは違って、自分の生活は平穏なつもりだったが、エイミーとはセックスレスだった。
ボビーはホームセキュリティー機器の販売店を経営しているが、家計のたしにするために時々、夜間の探偵活動の仕事を引き受ける。今度は女性向けスポーツウェアの会社の経営者に紹介される。彼は産業スパイが社内にいると疑っている。怪しいのは才能あふれるデザイナーだが私生活が謎に包まれているジョアンナ・クレーンだった。ボビーは仕事の終わったジョアンナを尾行。ジョアンナはブロンドのウィグをかぶってアパートから出てきた。そしてタクシーでいかがわしい界隈へ。
ジョアンナの夜の顔は金をもらって客のファンタジーをかなえる娼婦チャイナ・ブルーだった。お客の好み次第でミス自由の女神にも尼さんにもシンデレラにもなる。昼間の生活で満ち足りた人間関係を築けないジョアンナにとってホテルの部屋は自分自身ではないチャイナ・ブルーとしてあらゆるファンタジーを楽しむことができる安全な場所だった。ボビーはチャイナ・ブルーを遠くから撮影し、ベランダから彼女が使っているホテルの一室に侵入し、次第に彼女の世界に関心をもっていく。
クライムオブパッションのネタバレあらすじ:承・あやしげな聖職者
スパイは結局別の古参社員とわかった。ボビーは客としてチャイナ・ブルーに近づく。二人はベッドの上で激しく燃え上がる。今まで体験したことのないセックスだった。ボビーはもっと彼女のことを知りたいと願うが、ことが済んだ後チャイナ・ブルーは冷淡にボビーを追い払おうとする。
そんな二人の様子を隣の部屋で隠し穴から覗いている男がいた。チャイナ・ブルーにもおなじみの、夜の街で聖書をもって説教を始めるピーター・シェイン師と名乗る牧師あるいは司祭風の男。
帰りあぐねて車の中にいたボビーは、チャイナ・ブルーがボビーの後に客になったシェインともめているのを見て助けに行く。鼻を殴られてしまうが、チャイナ・ブルーはちょっと彼に打ち解けた態度になる。
クライムオブパッションのネタバレあらすじ:転・見破られた正体
ボビーとエイミーの溝は深まるばかり。ついにボビーは出勤前のジョアンナのアパートのドアをノックして彼女を驚かす。友達になろうと言って自己紹介するボビー。ジョアンナも少し警戒を緩める。だが、ある夜、夜遅く退社しようとしたジョアンナを会社のエレベーターに隠れてシェインが待っていた。
彼も彼女の正体を知り、そして自分たちはお互いに必要としていると妄想していた。この一件以来ジョアンナはホテルの部屋でもチャイナ・ブルーとしてファンタジーに没入することができなくなっていく。
クライムオブパッションの結末:救済
エイミーと別居を始めたボビーは夜遅く再びジョアンナのアパートに行く。12年間信じてきた家庭の幸福の崩壊に苦しむボビーはジョアンナの愛と体を求める。ボビーの熱意に押されてジョアンナは彼と再びベッドを共にして再び快楽を味わう。
だが、エイミーは復縁を望み、ボビーをディナーに呼ぶ。そのことはジョアンナを怒らせる。ボビーがエイミーと子供たちのいる家に一時帰宅した夜、シェインがジョアンナの部屋に強引に押し入り、ジョアンナを押し倒し縛り付け、ジョアンナを救済するための儀式を始める。そこへやってきたボビーはジョアンナの悲鳴を聞いてドアを破って部屋に入る。ボビーが侵入者を探していると背後で悲鳴が。
チャイナ・ブルーのウィグと服に身を包んだジョアンナをシェインが背中から刺したと思われた。だが実は、チャイナ・ブルーに扮したシェインが手にハサミをもってボビーを狙っていたのを、シェインの服を着せられたジョアンナが殺したのだった。
ジョアンナはもはやチャイナ・ブルーを必要としない。結局ボビーとエイミーは別れ、ボビーはジョアンナと新しい人生を始めることになる。
以上、映画「クライム・オブ・パッション」のあらすじと結末でした。
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