秘録 怪猫伝(ひろくかいびょうでん)の紹介:1969年日本映画。殿に可愛がられている盲目の竜造寺又七郎でしたが、妹の小夜を側室にしたいという殿の申し出を断った為、殿に切り殺されました。兄の死を恨みながら自害した小夜の魂が、飼い猫のタマに乗り移り、化け猫となって人に憑りつき復讐していくという怪談映画です。
監督:田中徳三 出演者:本郷功次郎(小森半左衛門)、小林直美(お豊の方)、亀井光代(小夜)、戸浦六宏(矢淵刑部)、上野山功一(鍋島丹後守)、川崎あかね(早苗)、毛利郁子(沢の井)、戸田皓久(竜造寺又七郎)ほか
映画「秘録 怪猫伝」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「秘録 怪猫伝」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「秘録 怪猫伝」解説
この解説記事には映画「秘録 怪猫伝」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
秘録 怪猫伝のネタバレあらすじ:起
殿である佐賀三十七万石、鍋島丹後守は半左衛門らを従えて散策中に、一部の国と屋敷を与えている、盲目の竜造寺又七郎らが宴をしているのを見かけ、一緒に楽しみました。この時、殿は又七郎の妹の小夜の美貌に魅了されました。
城に帰った殿は、半左衛門を呼びつけ、「小夜を側室に招くよう話をして来い」と言いました。又七郎に会い、殿の申し出を述べた半左衛門に対し、又七郎は「今回だけはお断りする」と言いました。城に帰った半左衛門が殿に報告しようとすると、家老の形部が「私が伝える」言いました。形部の妹のお豊は、殿の妻であり、お豊の座を守るため形部は小夜の側室に反対していました。
又七郎の屋敷に城からカゴが来ました。飼い猫のタマがいなくなり探していた又七郎でしたが、タマはその籠の中に乗っていました。タマを降ろし、又七郎は城へと向かいました。
秘録 怪猫伝のネタバレあらすじ:承
又七郎は城で碁をうちながら、殿から「小夜の事を考え直せ」と言われますが、又七郎は再び断りました。イラつく殿は碁でも手を間違いました。これを見た形部がイカサマをしました。盲目ながらイカサマを見破った又七郎は、「碁を元の位置に戻してください」と言うと、殿が「ワシを疑うのか」と怒り、又七郎を切り殺しました。
そして側近らに庭の井戸に遺体を投げ捨てさせ、又七郎は歩いて帰ったと言わせました。そして殿は形部に、「妹の小夜を何とかしなければならない」と言いました。帰らない兄を待つ小夜は、又七郎の血まみれの亡霊を見ました。よく見るとタマが又七郎の血の付いた衣服の切れ端をくわえて持ってきていたのでした。
兄は死んでいるのではと考え出した頃、城から側近が来て、「又七郎と小夜の兄妹を屋敷から追放し、国を取り上げる」と言い渡されました。
秘録 怪猫伝のネタバレあらすじ:転
兄の死を確信した小夜は、「兄を殺した者どもを呪い祟る」と言って切腹しました。そして流れる血をタマになめさせました。恨みの生き血を吸った猫は化け猫になり呪い殺す、と言われていました。処分を聞いた半左衛門は小夜の屋敷で自殺した小夜を見つけました。形部とお豊は喜んでいましたが、外では猫の鳴き声がしていました。
夜、火の用心で城内を回る腰元二人が殺されました。深夜、猫の鳴き声に目覚めた殿は、又七郎の亡霊を見ました。翌日、夜を徹して殿を守る半左衛門らは、暗闇に光猫の目を見ました。半左衛門はあの眼は小夜が飼っていた猫に間違いないと言いました。
そのころ、腰元の早苗が「沢の井の様子がおかしい」と言い出しました。タマはもののけとなって沢の井に憑りついていました。深夜、沢の井はお豊を襲いました。叫び声に駆け付けた半左衛門が沢の井を切り殺すと、沢の井は元の姿に戻りました。
秘録 怪猫伝の結末
深夜、再び又七郎の亡霊を見た殿の元へ、お豊がやって来ました。怖がる殿に、体の休まる薬だと言って口移しで呑ませました。翌朝、殿は寝込みました。お豊に憑りついたと考えた形部は、お豊を蔵に閉じ込め、魔除け祈願を行いましたが、お豊によって祈願の場を壊されました。そしてお豊が早苗に襲いかかりますが、何かを見て逃げ出しました。
半左衛門が駆け付けると、早苗は魔除けの護符を持っていました。半左衛門は形部に「お豊を殺すしかない」と言い寄りました。形部は了承し、夜になると、「妹の死を見たくない」と言って城を出ようとしました。しかしお豊に襲われ、形部は死にました。
その後、殿に襲いかかるお豊を、護符を書いた着物を着た半左衛門が切り付け、側近たちが槍で刺しました。そして半左衛門がとどめを刺すと、お豊と猫の叫び声が混じりあい、お豊は絶命しました。その時、火の玉が又七郎が投げ込まれた井戸に入って行きました。
以上、映画「秘録 怪猫伝」のあらすじと結末でした。
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