ガリーボーイの紹介:2018年インド映画。厳しい格差社会のインド。中でも大都市ムンバイのダラヴィ地区は最も規模が大きいスラム。ここに住むムラドは家庭問題や貧困、ドラッグなど鬱屈した気持ちを抱えながら生きていた。そんなムラドがラップと出会い自らの心を解放していく。この作品は実在するインドの若きラッパー、Neazy(ネィズィー)とDivine(ディヴァイン)の半生を基にした物語。彼らの楽曲『Mere Gully Mein(路地裏が俺の庭)』が使用され、心打つラップも見どころ。さらにUSヒップホップ界から、数々の名曲で知られるラッパーNAS(ナズ)がプロデューサーとして参加。2019年のインド映画世界興行収2位を収めた作品。
監督:ゾーヤー・アクタル 出演:ランヴィール・シン(ムラド)、アーリア・バット(サフィナ)、シッダーント・チャトゥルヴェーディー(MCシェール/シュリカント)、カルキ・ケクラン(スカイ)、ヴィジャイ・ラーズ(ムラドの父/シャキール)、ヴィジャイ・ヴァルマー(モイン)ほか
映画「ガリーボーイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ガリーボーイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ガリーボーイの予告編 動画
映画「ガリーボーイ」解説
この解説記事には映画「ガリーボーイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ガリーボーイのネタバレあらすじ:起
インド、ムンバイで最大のスラム街ダラヴィ地区。ここに住むイスラム教徒ムラドは、雇われ運転手の父、母、弟と祖母と共に、狭い家で生活していました。ムラドに今の生活から抜け出していい暮らしをしてもらいたいと願う両親に大学に通わせてもらいながらも、生まれで人を判断するインド社会に怒りを感じる日々を送っていました。
そんなある日、父が若い第二夫人を迎えたことで、家庭に大きな波風が立ち、ムラドをはじめ母と弟たちは父親の暴言と暴力にさらされることとなりました。
ムラドにはモインとサルマンという友人がいました。モインは仲間に車の窃盗を手伝わせたり、ドラッグの売買に手を染め子供たちを使って運び屋をやらせていることにムラドは腹を立てていました。しかしモインもまた生きるためにやっているため止めることができずにいました。
ガリーボーイのネタバレあらすじ:承
ムラドには13歳のころから交際している医学生のサフィナという恋人がいました。父も医者なことから同じイスラム教徒であっても裕福な家庭であるため、彼女の親には内緒で交際をしていました。
ある日のこと。大学のキャンパスで催されたコンサートを見ていたムラドは、ある一人のラッパー歌手MCシェールを目にします。シェールは巧みなラップとリズムでたちまち聴衆を夢中にさせ、ヤジをも歌い飛ばし、一瞬にしてムラドの心を惹きつけました。
ガリーボーイのネタバレあらすじ:転
そんな時、突然父親が骨折をして仕事ができない身となってしまいました。他のドライバーに仕事を奪われないようムラドに代理を命じます。大邸宅の裕福な家庭で専属運転手として働き始めたムラドは、様々な瞬間に身分の格差を見せつけられ、次第にその鬱屈した思いを詩に綴り始めるようになります。
早速自作の詩をシェールに歌ってもらおうと差し出したところ、シェールからは「お前の言葉を何で俺が歌うんだ?自分で歌え」と言われてしまい、初めてラップに挑戦することになります。粗削りではあるものの、その詩はシェールの心にも刺さり、シェールの元でラップを学ぶことになりました。
こうしてムラドは“ガリーボーイ(路地裏の少年)”と名乗り、シェールの助けを借りてラッパーへと成長していきます。
配信の動画から人々の人気を集めていき、やがてアメリカのバークリー音楽院で学んだ若い女性スカイから、楽曲をプロデュースしたいと持ち掛けられます。こうして初めての楽曲『Mere Gully Mein(路地裏が俺の庭)』をリリース。
さらにはアメリカのラッパーNAS(ナズ)のムンバイ公演の知らせが入り、その前座で歌うラッパーをラップ・バトルで決めることを知ります。このコンテストの優勝者には前座だけでなく賞金100万ルピーも獲得することができます。ムラドは今の生活から抜け出すために、大会での優勝を目指すことを決意しました。
ガリーボーイの結末
一方、家庭では相変わらず父親が母へ罵倒しながら暴力をしていました。その矛先はムラドにも向けられ、ラップを辞めなければ大学資金を打ち切ると迫ってきました。堪えられなくなったその日、ムラドは母と弟たちを連れて家を出ていくことにしました。
しかし自分だけの稼ぎではどうにもならず、生きていくために友人モインと組んで車の窃盗に手を染めていきます。
ラップバトルは順調に勝ち進み、ついに決勝戦までたどりつきました。しかしここにきてモインが窃盗容疑で警察へ連行。収容所へと送られてしまいました。ところが面会に来たムラドに対し、チャンスをつかむべきだと出頭することを止めます。賞金があれば保釈することができます。ムラドはさらに優勝の決意を固めました。
こうして行われた決勝戦。結果はムラドの圧勝でした。
モインの保釈金を払い、久々にダラヴィの街へ戻ると、ニュースでムラドの勝利を知った街中の人が彼の元へ駆け寄り勝利を喜びました。街中が笑顔であふれていました。さらにムラドはラップや音楽によって子供たちをはじめ人々に希望を与えたのでした。
後日、大勢の人を前にステージに立つムラドの姿がありました。そこにはラッパーになることに反対してきた父親の姿もあります。彼の力強いメッセージが込められた曲が会場に鳴り響くのでした。
以上、映画「ガリーボーイ」のあらすじと結末でした。
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