フランカ・ソッツァーニ: 伝説のVOGUE編集長の紹介:2016年アメリカ, イタリア映画。イタリア版ヴォーグに発信力を与え、多くの才能を見出したフランカ・ソッツァーニ。ファッション業界の変遷と共に、その素顔に迫る。
監督:フランチェスコ・カロッツィーニ 出演者:フランカ・ソッツァーニ、フランチェスコ・カロッツィーニ、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ、ジャンカルロ・ジャンメッティ、デボラ・ターバヴィル、ヴァレリー・スティール、ほか
映画「フランカソッツァーニ 伝説のVOGUE編集長」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フランカソッツァーニ 伝説のVOGUE編集長」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フランカソッツァーニ伝説のVOGUE編集長の予告編 動画
映画「フランカソッツァーニ 伝説のVOGUE編集長」解説
この解説記事には映画「フランカソッツァーニ 伝説のVOGUE編集長」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フランカソッツァーニ伝説のVOGUE編集長のネタバレあらすじ:起・フランカ・ソッツァーニの生い立ち
アナ・ウィンターと共にヴォーグ誌の二大編集長に上げられるフランカ・ソッツァーニ。イタリアの中産階級に生まれ、幸せな子供時代を送り、自立した女性として成功者になることを教えられたフランカは、家を出るために最初の結婚をするも、三ヵ月で破綻。
当時、まだイタリアのファッションは保守的で地味だったこともあり、訪れたイギリスの最新ファッションに興味を持った。また、イヴ・サンローランの提唱した女性が堂々と男性服を着るというファッションのルールを壊す象徴的な出来事にも共感した。フランカは未婚のまま一児を授かり、仕事と育児を両立させていくことになる。
フランカソッツァーニ伝説のVOGUE編集長のネタバレあらすじ:承・編集長になるまで
それまで働いた事がなかったフランカは、自分の実力を証明するために、ヴォーグの編集者となり、子供向けのヴォーグで子供のモデルを相手に奮闘ながら、編集者としての腕を磨いていった。
フランカが編集長に就任すると、イタリア版ヴォーグは最新のファッション誌としてその影響力を賞賛された。雑誌は芸術品ではなく商品だという非難や、彼女のやり方をよく思わないクライアントもいたが、ファッション誌が提供するのは洋服の情報だけではないと規範にとらわれない仕事をし、世間で物議を醸す事も、非難を受ける事も辞さず、解雇も覚悟で挑戦し続けた。
フランカソッツァーニ伝説のVOGUE編集長のネタバレあらすじ:転・ファッション誌と写真
編集者になってから言葉の壁、特にイタリア語が国内でしか通じない事を痛感した彼女は、写真の力が必要性を感じ、多くの才能ある写真家たちを発掘し、その個性を理解し自由に撮らせた。それまでブルジョア的だったファッション業界から脱し、独特な企画をいくつも立てた。
その一つが、有名人として初めて表紙を飾ったモンローに扮したマドンナだった。また、同じイタリア出身のヴェルサーチに出会い、二人でスーパーモデルと呼ばれるモデルを確立し、このことでモデルが世界的に知名度を持った。しかし間もなくして、ヴェルサーチ氏はマイアミで射殺されてしまう。多くのファッション業界関係者がこの事件を嘆いた。
フランカソッツァーニ伝説のVOGUE編集長の結末:生涯仕事人
息子が映画監督として自立した後、フランカは強烈な特集を組むようになった。その進歩的な内容は、イタリア版ヴォーグに新しい風をもたらした。整形という皮肉な企画の他にも戦争やDVなど、社会問題を提起し、ファッション誌の定義を変え、イタリア版ヴォーグはアートと思想とも呼ばれるようになった。非難を受けることもあったが、社会問題を取り上げることで興味を持ってもらう事に意味を見出していた。
さらに、白人モデルがほとんどで、それを変える様子もないファッション業界で、黒人特集を組み、一冊すべて黒人モデルを使ったヴォーグも発行し、それにはプレミアがついた。
2012年にはサルコジ大統領から勲章を受けた。フランカの目指したものは自分がいなくなっても語り継がれる功績を作ることだった。
この、息子の手によるドキュメンタリー用のインタビューの後、フランカは倒れ、安静を余儀なくされた。誰もがフランカは死ぬまで編集者をやめないだろうと言う中、映画祭でこのドキュメンタリーが披露されたのを見届けた2016年の末、フランカはこの世を去った。
以上、映画「フランカ・ソッツァーニ: 伝説のVOGUE編集長」のあらすじと結末でした。
フランカソッツァーニ伝説のVOGUE編集長のレビュー・考察:転換期のヴォーグ
今では作品に出て来たヴェルサーチをはじめ、たくさんの有名ブランドや老舗ブランドを抱えるイタリアが、ファッションに対して保守的だったというのは少し驚きだった。イギリスの最先端ファッションや、フランスのイヴ・サンローランの提唱したマニッシュスタイルなど、流行の変化も激しい中で、もしフランカ・ソッツァーニが編集者としてファッション業界に関わっていなければ、イタリア版ヴォーグが有名になることも無く、今でも知られずにいたブランドもあったのではないかとすら思えてしまう。また、作中のヴォーグの表紙の変遷を見ると、フランカが編集長に就任した頃から、雑誌の顔ともいえる表紙がガラリと変わるのがとても興味深い。
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