若い人の紹介:1962年日本映画。石坂洋次郎の長編小説を原作に、過去数度映画化された作品を石原裕次郎主演でリメイクした作品です。女子高に赴任してきた新人教師、訳ありの母親を抱える女子高生、教師に想いを寄せる同僚の女性教師の三者の関係と思惑が描かれます。
監督:西河克己 出演者:石原裕次郎(間崎慎太郎)、吉永小百合(江波恵子)、浅丘ルリ子(橋本スミ子)、大坂志郎(山川医師)、三浦充子(江波ハツ)、北村和夫(江口健吉)、小沢昭一(北森敦)、村瀬幸子(山形アツ子)、井上昭文(畠中登)、武智豊子(瀬川フミ)、殿山泰司(瀬川善吉)、三崎千恵子(山川ヒロ子)ほか
映画「若い人(石原裕次郎主演)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「若い人(石原裕次郎主演)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「若い人(石原裕次郎主演)」解説
この解説記事には映画「若い人(石原裕次郎主演)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
若い人のネタバレあらすじ:起
南国の女子高に赴任してきた新任の数学教師・間崎慎太郎(石原裕次郎)は、全校の女子の人気の的でした。しかし間崎は、受け持つクラスの中でただ一人江波恵子(吉永小百合)という生徒の扱いには頭を悩ませていました。恵子は美人で勉強ができるのですが、妙にひねくれたところがあり、度々遅刻したり反抗的な態度を取るかとおもえば教師の前では大人しくなるなどつかみどころのない生徒でした。
間崎は恵子のことを同僚教師の橋本スミ子(浅丘ルリ子)に相談していましたが、恵子が不幸な生い立ちを送っていることを知るスミ子は、彼女は愛情に飢えているのだと悟っており、恵子のことを甘やかしてはいけないと言いつつも、恵子は間崎のことが好きなのでは指摘しました。
恵子の母ハツ(三浦充子)は昔から男にだらしない女であり、恵子は父が誰なのかもわからない状態でした。ハツは場末の飲み屋を営みつつ、今でも愛人の船員・江口健吉(北村和夫)と関係を持っていました。
若い人のネタバレあらすじ:承
ある日、恵子はハツを連れて間崎の下宿を訪れ、スミ子は自分を嫌っていること、そしてスミ子は間崎に想いを寄せているのではないかと話しました。やがて修学旅行の日が訪れ、間崎は生徒を引率することになりました。留守を守るスミ子は旅行先の東京に住む自分の叔父・北森敦(小沢昭一)が間崎に会いたがっていると伝えてきました。
東京に着いた間崎は北森の元を訪ねました。北森はスミ子が昔から自分の気持ちを素直に表現できない子だったことを語ると、スミ子から送られてくる手紙には度々間崎の名があったことからスミ子は実は間崎に惚れ込んでいるのではと指摘しました。
そんな折、最終日の夜に恵子が宿泊先から抜け出すという事態が発生、間崎は懸命に探した末にようやく恵子を見つけ出しました。恵子はどこかへ行きたくなったと語り、「どこにも行っちゃ嫌だ。私だけの先生じゃないと嫌だ」と間崎への想いを打ち明けました。これには間崎も「好きだよ」と答えるしかありませんでした。
若い人のネタバレあらすじ:転
間崎たちが修学旅行から戻ってしばらく経ったある日、間崎はスミ子から、校内では恵子が妊娠したという噂が流れていることを聞かされました。相手は何と間崎だというのです。スミ子は冷たく突き放すように「今、先生を必要なのは江波さんです」と言ってのけましたが、間崎は恵子への想いが芽生え始めていると同時にスミ子は実は自分のことを想っていることにも気が付いていました。
その後、間崎は産婦人科医の山川(大坂志郎)から、恵子の妊娠は嘘であること、そしてハツは何度も中絶を繰り返しており、恵子はもしかしたら堕ろされていたかもしれない子であると聞かされました。山川から、恵子は今なお母のことで苦しんでおり、そのはけ口が自分であることを聞かされた間崎は、意を決してハツの飲み屋を訪ねることにしました。
恵子は大喜びで迎えましたが、その場にいた江口はハツのことを他人に甘えてばかりいる女だと批判、恵子の将来を案ずる発言をしました。程なくして江口は他の船員と喧嘩を始め、仲裁に入った間崎は殴られて怪我をしてしまいます。
若い人の結末
翌朝、知らせを聞いたスミ子は間崎の元に駆け付けましたが、ハツはわざとらしく恵子が情熱的に間崎を介抱していたと言いふらし、恵子は即座に否定するもいたたまれなくなったスミ子は早々に立ち去ってしまいます。
帰ることにした間崎は引き留めようとする恵子に「先生は自分の気持ちを君にはっきり言いに来たんだ。ところがここに来ると言えなかった。先生は弱虫なんだな。喧嘩をしたのも自分の弱さを叩きのめしたかった。その結果がこの始末だけどね」と言い、スミ子への想いを打ち明けました。
それから間崎は、恵子に送られて学校に向かいますが、恵子は「先生、橋本先生と結婚なさい」と言い放ち、「明日ちゃんと学校に行きます。もう遅刻しません」と告げて来た道を戻っていきました。
間崎は恵子が将来ハツと同じような人生を歩むのではないかと気がかりになりつつも、結局人は誰もが自分の道を歩むしかないのだと強く感じ取っていました。
以上、映画「若い人」のあらすじと結末でした。
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