ミューズ 悪に堕ちた女神の魂の紹介:2017年スペイン,アイルランド,ベルギー,フランス映画。スペインの作家ホセ・カルロス・ソモーサの『The Lady Number Thirteen』を『REC/レック』のジャウマ・バラゲロ監督が映画化したサスペンススリラーです。教え子と交際していた作家で大学教授の男が、恋人が自殺したことを機に実際に夢に出てきた女性が殺される夢を見るようになり、真相を突き止めようと動くのですが…。
監督:ジャウマ・バラゲロ 出演者:エリオット・コーワン(サミュエル・ソロモン)、フランカ・ポテンテ(スーザン・ジラルド)、アナ・ウラル(レイチェル)、ジョアンヌ・ウォーリー(ジャクリーン)、クリストファー・ロイド(ベルナルド・ラウシェン)、レオノール・ワトリング(リディア・ガレッティ)、マヌエラ・ベレス(ベアトリス)ほか
映画「ミューズ 悪に堕ちた女神の魂」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミューズ 悪に堕ちた女神の魂」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミューズ 悪に堕ちた女神の魂の予告編 動画
映画「ミューズ 悪に堕ちた女神の魂」解説
この解説記事には映画「ミューズ 悪に堕ちた女神の魂」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミューズ 悪に堕ちた女神の魂のネタバレあらすじ:起
ダブリン大学・トリニティカレッジに勤める大学教授で作家のサミュエル・ソロモン(エリオット・コーワン)は教え子の女子大学生・ベアトリス(マヌエラ・ベレス)と交際していました。二人は既に1年以上交際しており、順調に見えましたが、そんなある日ベアトリスは突然バスタブで、手首を切って自殺してしまいます。
それから1年後。サミュエルは今なおベアトリスを失った悲しみから逃れられずにいました。サミュエルはここ3週間ほど奇妙な悪夢にうなされていました。それは見知らぬ女性が殺害されるというものでした。
執筆活動でも長らくスランプに陥っていたサミュエルは、同僚のスーザン・ジラルド(フランカ・ポテンテ)からホラー小説でも書けばとアドバイスされていましたが、そんなある時、サミュエルはスーザンから、夢に出てきた見知らむ女性が実際に殺害されたとの情報を知らされました。
被害者のリディア・ガレッティ(レオノール・ワトリング)の遺体の周りには白い輪が描かれており、警察は「典型的な儀式殺人」との可能性を示唆しました。
ミューズ 悪に堕ちた女神の魂のネタバレあらすじ:承
スーザンから「予知夢」を見ているのではと指摘されたサミュエルは今回の件に興味を持ち、リディアが殺害された古い館へ向かいました。まさしく夢に出て来た場所と完全に一致していたことに驚きを隠せないサミュエルは、この館にやってきたレイチェル(アナ・ウラル)という女性と出会いました。
レイチェルもまたサミュエルと同じような夢を見ていたというのです。二人は写真立ての中から「白い輪 1968年」と書かれた写真とダンテの銘文「その獣を見よ 我が身を後ずさりさせる」が刻まれた石の球体のようなものを見つけました。リディア殺人犯の狙いはこの石の球体なのではと感じた二人でしたが、この場に警察が現れたため、サミュエルは写真を、レイチェルは球体を持って退散しました。
帰宅したサミュエルはスーザンと共に「白い輪」について調べてみると、それは「聖ジュード大学」の研究会の名称であり、この会は「ミューズ(女神)」について研究しているということが判明しました。「ミューズ」とは「招待」「導き」「欺き」「罰」「予言」「情熱」「秘匿」を司る7人の女神のことであり、5人いたメンバーのうち4人が不可解な怪死を遂げていました。
サミュエルはメンバーで唯一生存しているらしいベルナルド・ラウシェン(クリストファー・ロイド)の居場所を探し出そうと考えましたが、その夜にサミュエルの家に謎の少女が現れ、サミュエルに「心像(イマーゴ)」をよこせと脅してきました。サミュエルは突然体に異変を起こし、左手の平が割けて出血しました。少女はサミュエルに翌日の夜12時頃に北へ40kmのところにあるジョイヒルに「心像」を持って一人で来いと告げて去っていきました。
ミューズ 悪に堕ちた女神の魂のネタバレあらすじ:転
サミュエルはスーザンからラウシェンの居場所を聞き出し、彼の元へ向かいました。ラウシェンは表向き船の遭難で死んだことになっていましたが、死を偽装して隠匿生活を送っていたのです。ラウシェンは「ミューズ」は実在すると語り、殺されたリディアはその内のひとり「予言」の女神であったことを告げました。
リディアは「予言」の力を使ってサミュエルとレイチェルに予知夢を見せていたのです。残る6人の女神には警戒すべきだとラウシェンから忠告されたサミュエルは、レイチェルの持つ「心像」を手に入れるため彼女の元に向かいました。
シングルマザーであるレイチェルは、幼い息子を女手一つで育てながらストリッパーをして生計を立てていました。元締めに騙されたレイチェルは夜逃げを図ろうとして暴行を受け、逆上して元締めを殺してしまいます。
サミュエルはレイチェルと息子をビジネスホテルに匿い、彼女から「心像」を受け取って指定された場所に向かいました。しかし、その場に現れた「導き」の女神・ジャクリーン(ジョアンヌ・ウォーリー)は「心像」を粉々に砕き、これはただの“殻”であること、中身はレイチェルが持っていることを告げました。
レイチェルの元に引き返したサミュエルは、彼女から息子が「欺き」の女神にさらわれたと知らされました。記憶を取り戻したレイチェルは、実は自分もまた女神のひとり「情熱」であることを伝えました。
レイチェルは恋愛も出産も禁じられているミューズの掟を破って息子を産み、そのことにより力の源である「心像」を奪われて普通の人間として暮らしていたのですが、唯一自分に味方してくれたリディアが「心像」を取り戻してくれ、リディアはそのことがバレて粛清されていたのです。
ミューズを止めるためには全ての女神と命を共有している「秘匿」の女神を倒すしか方法がないというのですが、常にどこかに隠れている「秘匿」はレイチェルですらも顔を見たことがないというのです。
ミューズ 悪に堕ちた女神の魂の結末
サミュエルはラウシェンが以前語っていたリディアの手紙に何かヒントがあると感じ、レイチェルと共にラウシェンの元へ向かいましたが、既にラウシェンは殺害されていました。
ラウシェンの元からリディアの手紙を回収したサミュエルは、スーザンに解読してもらおうと彼女の元へ向かいましたが、スーザンはミューズの「自分を貪る」という呪いをかけられて自傷行為に及んでいました。サミュエルはスーザンをベッドに拘束するとレイチェルに救急車を呼ばせ、その間にリディアの手紙を解読して手がかりは既に閉鎖されたボートレーン精神科病院の1007号室にあることを突き止めました。
ところが、救急車を呼びに行ったはずのレイチェルがなぜか戻ってきて、自分が呪いを解いてみせると言い出しました。しかし、部屋の外で待たされていたサミュエルは外で救急車を待っているレイチェルの姿に気付き、慌てて部屋に入るとスーザンはレイチェルに成りすました「欺き」の女神に殺されていました。
サミュエルとレイチェルは手紙に記されたボートレーン精神科病院の1007号室に向かい、ロッカーの扉に「永遠に愛すると誓う」という文字が刻まれていることに気付きました。奇しくもそれは1年前に自殺したベアトリスが死の直前にサミュエルに伝えていた言葉であり、そこでサミュエルとレイチェルはベアトリスこそが「秘匿」だったことに気が付きました。永遠の命を持つベアトリスは“自殺”することで自らの肉体を捨て、サミュエルの体内に入り込んでいたのです。
レイチェルはサミュエルに息子のことを託し、病院の物をかき集めて“白い輪”を作ると、サミュエルの腕を傷つけて中から「秘匿」を引き剥がしました。レイチェルが「秘匿」を白い輪に封印しようとしたその時、残りの女神たちがレイチェルの息子を人質に取って現れました。
レイチェルからナイフを託されたサミュエルはベアトリスの容姿をした「秘匿」を前に躊躇いますが、意を決して「秘匿」を刺し殺しました。他の女神たちも絶命し、レイチェルも命を落としました。サミュエルはレイチェルの息子を養子として迎え入れ、これまで経験したことを物語として残そうと筆を走らせ始めました。
以上、映画「ミューズ 悪に堕ちた女神の魂」のあらすじと結末でした。
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