顔役の紹介:1965年日本映画。高度成長期の中、東京、大阪に次ぐ埋め立て地の利権をめぐって『関東城政会』と『関西同志会』が睨みあっていた。『関東城政会』の会長から現場を任された中神は舎弟の早見らを連れ、現地に事務所を開くが、早速『関西同志会』の嫌がらせが始まり…という内容の任侠アクション映画です。鶴田浩二主演で、脇を高倉健、佐久間良子、三田佳子、富司純子、長門裕之らが固める豪華キャストの作品です。
監督:石井輝男 出演者:鶴田浩二(中神正治)、高倉健(早見恭一)、待田京介(染谷勇)、江原真二郎(宮田哲男)、アイ・ジョージ(桑原次郎)、佐久間良子(中神玲子)、三田佳子(柏田真弓)、富司純子(民子)、長門裕之(秋田吾郎)ほか
映画「顔役」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「顔役」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「顔役」解説
この解説記事には映画「顔役」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
顔役のネタバレあらすじ:起
関東を中心に勢力を持つ巨大組織の『関東城政会』の会合が東京で開かれます。幹部の花岡の進行で始まり、会長の檜山が話し始めます。ある地方の巨大埋立地の埋め立ての利権の説明でした。東京、大阪に次ぐ繁栄が期待される場所という説明をし、関西の大組織の『関西同志会』がこの利権を狙っていると言います。
そしてこの利権は必ず『関東城政会』が取るんだと声を上げます。そして呼ばれたのは中神でした。中神の舎弟の早見も同行すると、檜山はこの件はお前に任すと中神に言って東日開発の山脇会長を紹介します。
その夜、中神は早見を連れ、玲子の部屋に行きます。部屋には中神との赤ちゃんがいました。翌日、中神はメンバーとなった早見、宮田、染谷、桑原、安積を連れ現地に『中神建設』という事務所を開きます。
早速『関西同志会』の甲田組の連中が爆竹入りの花輪を持ってやって来ます。甲田組は立ち退きの漁師らに嫌がらせをして脅しをかけ、中神らを包囲していました。
顔役のネタバレあらすじ:承
手をこまねいていた中神は、元兄弟分で今では堅気になりバーを開いている柏田に会います。そしてこの漁師町を仕切っていた大家分で、今は漁労長で顔役の小杉に合わせてくれと頼みます。
その時、甲田組と癒着していた町の職員が自殺したことを知ります。甲田組とは一切会わなかった小杉が中神に会いました。中神は小杉に入札を『関東城政会』の落としてくれと頼みますが、小杉は返事をしませんでした。
そのころ早見は市長が3000万円の自宅を建てた話を聞きます。早速市長に会い、家の事をネタにして甲田組の癒着をにおわせて脅します。そこへ柏田の妹で幼稚園の先生をする真弓が入ってきました。真弓は早見の顔を見るなり飛び出しましす。後を追った早見は真弓と会います。真弓はもともと早見の女でした。しかし早見が3年間地方の支部長で行っている間、音信不通になり疎遠になっていました。
そのころ話が進展しない事で、宮田と早見の仲が険悪になっていました。
顔役のネタバレあらすじ:転
中神が小杉に呼ばれ、埋め立てを『関東城政会』に任すと言います。そして市長が甲田組と過ちを犯したことを伝えます。そして漁師らの為に奔走してきた市長を助けてやってくれとも言います。
埋め立て工事が始まると、新聞記者で真弓の彼氏の吾郎が、真弓に「埋め立ての土は酪農用ではなく、住宅地用の土で農業をしようにも栽培できない土だ」と言います。真弓は早見が絡んでいることから、記事にするのを少し待ってくれと頼みます。
柏田に相談した中神は、土の供給が東日開発からだと知ってハメられたと気づきます。小杉に呼ばれた中神は、指を詰め小杉に差し出しますが、逆に小杉に「そんな時代じゃない!」と言って叱責されます。そして再度頼むと言われ、中神は埋め立てを中断させ、檜山に会いに行きます。
檜山に埋め立てのやり直しを頼みますが、そのままやれと言われます。更に山脇会長からは、どうせベッドタウンになるんだと言われ、騙されていたことを確信します。納得できないまま帰る中神を見て、あいつはもう使えないと花岡が言います。現場では、宮田が不在中に甲田組によるトラックの放火が行われました。
顔役の結末
宮田が甲田組に殴り込みをかけると言って染谷、安積、桑原に計画を話し、実行させます。甲田組の事務所を襲い甲田を殺すものの、宮田の策略で3人は銃撃を受けます。死んでいなかった桑原が帰って来て宮田を殺します。
東京では『関西同志会』の殺し屋が檜山を殺します。早見は山脇を脅し、土の入れ替えを認める念書を書かせます。檜山の葬儀が終わると、花岡が跡を仕切ると言い出します。中神が怒り、仕切るのはオレだと言うと、長老や幹部は納得しますが、花岡が中神の舎弟の早見が、山脇を脅したこと、新しい組を現場に作ろうとしている事を話します。
長老は中神に拳銃を渡し、けじめをつけて来いと言います。中神は玲子と子供に別れを告げ、家を出ました。そして早見に「一緒に死のう」と言います。嫌がる早見を説得していると花岡らがやって来ます。二人を殺しに来たものの、中神と早見は花岡らを射殺します。
現場では『関東城政会』と『関西同志会』の総勢が睨みあっていました。その場で中神は仁義を切り、銃弾の一発入った拳銃を早見に渡し、お互いに撃ちあいます。早見は撃たず、中神の銃弾が早見に命中し、早見は死にました。これを見た『関西同志会』は、埋め立てからは手を引くと帰って行くのでした。
以上、映画「顔役」のあらすじと結末でした。
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