グランド・ジャーニーの紹介:2019年フランス,ノルウェー映画。クリスチャンは少々変わり者の気象学者で鳥類保護活動家。フランス・カマルグで渡り鳥、ガンの研究に夢中だ。超軽量飛行機ULMを使い、渡り鳥に安全に飛行ルートを教えるという無謀で誰もがあきれるプロジェクトを実行しようとしていた。そんな父を持つ思春期の息子トマはこの大自然に預けられることになった。室内にこもりきりのトマと父クリスチャンの心の交流を描く。モデルとなったクリスチャン・ムレクは脚本にも参加し、ガンや飛行を担当した。CGはほとんど使わずに、大自然をガンと共に飛行するリアルな映像もみどころのひとつ。
監督: ニコラ・ヴァニエ 出演:ジャン=ポール・ルーヴ(クリスチャン)、メラニー・ドゥーテ(パオラ)、ルイ・バスケス(トマ)、フレデリック・ソレル(ビョルン)、リル・フォッリ(ディアンヌ)、グレゴリー・バケ(ジュリアン)、ドミニク・ビノン(ビチョン)、アリアンヌ・ビリー(ジャンヌ)、フィリップ・マニャン(メナール)ほか
映画「グランド・ジャーニー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グランド・ジャーニー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グランドジャーニーの予告編 動画
映画「グランド・ジャーニー」解説
この解説記事には映画「グランド・ジャーニー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グランドジャーニーのネタバレあらすじ:起
母とその恋人ジュリアン(グレゴリー・バケ)と暮らす14歳のトマ(ルイ・バスケス)は、夏休みを迎え部屋にこもり毎日オンラインゲームに没頭していました。そんなある日、トマは母パオラ(メラニー・ドゥーテ)の仕事の都合で離れて暮らす父クリスチャン(ジャン=ポール・ルーヴ)のもとで、5週間過ごすことになりました。
父のクリスチャンは変わり者の気象学者で、フランスのカマルグでガン(雁)の研究をしており、そこで超軽量飛行機ULMを使い、渡り鳥に安全なルートを教えるという誰もが無茶だとあきれるプロジェクトを実行しようとしていました。
そんな父と大自然の中で過ごすことや、Wi-Fiや携帯の電波が入らないような場所などトマにとっては悪夢でしかありません。暇を持て余したトマは仕方なく父の本棚にあった『ニルスのふしぎな旅』を手にしてページをめくるのでした。
グランドジャーニーのネタバレあらすじ:承
間もなく、クリスチャンが大切に育てていた卵から、ガンのひなが次々と産声をあげながら殻を破りました。ひな鳥は生まれて最初に目にするものを親だと思う習性があるため、クリスチャン親子は茶色のローブをまとい親鳥になったつもりで見守ります。
これにはトマも感動を隠せず、手違いで紛れこんだ種類の異なるカオジロガンに「アッカ」と名付け、特に可愛がりました。
鳥たちの世話を行ううちに、自然嫌いだったトマはすっかり親の顔になっていきました。小さかったひな鳥たちも今は立派なガン。ついに鳥たちと飛ぶ日がやってきました。
ラップランド自然保護区。ここが鳥たちのスタート地点となります。クリスチャンは友人ビョルンを伴い、トマと共に車で到着。施設で鳥たちの血液検査を行います。保護区の責任者から検査に8日間かかると言われ、キャンプをはって結果を待つ一行。
しびれを切らした10日目、ようやく責任者がやってきました。しかしクリスチャンが提出した許可証が問題となり、中止を命じられました。クリスチャンはプロジェクトを強行するために許可証を偽造していたのでした。鳥を没収すると言われ、あきらめかけたその時、トマが飛行機をひとりで発進。鳥たちもトマの後を追って羽ばたきました。
グランドジャーニーのネタバレあらすじ:転
トマは父との訓練を思い出しながら飛行機を操縦し、近くの湖に無事に着水。両親の心配をよそにGPSのバッテリー確保のため携帯電話をオフにして休みました。
再び飛び立ち、残りわずかになったガソリンを確保するために降りた浜辺で、地元の少女が好奇心で近づいてきました。言葉は通じないものの事態を察した少女は父親のもとへ案内し、燃料を分けてもらうことができました。別れ際、名前を訪ねられたトマは「ニルス」と名乗りました。少女は鳥たちと一緒に飛んでいく“ニルス”に大きく手を振り、その姿を動画におさめました。
その動画はSNSに投稿され、再生回数はたちまち15万回に。それを見た両親はすぐにトマを追いかけますが、同時に保護区の責任者も動き出しました。鳥たちのおかげでいち早く追っ手に気付いたトマは、間一髪のところで大空へ発ちました。今やトマは鳥たちと心までが一体となっていました。
しかし、喜んだのも束の間。雲行きがだんだん怪しくなったかと思えば、たちまち嵐に見舞われてしまいました。雲の上まで飛行するトマと鳥たち。トマは飛び疲れたアッカを上着の中へ入れて飛行を続けます。
グランドジャーニーの結末
立ち寄る港町で、トマを撮影する人が次々と動画をネットにアップし、トマはすっかり有名人となりました。優しい人々から燃料や食料を分けてもらい応援されながら両親が待つフランスへと向かいます。しかしトマの体力は限界に達していました。
最後の力を振り絞ってゴールへ向かうトマ。そして、ついに帰還を果たしました。海岸でトマの到着を心から喜び、温かく迎える両親。安堵したトマはどっと押し寄せる疲労と脱水症状でその場に倒れてしまいました。
病院で目覚めたトマは、プロジェクトが中止になり鳥たちは翼を切られてしまうことが告げられました。すっかり肩を落としてしまったクリスチャンとは反対に、トマと母パオラはどうしてもあきらめきれません。クリスチャンには退院が延びたと嘘をつき、息子を連れだすパオラ。そして改めて鳥たちと飛行し、一体感を感じるトマでした。
メディアに取り上げられるトマを見て世間も動きました。かつてはクリスチャンに非協力的だったセンター長や友人たちの協力により、プロジェクトが続行できることになったのです。
こうして迎えた3月。プロジェクトが成功していたら、鳥たちがここカマルグに戻ってくる予定です。クリスチャン親子とビョルンはまだかまだかとキャンプを張って鳥たちを待ちます。
そして、ついに鳥たちが姿を現しました。歓喜に沸く一同。プロジェクトは成功し、父子と渡り鳥たちの驚くべき冒険は幕を閉じました。
ヨーロッパではこれまでの30年間で、総数の3分の1に値する4億羽の野鳥が姿を消しました。特に、本作に登場するカリガネという種類のガンは絶滅の危機に瀕しています。
以上、映画「グランド・ジャーニー」のあらすじと結末でした。
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