8番目の男の紹介:2018年韓国映画。2008年韓国で初めて導入された国民参与裁判制度。無作為に選ばれた8人が1つの案件に挑んでいく様を描いています。実話を元に作られているのでそこに至る経緯や、制度ならではの展開がリアルに描かれているのも注目すべき所です。
監督:ホン・スンワン 出演:ムン・ソリ(キム・ジュンギョム / 裁判長)、パク・ヒョンシク(クォン・ナム / 陪審員8)、ペク・スジャン(ユン・グリム / 陪審員1)、キム・ミギョン(ヤン・チュノク / 陪審員2)、ほか
映画「8番目の男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「8番目の男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
8番目の男の予告編 動画
映画「8番目の男」解説
この解説記事には映画「8番目の男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
8番目の男のネタバレあらすじ:起
2008年に韓国で初めて国民が裁判員として選ばれて判定を下す陪審員制度(国民参与裁判制度)が導入されました。
時間がなかったため選ばれたクォン・ナム(パク・ヒョンシク)を含めて、8人の陪審員が説明を受けて、ある事件に挑むことになりました。それは犯人が自供し罪も認めているので懲役年数を決めるだけの簡単なものだと予め言われていました。
韓国で初の制度導入ということで世間の注目度も高まっていました。キム裁判長(ムン・ソリ)の会見も終わり、陪審員達が入廷します。被告人カン・ドゥシクは母親を口論の末殺害し、ベランダから突き落としてそれを事故に見せかけていたのです。
弁護士はドゥシクの反省している様子から、これは故意のものではないと訴えますが、ベランダの柵は高くどう考えても偶発的に起こる事故とは思えないものでした。しかも事件には目撃者がいました。突き落とす現場を目撃した警備員が母親の元に駆けつけた時にはすでに母親は亡くなっていたのです。
ドゥシクと母親は働けなくなった母親の給付金を巡って口論が絶えなかった。何より火事により障害を負ってしまったことで不仲になっていたと検事は話します。
8番目の男のネタバレあらすじ:承
やがて検事はドゥシク宛に手紙を読ませ始めますが「お前らが書かせたんだろう!」と苛立ちを見せると、何も覚えていないとドゥシクが黙秘を始めたので、一時休廷となりました。
このまま続行すれば有罪・無罪の決断をしなければならなくなる。このまま休廷をして考えるとの意見も上がりましたが、続行で意見が纏まりました。
6番目の陪審員が仕事の経験上、凶器の傷がハンマーだとは思えないと意見します。ドゥシクは義手なのでそもそもハンマーを振り下ろせたりするものなのか?クォン・ナムが疑問をぶつけます。裁判長の許可を得て検証してみることにしました。
ドゥシクが振り下ろしたハンマーはあらぬ方向に飛んでいき、裁判長に当たってしまいます。そんなトラブルが起こってしまい、裁判長が怪我をしたため休廷かと思われましたが、裁判長は続行を告げます。
8番目の男のネタバレあらすじ:転
検証した結果も、ドゥシクがわざとハンマーを放したとも言え、決定的なものが見つかりません。韓国初の陪審員裁判はいきなり長丁場になっていきます。初めは判決だけ告げればいいと思っていた陪審員達も、少しずつ事件に真剣に向き合い始めるのでした。
供述書から、ドゥシクが母親からもらった義手をとても喜んでいたという話が出てきて、親子の不仲も証明出来るものがなくなります。目撃者である警備員も目が悪く、その日が雨だったことから目撃証言も怪しくなってきました。
しかし現場検証の許可を得て同条件で見てみた所、雨の中でもはっきり見えていました。結局、確たる証拠は揃わず判決の時が迫ってきました。
8番目の男の結末
裁判長はドゥシクを金銭目的の殺人として懲役25年を告げ、陪審員達は判を押していきます。納得のいかない声も上がりましたが、最後は裁判長自らが判を押し、裁判を終わろうとしたその時、クォン・ナムがある違和感に気づきました。
先にドゥシクが読んだ手紙の筆跡と現場検証の際に書いたドゥシクの筆跡が違う。おそらく先の手紙は母親が書いたもので、ドゥシクのではない、母親は本当に自殺をしていて、後頭部の傷は頭を打ち付けて出来た傷だったのです。ドゥシクは本当は自殺しようとしている母親を助けようとしていた、しかし義手がすっぽぬけたことで転落してしまったのです。
新たな可能性に気づき、ハンマーで殺害した証拠もなく、抵抗した跡もない。自殺の線がどうしてもぬぐいきれないことから、懲役から一転、無罪判決となりました。
「疑わしきは罰せず」この制度のもとでは無罪の確率が通常の裁判の3倍となっています。これにより国会ではこれに関する制度改正の声が上がっています。
以上、映画「8番目の男」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する