奴隷の島、消えた人々の紹介:2016年韓国映画。2014年に韓国で実際に起った新安塩田奴隷事件を題材にして作られた作品。映画では奴隷事件に絡め、凶悪殺人犯が障害者に扮して作業員として暮らしているという設定で、奴隷事件を調査に来た女性記者が巻き込まれてしまう内容です。POV手法で撮影されたフェイクドキュメントで、見ごたえのある1本です。
監督:イ・ジスン 出演者:パク・ヒョジュ(イ・ヘリ)、ペ・ソンウ(イ・サンホ)、イ・ヒョヌク(ソフ・クン)、リュ・ジュンヨル(ジウ・ホ)、チェ・イルファ(ホ社長)ほか
映画「奴隷の島、消えた人々」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「奴隷の島、消えた人々」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
奴隷の島、消えた人々の予告編 動画
映画「奴隷の島、消えた人々」解説
この解説記事には映画「奴隷の島、消えた人々」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
奴隷の島、消えた人々のネタバレあらすじ:起
イ教授らは、塩田の島での殺人事件について、所有者であるホ社長の犯行だと話を進めています。この事件は二人の刑事が見るビデオ映像で決め手になりました。記者のイ・ヘリがカメラマンのソフ・クンを連れて始めた取材でした。
イ・ヘリは塩田の島で働いていたチョン・ウンテクの家に行きます。母親が出てきて、息子のチョン・ウンテクの話を聞くものの何も話さず、家を出ます。家に入り込んだイ・ヘリは、「塩田はダメだ、二度としません…」と怯えて繰り返し叫ぶ言葉を聞きます。
次に医師に会ったイ・ヘリは「島で働いていた青年が暴行を受けて、賃金も払ってくれず、奴隷のように扱われた」という話を聞きます。イ・ヘリは塩田のある島を探して向かいます。しかし、島へ行く船は出ておらず、漁船に頼んで島を探します。
やっと見つけた塩田の島で漁師たちに話を聞きます。塩田の話をすると「黄色いタンクのある家が、塩田の所有者だ」と言われ、二人は歩きます。夕方になり、泊まるところを探すため老婆に話を聞くと「旅館は無い」と言われ、老婆の家に泊めてもらいます。
老婆にも塩田の話を聞くと「外の人が首を突っ込むんじゃない」と言われます。翌朝、二人は、塩田を見てまわります。漁師が言っていたように冬場は作業はしていませんでした。やがて黄色いタンクを見つけると、中に入って行きます。
奴隷の島、消えた人々のネタバレあらすじ:承
撮影しながら作業員に話を聞いていると、社長の息子が出てきて「撮影するな!帰れ」と言って追い出されます。その後も作業員に話を聞きます。7年間ここに居るという男性は「給与は確認していないが、振込だと聞いた」と言います。その服はボロボロで、真冬なのに靴下も履いていませんでした。なおも撮影を続けていると、ホ社長が出てきて突き飛ばされ、敷地内から追い出されました。
そこでイ・ヘリは目立たないように、カメラを持って一人で取材を始めます。怪我をしたイ・サンホを見つけて手当てをしてやります。「暴行を受けたの?」と聞くイ・ヘリにイ・サンホは何も言いませんでした。
一旦島を出た二人は本土の警察に向い、事情を話します。警官は「幸せに暮らす小さな島だ。よほどの証拠がない限り調べることはできない」とイ・ヘリの訴えを退けます。それではと役場に行っていろいろ話をしますが、管轄が違うなどと理由を付けられ、たらいまわしにされます。
「二人では何もできない」と言うソフ・クンに対し、イ・ヘリは「証拠を集めて警察を動かす」と言って、二人は再び島に向かいます。最初は気さくに話してくれた漁師も、塩田の賃金や作業員の話をすると黙り込んで立ち去りました。
老婆の家に行くと、再び「他人の人権に首を突っ込むな」とクギを刺されます。再度家に乗り込んだ二人は、チョン・ウンテクとイ・サンホの雇用契約書を見つけて盗みます。どちらの契約書も、賃金や雇用期間などは空欄で、後で書き換えられるようになっていました。
奴隷の島、消えた人々のネタバレあらすじ:転
その夜、ソフ・クンの妻ジナから妊娠の報告がありました。ソフ・クンは喜び「明日帰る」と連絡します。イ・ヘリの入浴を覗いていたイ・サンホをソフ・クンが叱りつけます。
イ・ヘリはイ・サンホに話を聞かせてと言います。「暴行は無い、静かにここで暮らしたい」というイ・サンホを見て、イ・ヘリはソフ・クンに「あっちへいって。撮影やめて」と言います。そして「撮影はしないから話して」と言うと、イ・サンホは「ここに15年間いる」と言いながら、社長や息子から受ける暴行の話をしました。ソフ・クンは部屋の隙間から隠れて動画を撮っていました。
部屋に戻ったイ・サンホを見て、ソフ・クンが「警察に通報しよう。撮影した」と言うと、「撮影しないと約束したからダメ」と言います。しかし「最終的にイ・サンホの幸せになる」というソフ・クンの言葉により、本土の警官を呼びました。
翌朝、警官がやって来ました。広場に社長と息子、イ・サンホや従業員が集まります。警官はイ・サンホのアザを見て話を聞きました。イ・サンホは「僕はよそ見ばかりするので転んだ」と言います。イ・ヘリは「なぜ正直に言わないの?」と言って、ソフ・クンの動画を見せます。警官は「あんたが色仕掛けでしゃべらせたんだろう」と言うと、同僚の作業員も「転んだのを見た」と言い出しました。
警官と社長らが癒着していることがわかり、イ・ヘリは「広域捜査官に連絡した、もう少しで捜査隊が来る。調べればわかることだ」と言います。その時、知り合いの刑事から「イ・ソンホはキム・ミョンチョルという男に連れて行かれた。家族から捜索願が出ている」と電話がありました。イ・ヘリは「あなたには家族がいたのね」とイ・サンホに言います。
動画はここまででした。
奴隷の島、消えた人々の結末
その後、この島では惨殺事件が起こり、ソフ・クンや作業員4人が殺され、イ・ヘリは重傷を負いました。
事件発生20日後、この映像が発見されました。30日後、社長と息子の遺体が塩田で見つかりました。ネット上では、真犯人はイ・ヘリだと炎上。イ・ヘリが男を誘惑し、全員を殺させ、最後に男を殺したと盛り上がっていました。
40日後、刑事が少し回復したイ・ヘリに殺された人たちの写真を見せます。イ・ヘリはあの日の事を思い出します。・・・刑事から「以前起こった連続殺人事件の犯人と言われるのがキム・ミョンチョルで、今イ・サンホと一緒にいるかもしれない。確認してくれ」と言って画像を送ります。するとイ・サンホは別人でした。そしてキム・ミンチョルこそイ・サンホ本人でした。イ・サンホを殺し、イ・サンホになりすまして、捜査を逃れてこの島で暮らしていたのです。
そこへキム・ミンチョルがやって来ました。「静かに暮らしたいと言ったのに」と言って、イ・ヘリの頭をスコップで2発殴ります。カメラを奪って壊すと「バカのふりをするのはヤメた」と言って、作業員や、ソフ・クンを次々殺します。
「イ・サンホを殺せ」と社長が息子に話しています。しかしキム・ミョンチョルは背後から二人を殺しました。
2か月後、警察は社長と息子が証拠隠滅のため、作業員らを殺害し、最後は親子で仲間割れしたと断定しました。
5カ月後、ソフ・クンの墓を見舞ったイ・ヘリは、警察に電話して「あの事件の事を話します」と言うのでした。
以上、映画「奴隷の島、消えた人々」のあらすじと結末でした。
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