気狂いピエロの紹介:1965年フランス,イタリア映画。ヌーヴェルヴァーグの金字塔にして、ジャン=リュック・ゴダールの最高傑作。「ピエロ」と呼ばれる男性フェルディナンは、金持ちの妻との退屈な夫婦生活に嫌気が差していた。そんなある日、かつての恋人マリアンヌと再会する。以前にも増して美しい彼女に惹かれたフェルディナンは、そのまま一夜を共にしてしまった。ところが翌朝、目を覚ましたフェルディナンは、見知らぬ男の遺体を発見し驚く。フェルディナンはマリアンヌと共に逃避行を始めるが、それは破滅へと向かう旅路だった。別題は「ピエロ・ル・フ」。
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演者:ジャン=ポール・ベルモンド(フェルディナン・グリフォン)、アンナ・カリーナ(マリアンヌ・ルノワール)、グラツィエラ・ガルヴァーニ(フェルディナンの妻マリア)、ダーク・サンダース(マリアンヌの兄フレッド)、ジミー・カルービ(小男)ほか
映画「気狂いピエロ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「気狂いピエロ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
気狂いピエロの予告編 動画
映画「気狂いピエロ」解説
この解説記事には映画「気狂いピエロ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
気狂いピエロのネタバレあらすじ:起
舞台は1960年代のフランス、パリ。フェルディナン・グリフォンは、裕福なイタリア人の妻マリア、そしてまだ幼い娘と共に豊かな生活を送っていました。しかしその恵まれた生活がフェルディナンには退屈でしかなく、離婚することすら面倒で、空虚な毎日が続いています。
そんなある夜、フェルディナンは嫌々パーティーに出席することになりました。娘の子守として友人フランクの姪、マリアンヌ・ルノワールがやって来ます。フェルディナンには、マリアンヌがフランクの姪でないことが分かっていました。彼女は5年半前に別れたフェルディナンの恋人だったのです。マリアンヌは以前にも増して美しく、魅力的になっていました。
渋々家を出たフェルディナンは、退屈なパーティーに嫌気が差して1人先に帰宅します。そして家で待っていたマリアンヌを車に乗せ、彼女の家に向かいました。2人は色々なことを語り合い、互いにまだ愛していると確認します。
気狂いピエロのネタバレあらすじ:承
マリアンヌはフェルディナンのことを「ピエロ」と呼んでいました。フェルディナンはその度に訂正します。マリアンヌを自宅に送り届けたフェルディナンは、そのまま彼女と一夜を共にしました。
翌朝。目を覚ましたフェルディナンは、マリアンヌが用意してくれた朝食を上機嫌で食べます。しかし彼女の家には異様なものがありました。ハサミを首に突きたてられた男の遺体です。マリアンヌに聞いても、後で説明すると言うばかりでした。
2人は罪から逃れるため、着の身着のままで家から飛び出します。そこから不毛な逃避行が始まりました。2人はガソリンスタンドで従業員に暴行を加え、ガソリン代を踏み倒します。更に事故に見せかけて車を燃やしたり、盗んだりして逃げ続けました。マリアンヌは、南仏に住む兄フレッドを訪ねようと提案します。
気狂いピエロのネタバレあらすじ:転
逃避行の末、フェルディナンとマリアンヌは海辺で2人きりの生活を始めました。文学を愛するフェルディナンは本を何冊も買い求め、読書に没頭しています。創作のような日記も書いていました。フェルディナンにとっては不満の無い生活でしたが、マリアンヌは退屈でなりません。
うんざりしたマリアンヌは、ここを出たいと言い出しました。2人は金を稼ぐため、アメリカ人相手にベトナム戦争をテーマにした芝居を披露します。金を多めに奪ったマリアンヌは、我慢出来ずに街に戻りました。
フェルディナンが1人で過ごしていると、マリアンヌから助けを求める電話がかかって来ます。フェルディナンが慌てて駆けつけると、室内にはハサミで首を刺された小男の遺体がありました。フェルディナンが動揺していると、2人組のギャングが現れます。
気狂いピエロの結末
彼らは自分達の仲間を殺害し、金を奪って逃げたというマリアンヌを探していました。マリアンヌの悪事を知らないフェルディナンは、拷問の末に解放されます。心身ともに疲弊しつつも、フェルディナンはマリアンヌを探し続けました。
フェルディナンとマリアンヌの再会はトゥーロンの港でした。マリアンヌの方もフェルディナンを探していたと言います。彼女はフレッドと合流していました。フレッドは武器の密売を行っているらしく、マリアンヌに請われてフェルディナンもギャングとの取引に加担させられます。
しかしマリアンヌは金を受け取ると、フェルディナンを置き去りにしてフレッドと逃げてしまいました。フェルディナンは2人を追いかけ、射殺。その後、顔に青いペンキを塗りたくり、ダイナマイトの束を巻きつけます。マッチの火が導火線に移り、慌てて消そうとしても間に合いませんでした。ダイナマイトが爆発し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「気狂いピエロ」のあらすじと結末でした。
こういうことを書くと読者様を裏切るようで心苦しいのだが、私は学生の頃から何度もこの映画を観て、どこがそんなにいいのかよく分からない。
読者諸兄姉のなかで、この映画の良さを的確に語れる方がいらしたら是非書き込みをお願いしたい。
しかしなんといっても、ヌーベルバーグの金字塔と謳われるこの映画である。
ゴダールの最高傑作と称えられるこの作品である。
強いていえば,自分も気狂い野郎になったつもりで書けば,少しはこの映画の魅力に近づけるかもしれない。
“ピエロ”ことフェルディナン(ジャン・ポール・ベルモンド)は、一風変わった野放図野郎で、金持ちの女と家庭を持ち、子供もいるのに、さしたる原因もなく2人とおさらばし、昔の恋人マリアンヌとよりを戻すと、2人で南フランスへ向かう。
かっぱらった車を走らせ、ガソリン代を暴力で踏み倒し、道中はやりたい放題である。
南仏に着くと、ミュージカル映画の主人公のように生活を楽しみ、本を楽しみ、小説もどきを書いて、こちらでも子供みたいにやりたい放題なのだ。
しかしマリアンヌは、退屈してもううんざりし、とうとう街へ戻ってしまった。
ところがフェルディナンのもとに突然マリアンヌから助けを求める電話があり、駆けつけるとギャングに捕まって拷問を受ける始末。
マリアンヌはギャングの仲間を殺し、金を奪って逃げたらしいのだ。
フェルディナンはやっとマリアンヌと再会するが、マリアンヌにまた裏切られ、かっとなって一発ぶち込んで殺してしまう。
自分もこれ以上生きていられないと思ったフェルディナンは、身体中にダイナマイトを巻き付け、自爆しようとする。しかし、さていざ火をつけたらその途端怖くなったがもう遅い。
彼の体は木っ端微塵に地中海へと吹き飛んだ。
「見つかったよ」
「何が」
「永遠が。それは太陽に溶け込む海」
彼の愛した芸術から、最後にランボーの詩だけがナレーションでつぶやかれる。
それで終わりだ。
この作品の本当の魅力って何だろう。
どなたか是非教えていただきたい。