風立ちぬの紹介:1976年日本映画。大戦中の国内で、徴兵にかられた学生と、余命あとわずかと宣告された女学生の純愛を、人気絶頂の山口百恵、三浦友和野コンビで描く青春ドラマです。山口百恵主演文芸作品第5弾で、1976年邦画配給収入ランキングの6位になった大ヒット作です。
監督:若杉光夫 出演者:山口百恵(水沢節子)、三浦友和(結城達郎)、芦田伸介(水沢欣吾)、河津清三郎(結城庸平)、小夜福子(三浦しの)、松平健(大浦茂春)、夏夕介(中山利夫)、笠井うらら(井上花子)、東恵美子(小森夫人)ほか
映画「風立ちぬ(1976年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「風立ちぬ(1976年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「風立ちぬ(1976年)」解説
この解説記事には映画「風立ちぬ(1976年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
風立ちぬのネタバレあらすじ:起
昭和17年、軽井沢の水沢欣吾(芦田伸介)の別荘に、大学生の大浦(松平健)や高校生の結城達郎(三浦友和)らが集まっていました。大浦らは食事会という名目で集まっていますが、達郎だけは、欣吾の娘で高校生の節子(山口百恵)が目当てでした。
そんな時、大学に6年間通っている大浦に徴兵が回って来ます。学生は徴兵猶予がありますが大浦は高校も5年通い、大学生でありながら26歳であったため決まったものでした。
ある日、節子に叔母から見合いの話がきます。嫌がる節子に、父の欣吾は「会うだけでも会ってやれ」と言いますが、その前に叔母が見合い相手を連れてきて、二人で家の別荘の周りを歩かせます。丁度通りかかった大浦が、気まずそうな達郎を見て「一丁やってやるか!」と言って、節子の元に行くと「節子さんの学校が火事です、早く行ってやってください」と芝居をします。
こんなことがあり、この縁談は流れました。その後、節子が達郎に会うと、達郎が「東京の大学を受けることにした。でも必ず帰ってくる。それと大浦さんが戦争に行ったので、もう芝居は出来ない」と言うと、節子が「今度は結城さんに壊してもらいたい」と言い、達郎も「僕で良かったら何度でも」と言います。この時、達郎は節子の気持ちを感じ取りました。
そんな節子に、今度は父の欣吾から見合い話がやってきます。節子は達郎に会い「また縁談が来た、お父さんが乗り気だから結城さんに壊してもらいたい」と言います。達郎は「僕がお父さんに会いに行く」と言います。
風立ちぬのネタバレあらすじ:承
家に帰った達郎は兄の真次郎に、節子と結婚したいことを打ち明けます。真次郎は「お前はいずれ戦争に行く。いつ死ぬかわからない男にその女性を守れるか?」と説得されます。納得のいかない達郎でしたが、中山(夏夕介)が家に来て「大浦さんが戦死した」と聞かされます。
達郎はその足で節子の父、欣吾に会いに行きます。達郎は「本当なら今日は節子さんとの結婚を許してもらうはずでした。しかし大浦さんの死を知って、僕もいずれ死ぬ事がわかった今、僕に節子さんを幸せに出来るわけがない。なかったことにしてください」と言います。欣吾は「わかった」と言った後、「この戦争は必ず負ける。絶対生き延びるんだ」と力をこめて話します。
この日以来、節子に会いに行かなくなった達郎に、節子から頻繁に電話がかかるようになりました。達郎は「信州の実家に帰ったと言っておいてくれ」と頼みます。一方、欣吾は節子に達郎と会った事を話し「彼の気持ちを分かってやるんだ」と言います。しかし節子は「私は嫌です。あの人は生きています。あの人の未来があるなら、なおさらあの人の側にいてあげたい。生きている間は2年でも3年でも」と言います。
その時、節子が咳き込んでうずくまりました。欣吾は知り合いの医師に節子を見せます。医師は「結核だ。結核を治すには富士見高原の療養所に行きなさい」と言います。しかし節子は療養所には行かず、家で療養することにします。
風立ちぬのネタバレあらすじ:転
達郎の生活は荒れていました。毎晩のように友人と酒を飲んだくれています。一緒にいた中山が「女の体も知らずに死ぬのか?」と言って、女郎宿に連れて行きます。しかし、達郎には出来ませんでした。
ある日、欣吾が達郎にばったり会い、コーヒーに誘います。欣吾は達郎に節子の病気の話をします。そして「この冬がこせるかどうかわからない。君は未来が見えないからと言ってあきらめたが、今度は節子の未来が見えない」と言います。驚いた達郎は「僕が戦地にいくまで側に居させてください」と頼みます。欣吾が「感染するから・・・」と言うと、「これ以上自分に嘘はつきたくない」と達郎が言います。
節子に会いに行く達郎に、節子はお手伝いのしの(小夜福子)に「帰ってもらってください」と告げます。涙目で帰る達郎を窓から見ていた節子が泣いていました。自宅で父の庸平に節子との結婚を猛反対された達郎は、しのに頼み込んで水沢の家に上がりこみます。
そして節子に会うと「移るから側に寄らないで」と言います。達郎は「君のお父さんが、僕と節子さんが療養所に行くことを許してくれました。一緒に行ってくれますね」と言うと、節子も納得します。そして二人は富士見高原の診療所に向かいます。そのころ、欣吾に達郎の父から手紙が来ていました。「息子を返してください」とつづられた内容を、困惑した顔で読みます。
風立ちぬの結末
劣勢の戦火の中、達郎は学生の徴兵猶予撤廃の記事を新聞で読みます。そんな中、達郎の兄の真次郎の出兵が決まり、達郎も見送ります。庸平は真次郎を見送りながら達郎に節子との結婚を認めました。
達郎と節子は欣吾も交えて、病室で結婚式をあげます。そこへ中山は妻を連れてやって来ます。徴兵の事を節子に隠していた達郎でしたが、中山が「結城と同じ戦地に行くことになった」と言ってしまいます。その場の雰囲気が凍りつきました。
皆が帰った後、節子が「何日一緒にいられるの」と聞きます。達郎は「12月1日が出兵だからあと3日」と言います。達郎は「必ず帰ってくる、それまで生きるんだ。何があっても生きようとする意志を持つんだ。そして僕の分まで生きるんだ」と言います。節子は「私を本当のお嫁さんにして?」と訴えます。達郎は「必ず帰ってくる、その時まで・・・・」と言い、二人は長い間抱き合いました。
出兵の日、欣吾もやってきました。達郎は「必ず帰ってくる」と言って涙ぐんで療養所を後にします。達郎が居なくなって気力を失った節子の病状が悪化します。
翌朝、達郎が駅のホームから最後の別れを告げる為、欣吾に電話します。欣吾は「今朝、節子が亡くなった」と告げますが、ホームで出兵を祝う声で聞こえない達郎は、一方的に「節子に必ず帰って来るから頑張って生きろと伝えてください」と言って電話を切りました。
昭和21年。終戦を迎え、達郎は生きて帰って来ました。しかし節子はいませんでした。達郎は節子の想い出と共に生きる決意をします。
以上、映画「風立ちぬ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する