スパニッシュ・アパートメントの紹介:2001年フランス・スペイン映画。バルセロナにある国籍の異なる若者がシェアするアパートメント、そこで起こる日常の様々な事件をクラピッシュ監督が切り取る群像劇。
監督:セドリック・クラピッシュ 出演:ロマン・デュリス(グザヴィエ)、ジュディット・ゴドレーシュ(アンヌ=ソフィ)、オドレイ・トトゥ(マルティーヌ)、セシル・ドゥ・フランス(イザベル)、ケリー・ライリー(ウェンディ)ほか
映画「スパニッシュ・アパートメント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スパニッシュ・アパートメント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スパニッシュ・アパートメント」解説
この解説記事には映画「スパニッシュ・アパートメント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スパニッシュ・アパートメントのネタバレあらすじ:就業条件、スペイン留学
官庁に職が欲しいグザヴィエは父の紹介でシャルル・ペランの元を訪ねる。すると彼はスペイン語と、スペイン経済を学んだら、仕事のポストを用意すると約束した。彼はさっそく恋人のマルティーヌをフランスに置き去りにしたまま一年のスペイン留学を決行。しかし当初予定していた宿泊場所あてにならず、急遽、空港で出会った医師ジャン・ミッシェルに電話し、当面は止まらせてもらいながらアパート探しをすることにした。ジャンミッシェルは、奥さんが引きこもりがちなので、彼に一緒に連れて外へ出てくれるように頼んだ。グザヴィエは多国籍な人のシェアするアパートを見つけここのメンバーになりたいと思った。授業が始まったがバルセロナの大学は標準スペイン語ではなくカタロニア語で、同じ留学プランで来ているベルギー人の女の子はそれに抗議した。新学期と同時にグザヴィエもアパートシェアのメンバーに受かった。部屋に写真を飾っていると、写真に写った子供自分が小説家になりたいと彼に語りかけた。国籍のちがう5人と共同生活が始まる、それぞれにペースが違ったがそれに干渉はしない、ただ電話の横にはそれぞれの国の言葉で不在時のフレーズがそれぞれの言葉で書いてあった。
スパニッシュ・アパートメントのネタバレあらすじ:人妻と異国デート
ジャン・ミッシェルの妻アンヌ・ソフィ連れてサグラダファミリアへ行き、登ると、彼女は倒れてしまう。急いで帰宅すると、ジャン・ミッシェルが二人の馴れ初めを話そうと師、アンヌ・ソフィにも話すように促すが、なかなか話したがらない。彼女の一目惚れだった。イギリス人のウェンディの部屋で他のメンバードラッグを吸っていると、大家のククルルがやってきて学生はこりごり3月1までに出て行けと言われる所をグザヴィエがなんとかとりなした、しかし家賃を上げられそれを払うには新しいメンバーが必要になったので、ベルギー人のイザベルを紹介。彼女の所に遊びに来た女の子がいたことからレズビアンだと他のメンバーも知ることになる。イザベルはフラメンコの先生に誘惑されたことがきっかけで彼女と別れた。グザヴィエの所にもマルティーヌがやってくるが長くは一緒にいられないのに完璧な時にしようとするとマルティーヌは言って帰った。アパートでは勉強が出来ないので近くのバーの常連になったグザヴィエは、そこの店員にスペイン語を教えてもらい、スペインと言う土地柄に慣れ始めた。そして、そのバーへアンヌ・ソフィも連れて行った。
スパニッシュ・アパートメントのネタバレあらすじ:フランスの恋人、堪忍袋の緒が切れる
誕生日に帰国しなかったグザヴィエにマルティーヌはおかんむり。そしてその苛立ちを一行にバルセロナに馴染まないアンヌ・ソフィにぶつけて彼女を責めてしまう。女心を知りたいグザヴィエはイザベルにレクチャーを受け、アンヌ・ソフィと不倫関係になった。アパートにはウェンディの弟・ウィリアムがやって来た。当初真面目で夜遊びを嫌がったうウェンディも他のメンバーとクラブに行くようになり、そこで知り合ったアメリカ人と仲良くなり、イギリスに恋人がいるにもかかわらず良い仲になって行った。グザヴィエは自分も不倫をしているので口は出せなかった。ある日ウィリアムはドイツ人・トビアスの生真面目さをナチスドイツに例えて茶化し、激昂させてしまう。姉のウェンディも帰れと急かしたが帰らなかった。グザヴィエのところにはマルティーヌから他の男と付き合い始めたと電話があり彼はパリに会いに帰ったが、喧嘩別れしてスペインに帰国した。
スパニッシュ・アパートメントの結末:抜け殻のグザヴィエ
抜け殻になった彼は掃除も料理もせず、ソファでテレビを見る始末。ジャン・ミッシェルの脳神経科を訪れ検査されるさなか、フランス語がわからなくなる夢を見る。検査結果はただの過労。しかし、妻アンヌ・ソフィから不倫関係について聞いた。もう会わないでくれといわれてしまう。ウェンディはアメリカ人と寝ていると、そこにイギリスの恋人アリステアがバルセロナにサプライズでやってくると電話が入る。ばれるとまずいので、アパートのメンバーが帰ってくる。何とか彼がアパートに入ることを阻止しつつウェンディを起こそうとするがことごとく失敗。しかし彼がウェンディの部屋に入ると、ウィリアムがアメリカ人と寝てたフリをし、彼女はベッドの下に隠れていた。アパートのメンバーがハラハラするも、アリステアのドッキリは成功した事になった。一年が経ち、グザヴィエが帰国する前日、送別会が開かれる。アパートのメンバーは寄せ書きTシャツを貰った。帰国した彼は、母と昼食を食べ、もう一度、マルティーヌに会いに行くと。他の男と付き合い始めたのは嘘で。グザヴィエを傷つけたくて言っただけだった。彼は彼女と思い出を辿りながらモンマルトルと訪れ、別れた。就職試験に通って出勤一日目早くもやる気が起きないグザヴィエは、筋書きの無い未来を選んだ。それはかつて彼が望んだ物描きへの道で、彼はスペインでの共同生活を書き始める。
スパニッシュ・アパートメントのレビュー・感想:異文化集合アパート。
このアパートにはイギリス、イタリア、デンマーク、ドイツ、スペイン、そしてフランス、ベルギー、それぞれ別の文化やアイデンティティを持つ若者が集まって住んでいる。しかしキーになるのは言語で、イギリス人のウェンディはアメリカ人と深い仲になるし、フランス人のグザヴィエに最初に出来た友達はベルギーのフランス語圏出身のイザベル。また、アンヌ・ソフィの寂しさを埋めたのは同じフランス語を喋るグザヴィエだった。生活スタイルもそれぞれで、いわゆるお国柄が出ているのが面白い。冷蔵庫の区分けのシーンでそれはよくわかる。自分の領分をわかっている派と、品物が自分のだとわかれば大丈夫派などなど。それでもそれぞれを尊重しあうことで成り立っているこのアパートはヨーロッパの縮図を見ているようで面白い。
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