カポネの紹介:2020年アメリカ,カナダ映画。1940年代半ば、服役生活を終えたアル・カポネは、フロリダの邸宅で家族や友人たちと静かな隠居生活を送っていた。しかし、梅毒の影響により認知症は進行。暗黒街の顔役と恐れられたカリスマ性はすでに失われていた。一方、カポネを執拗に監視し続けるFBIのクロフォード捜査官は、隠し財産1000万ドルのありかを探り当てようと躍起になっていた。やがて病状が悪化したカポネは奇行を繰り返して妄想に取り憑かれていく。史上最も有名なギャングスター、アル・カポネの知られざる最晩年を描く。
監督:ジョシュ・トランク 出演:トム・ハーディ(フォンス/アル・カポネ)、リンダ・カーデリーニ(メエ)、マット・ディロン(ジョニー)、カイル・マクラクラン(カーロック医師)、ノエル・フィッシャー(息子)、ジャック・ロウデン(クロフォード捜査官)ほか
映画「カポネ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カポネ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カポネの予告編 動画
映画「カポネ」解説
この解説記事には映画「カポネ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カポネのネタバレあらすじ:起
1920年代、禁酒法時代のアメリカ。
シカゴで酒の密造や殺戮を繰り返して、一代で巨大な犯罪組織を築き上げたアル・カポネ。
しかし1931年、脱税で有罪判決を受け10年間の服役生活を終えたカポネには、かつて”暗黒街の顔役”と恐れられたカリスマ性はすでに失われていました。
1940年代半ば、フロリダ州パーム・アイランド。
カポネはここにある広大な大邸宅で、愛妻メエと息子、そして友人たちとともに穏やかな隠居生活を送っていました。
ところが生活資金は底をついていました。カポネの親族であるというだけで家族は仕事に就くこともできないため、カポネはかつての栄華の象徴でもあったコレクションの美術品を売って資金に変えるしかない状態でした。さらには、カポネが若い時に感染した梅毒の影響で認知症が進行。心身ともに衰えはじめていきました。
カポネのネタバレあらすじ:承
カポネ邸の周辺では常に監視の目がありました。
FBIのクロフォード捜査官は、カポネが病人を装っていると疑っていたためです。
執拗な監視や盗聴活動は、カポネの情緒不安定を引き起こさせ度重なる悪夢や幻影にうなされます。
ある日、そんなカポネのもとに幼馴染のジョニーがやってきました。懐かしい顔を見られて喜んだカポネはジョニーを釣りに誘いました。水上では警察の監視も逃れることができ、安心感からか、かつて刑務所に入れられる前に1000万ドルもの大金を隠したことをジョニーに打ち明けます。
隠し場所を尋ねられたカポネは、忘れたと言い、突然ショットガンでワニを撃ち殺すという奇行でジョニーを驚かせました。
カポネのネタバレあらすじ:転
カポネの病状は悪化の一途をたどっていました。ある夜、カポネは風船を手にした少年の幻影を見ました。この少年に隠し子トニーを重ねながら後を追うと、そこはきらびやかなパーティー会場でした。さらにかつての手下たちに導かれて迷い込んだのは、拷問が行われている部屋。
夢か現実かもわからないまま死の恐怖を垣間見たカポネは、部屋で倒れているところを発見されました。脳卒中を起こしていました。
これにより身体の一部が麻痺し、ろくに話せなくなったカポネのもとにカーロック医師が診察に訪れました。カーロック医師はリハビリの一環でカポネに絵を描かせながら1000万ドルの隠し場所を聞き出そうとします。FBIに弱みを握られていたカーロック医師は司法取引で誘導尋問を仕向けられていたのでした。
この頃からたびたび無言の電話がかかってきました。メエは電話の相手がカポネの隠し子トニーであることに薄々気付いていましたが、カポネは電話に出ませんでした。
カポネの結末
認知症が進行し、徐々に被害者妄想を募らせるカポネは、食事中に突然激高して用心棒ジーノを罵り、次第に現実と悪夢の境界線が曖昧になっていきます。
しかし、クロフォード捜査官はそれでもなおカポネの演技だと疑い、直接聞き込みを行います。素直に尋問を受けるカポネでしたが、その目に力は無く唸るばかりで会話にもなりませんでした。脱糞までしてしまい聞き込みは中断。大金の隠し場所は謎のままでした。
そしてついに事件は起こりました。狂気に駆られたカポネはマシンガンを握りしめ、豪邸に向かって撃ちまくりました。もう誰も信用できなくなっていたのです。たくさんの死傷者を出してカポネはやっと落ち着きを取り戻しました。
家財道具は次々運ばれ、ついにカポネが大切にしていた石像も姿を消しました。
静かな夜。テラスに座り何も無くなった庭を虚ろな眼差しでみつめていたカポネをある人が訪ねてきました。それはカポネの隠し子トニーでした。振り向く様子もないカポネの手を握りしめるトニー。その瞬間にカポネの目にかすかな力が宿りました。
その後、家族は名前を変えて転居。
しかし現在もカポネが隠したと言われている大金は見つかっていません。
以上、映画「カポネ」のあらすじと結末でした。
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