ミュージック・クバーナの紹介:2004年キューバ,ドイツ,日本映画。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年)」を手がけたヴィム・ヴェンダース監督が製作総指揮を執り、キューバ音楽の新時代を描くドキュメンタリー作品。タクシー運転手のバルバリートは、才能ある若いバンドのマネージメントを手がけていた。そんなある日、彼のタクシーにキューバ音楽界の巨匠ピオ・レイバが乗って来る。バルバリートはピオに一緒にバンドを作ろうと持ちかけた。ピオははじめ難色を示したが、才能ある女性シンガーとの出会いで乗り気になる。音楽で交流を深めるピオと若者。そんな彼らに、東京公演のチャンスが訪れる。
監督:ヘルマン・クラル 出演者:ピオ・レイバ、マリオ・“マジート”・リベーラ、ペドロ・“エル・ネネ”・ルーゴ・マルティネス、ルイス・フランク・アリアス、テルマリー・ディアス、ほか
映画「ミュージック・クバーナ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミュージック・クバーナ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミュージック・クバーナの予告編 動画
映画「ミュージック・クバーナ」解説
この解説記事には映画「ミュージック・クバーナ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミュージック・クバーナのネタバレあらすじ:起・夢の始まり
キューバ、ハバナ。雑多な町には人々の活気が溢れています。世界的なバンド「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のメンバーで、キューバ音楽界の巨匠ピオ・レイバは行きつけの床屋でラジオを聞いていました。
ピオは1917年生まれの85歳、昔から歌が大好きでずっと歌い続けています。ラジオに耳を傾けていたピオは、ラジオ局でスペシャルライヴを行う予定だったことを思い出しました。ピオは慌ててタクシーに乗り込み、ラジオ局へ向かいます。タクシー運転手のバルバリートは、ピオの乗車に有頂天になりました。
遅刻はしたもののライヴに登場したピオは、観客から拍手喝采を浴びます。帰り道、バルバリートは自分がマネージメントをしているバンド「インテラクティボ」の話をしました。若く才能ある彼らとデモを録音してみないかと誘われたピオは、こんな年寄りと組んでも仕方がないだろうと乗り気ではありません。
バルバリートはインテラクティボのライヴにピオを連れて行きました。歌もパフォーマンスも最高な彼らに盛り上がるピオ。バルバリートは、ピオに一緒にバンドを作ろうと提案します。キューバの才能ある若者を集め、一緒に音楽活動をやろうと。しかし老齢のピオは、無茶を言うなと提案を断りました。
ミュージック・クバーナのネタバレあらすじ:承・若き才能
諦めないバルバリートは、後日ピオを別のシンガーのライヴに連れて行きます。シンガーの名前はオスダルヒア・レスネス。女優や作曲も行う活動的な女性です。彼女の実力に魅せられたピオは、バルバリートの提案に乗ることにしました。
オスダルヒアは旧市街で生まれ、ミラマールに越して来ました。今は自分探しの最中だと言います。彼女は人生が自分を歌わせるのだと語りました。ピオとバルバリートは、次々ライヴハウスや路上ライヴを訪ねては有望な若者をスカウトしていきます。
宗教心が厚く、打楽器に親しんで来た黒人青年。自分達の音楽はアフリカの伝統から来ているのだと語ります。ラテンの男性は、自分は未来のために戦っているのだと理想を口にしました。母子家庭で育ったペドロ・“エル・ネネ”・ルーゴ・マルティネスは、7人兄弟を育て上げた母親に尊敬の念を抱いています。彼はピオ達から、死ぬまで歌い続けるために発声訓練に励めと何度も言われていました。
ミュージック・クバーナのネタバレあらすじ:転・始動
メンバーが勢ぞろいした初のミーティング。計画のゴールを説明してくれと言われたバルバリートは、目標は世界だと豪語しました。ピオの役割について質問されると、本人は好きなことをすると答えます。若者達は笑い、即興の歌でピオと一緒に歌いたいと伝えました。ピオもそれに応えて歌い、きっと良いバンドになると盛り上がります。
バンドのメンバーは楽器を持ち寄り、自由なアプローチで歌い始めました。インテラクティボのテルマリー・ディアスは、24時間ラップをしているそうです。普通に話していてもラップになってしまうという彼女は、自分のルーツはキューバ音楽だと語りました。人と合わせるのも、真似をするのも嫌いです。
若者は家族が歌っていたので、古い歌も変わらず愛しています。彼らはトラディショナルな音楽と、現在の音楽の融合を目指していました。全ては伝統から来ると話す若者達は、皆ピオを尊敬しています。
ミュージック・クバーナの結末:東京公演
バルバリートはタクシーを運転しながら、乗客に録音したバンドのデモを聞かせていました。日本人を見かけた彼は、客を放り出して名刺を差し出し営業活動を始めます。
トランペットを担当しているフリオは、11歳から国際音楽学校に通いました。自由はほとんどありませんが、学校には音楽の情熱が溢れていたそうです。誰もが音楽に対し真剣で、色々なところで演奏していたと思い出を語りました。
バルバリートが用意したライヴ会場に登場したバンドメンバーは、観客から拍手喝采で迎えられます。大成功を収めたライヴ後、バルバリートはバンドがツアーに出ることを宣言しました。日本人への営業が成功し、東京公演が行われることになったのです。
ピオ達はついに日本へやって来ました。彼らは大はしゃぎで東京観光を楽しみます。路上アーティストとも音楽交流を果たし、ピオはバルバリートに幸せだと告げました。東京公演は大歓声の中始まります。バンドはキューバ音楽を陽気に、情熱的に歌い上げました。ピオは観客を盛り上げ、一緒に歌います。
一連の出来事を振り返りながら、ピオは「全ては変わる」と語りました。しかし生き方は決して変わらないと言います。自分に正直でいること、心にやましさを持たないこと、それだけだとピオが語りこの映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ミュージック・クバーナ」のあらすじと結末でした。
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