ヘイル、シーザー!の紹介:2016年アメリカ映画。コーエン兄弟が監督・脚本・製作を担当し、その豪華出演陣で話題を呼んだ作品です。1950年代のハリウッドの内幕をユーモラスに描いており、当時の作品や人物に向け、多くのオマージュを捧げています。
監督:ジョエル・コーエン イーサン・コーエン 出演:ジョシュ・ブローリン(エディ・マニックス)、ジョージ・クルーニー(ベアード・ウィットロック)、アルデン・エーレンライク(ホビー・ドイル)、スカーレット・ヨハンソン(ディアナ・モラン)、チャニング・テイタム(バート・ガーニー)ほか
映画「ヘイル、シーザー!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヘイル、シーザー!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヘイル、シーザー!の予告編 動画
映画「ヘイル、シーザー!」解説
この解説記事には映画「ヘイル、シーザー!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヘイル、シーザー!のネタバレあらすじ1
1950年代のハリウッドに巨大なスタジオを構える大手映画会社キャピタル・ピクチャーズ。そこに勤めるエディ・マニックスは「何でも屋」としてスタッフや俳優の不祥事を隠す仕事から映画の製作に関わることまで、様々な汚れ仕事をしていました。 そんなマニックスはある日、スタジオにユダヤやプロテスタントなど、様々なキリスト教の宗派の第一人者を集めて会議を開きました。テレビの台頭により斜陽化する映画産業に風を吹かせるため、キャピタル・ピクチャーズは聖書を題材にした超大作映画「ヘイル、シーザー!」の企画を準備していたのです。 紛糾する会議の中、マニックスはその作品のキャスティングについて言及します。目玉は西部劇で人気の期待の新人ホビー・ドイル。そして、シーザー役にはハリウッドスター、ベアード・ウィットロック。会議に参加していた神学者たちも、ウィットロックは名優だと言います。
ヘイル、シーザー!のネタバレあらすじ2
「ヘイル・シーザー!」の撮影が始まり、古代の戦士風の衣装に身を包んだウィットロックが、絢爛な宮殿のセットに現れます。そんなウィットロックを見ている怪しげな2人のエキストラ。そのうちの一人がスタッフたちの目を盗み、ウィットロックが撮影で飲む予定のワインに薬を入れてしまいます。撮影が始まり、演技のなかでウィットロックは薬が入ったワインに口をつけます。 撮影がおわり休憩になると、ウィットロックは体調を崩して楽屋へ戻ります。エキストラ2人は彼が倒れたのを見計らって車に押し込み、ウィットロックをどこかへ連れ去ってしまいました。 ウィットロックが行方不明になったことを知ったマニックス。俳優のスキャンダルを狙う双子の女記者からの追求をかわしながら、ウィットロックを探すことになります。 その一方で、マニックスはある航空関係の会社から転職の誘いを受けていました。斜陽化が進み先行きの怪しい映画産業よりも、これから華々しく発展していくであろう航空業界からの誘いに、マニックスは迷っていました。 そしてマニックスにまた新たな不祥事が舞い込みます。女優のディアナ・モランに子供ができたというのです。その子供をどうするのか、彼は頭を悩ませます。相変わらず彼の元へ双子の記者は詰め寄り、次々に問題を抱えていくマニックス。そこに、ウィットロックを誘拐したという電話がかかってきます。
ヘイル、シーザー!のネタバレあらすじ3
話はウィットロックが誘拐されたあとに遡ります。彼を誘拐したのは、ハリウッド映画界の赤狩りによって職を失った脚本家たちでした。脚本家たちの仲間の男が持っているというマリブの豪邸で目を覚ましたウィットロックは、優雅な時間を過ごしながら共産主義的な面々と議論する日々を送っていました。ウィットロックは彼らに協力し、キャピタル・ピクチャーズに自身の身代金を要求したのでした。 身代金を要求されたマニックスはただちにその金を用意します。その場に居合わせたホビー・ドイルにウィットロックの誘拐を告げ、マニックスは金を指定通りに引き渡します。 ドイルは、マニックスが持っていた身代金のバッグを偶然店で見かけ、その人物を追いかけてウィットロックらのいるマリブへたどり着きます。豪邸の中に入ると、そこにはウィットロックが一人残されていました。他の共産主義者たちは、身代金を母国の人間に引き渡しにいったといいます。
ヘイル、シーザー!の結末
マリブの豪邸から少し離れた海上に、赤い星のマークをつけた巨大な潜水艦が現れます。そこから現れたのは、キャピタル・ピクチャーズでミュージカル映画に水平役で出演していた俳優、バート・ガーニー。ガーニーは小さなボートに乗り込む共産主義者たちから身代金を手渡されますが、潜水艦へ戻る際に身代金を海に落としてしまいました。そして、どうすることもできず潜水艦に乗り込み、去ってしまいます。 一方ドイルはウィットロックを説得し、キャピタル・ピクチャーズへ戻ることに成功します。ウィットロックは再び「ヘイル、シーザー!」の撮影に臨みます。 すべての問題になんとか決着をつけたマニックスは、再び転職の話に悩んでいました。教会の懺悔室で、彼は「簡単な仕事を選ぶか、大変な仕事を選ぶか迷っている」と言います。どれだけ辛くても、映画という夢を作る仕事に誇りを持つマニックスは、ついに転職の話を振り切って、事件の絶えないスタジオで「何でも屋」を続けていくのでした。
この作品は、1950年代のハリウッドを皮肉的に、敬愛を込めて表された痛快コメディである。映画の世界と政治という面も皮肉に描かれている。ジョージ・クルーニー演じる映画俳優が誘拐されるというストーリーである。「ベン・ハー」という映画のパロディなど、その他の役にも当時実在したというモデルが存在しており、それを知っているとさらに楽しめると思います。