シークレット・レンズの紹介:1982年アメリカ映画。元CIA工作員という肩書を持つアメリカの小説家チャールズ・マッキャリーの「The Better Angels」を映画化したサスペンス映画です。全米で人気のニュースキャスターが、核兵器を巡って繰り広げられるアメリカ・中東某国・テロリストの抗争に巻き込まれていく様をブラックコメディ要素も交えて描いていきます。
監督:リチャード・ブルックス 出演者:ショーン・コネリー(パトリック・ヘイル)、キャサリン・ロス(サリー・ブレイク)、ジョージ・グリザード(ベッドフォード・フォレスト・ロックウッド大統領)、レスリー・ニールセン(フランクリン・マロリー)、ロバート・コンラッド(ウォンバット将軍)、ジョン・サクソン(ホーマー・ハバード)、ヘンリー・シルヴァ(ラフィーク)、ハーディ・クリューガー(ヘルムート・アンガー)、ロン・ムーディー(アワド国王)ほか
映画「シークレット・レンズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シークレット・レンズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シークレット・レンズの予告編 動画
映画「シークレット・レンズ」解説
この解説記事には映画「シークレット・レンズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シークレットレンズのネタバレあらすじ:起
東西冷戦時代のアメリカ・ニューヨーク。地方テレビ局「WTN」のレポーター兼ニュースキャスターのパトリック・ヘイル(ショーン・コネリー)は、世界中から集めた特ダネを扱うワイドショー番組の司会を務めていました。
ヘイルは世界各地を駆け回って様々なネタを集めていました。ある時は紛争地帯、またある時はアフリカの象の生息地域、ローマ法王やアメリカ大統領などの演説の場、オリンピック会場など様々でした。
そんなある日、ヘイルは北アフリカの砂漠の国、ハグレブに飛びました。この国は貧しい放浪の民ヘドウィンが暮らす地でしたが、今や石油の一大産地となっていました。ヘイルはランドヨットに乗り、クルーと共に砂漠をひた走っているところ、ヘリコプターで「グローブ紙」の女性記者サリー・ブレイク(キャサリン・ロス)がやってきました。ヘイルはサリーをジープに乗せ、取材に同行させることにしました。
その途中、ヘイルとサリーは現地人たちに取り囲まれている1台の車に遭遇しました。この車を運転していたのば武器商人のヘルムート・アンガー(ハーディ・クリューガー)であり、ラクダを車で撥ねてしまっていたのです。ヘイルとサリーは現地人をなだめ、ヘルムートを目的地のヨーロッパ・トレーディングセンターまで送り届けることにしました。
ヘルムートはハグレブのアワド国王(ロン・ムーディー)への贈り物としてスーツケースを届けようとしていました。ヘルムートがヘイルの取材を受けている間、サリーはこっそりスーツケースにガイガーカウンターをあててみると、中から非常に高い放射能数値が検出されました。
ヘイルはひとまずヘルムートを目的地まで送り届け、サリーを街のホテルまで送り届けましたが、サリーは怪しげな者たちに後をつけられていました。サリーの身を案ずるヘイルはアメリカ大使館から職員のホーマー(ジョン・サクソン)を連れ出してサリーの後を追いました。
サリーはとあるビルで密かにCIAエージェントと接触し、スーツケースの中身がプルトニウムであることを伝えましたが、その直後にサリーは怪しげな者たちが仕掛けた爆弾によって爆殺されてしまいました。
シークレットレンズのネタバレあらすじ:承
サリーの正体はCIAのスパイであり、サリーを殺したのは中東の支配を目論むテロリスト集団「ガザの目」の者でした。ヘイルはサリー殺害現場をリポートした後、ホーマーと共にアワド国王に面会しました。アワド国王は「運命の日である明日、神のお告げを実行する」と意味深な言葉を発していました。
その後、ヘイルは「ガザの目」の者に目隠しをされ、彼らが軍事訓練をしている場所へと連れていかれました。ヘイルはそこで「ガザの目」のリーダーであるラフィーク(ヘンリー・シルヴァ)に会い、彼に取材を申し入れました。
サリー殺害事件やアワド国王の発言などの情報はアメリカのホワイトハウスにも伝えられました。アメリカのロックウッド大統領(ジョージ・グリザード)は次期大統領選を間近に控えており、対立候補のマロリー(レスリー・ニールセン)と激しい支持率争いを繰り広げていました。
ホワイトハウス側はヘルムートの持つプルトニウムは広島に投下されたものよりも強力な原子爆弾の原材料であり、「ガザの目」は原爆を入手しようとしていること、アワド国王とラフィークが密かに繋がっていること、そしてアワド国王は原爆を使おうとしているという情報を掴んでおり、ロックウッド大統領は対策会議を招集し、CIAにアワド国王の殺害を指示しました。
その夜。ヘルムートはCIAの襲撃を受けましたが何とかかわしました。アワド国王は遺言テープを遺して謎の死を遂げ、自殺として報じられました。アメリカに戻ったヘイルは独自の取材を続け、アワド国王は暗殺されたこと、そしてロックウッド大統領とマロリーの両者ともプルトニウムを入手しようと目論んでいることを知りました。
シークレットレンズのネタバレあらすじ:転
ヘイルはアワド国王はCIAに消されたのだと確信し、マロリー本人やCIA本部、そしてホワイトハウスなどに取材を敢行しました。ヘイルは取材と並行してテレビリポートの仕事も続けていましたが、アラブ系住民のデモを取材中に一人のアラブ人が自爆テロを起こす場面に遭遇しました。
ロックウッド大統領はヘイルの取材に応じ、原爆を手に入れることで中東での石油の利権掌握を有利に進めることが狙いだと語りました。ヘイルと取材班はホワイトハウスでロックウッド大統領の単独インタビューを行い、ロックウッド大統領はアワド国王と「ガザの目」との繋がりや彼らの狙いがエルサレムやアメリカ本土にあることを証言しました。ロックウッド大統領の発言は世界各国のマスコミに大々的に報道され、支持率も一気に低下していきました。
マロリーはマスコミや支持者を集めて集会を開き、ロックウッド大統領を糾弾すると共に次期大統領選での勝利を宣言しました。一方、フランス・マルセイユに滞在中のヘルムートやハグレブのラフィークもロックウッド大統領の番組を見ていました。CIA側は証拠があるのかとヘイルに詰め寄りました。
ロックウッド大統領は支持率回復策として、CIAにプルトニウムを手に入れるよう指示しました。一方のマロリーも選挙戦を優位に進めるべくプルトニウムを入手しようと考えていました。CIAはヘルムートと連絡を取り、プルトニウム譲渡に向けての交渉を開始しましたが、同時にマロリーもヘルムートに電話をかけてきました。ロックウッド側とマロリー側はそれぞれ交渉人をマルセイユに向かわせ、ヘイルもマルセイユに飛びました。
ヘイルはヘルムートのアジトに向かいましたが、プルトニウムは既に「ガザの目」によって奪われた後でした。ヘルムートは「ガザの目」の罠にかかって焼き殺されてしまいました。「ガザの目」は極秘裏にプルトニウムをアメリカへ運び入れました。
シークレットレンズの結末
ロックウッド大統領はアラモ砦の戦いを記念する式典に出席しました。会場にはヘイル率いるテレビクルー、そしてラフィーク一味の姿もありました。突然式典にラフィークの手下が乱入、自爆テロを仕掛けましたがロックウッド大統領は間一髪で危機を免れました。
続いてラフィークの魔の手はニューヨークに向けられました。ヘイルがタイムズスクエアでのアラブ系住民と警官隊との衝突を取材している間、またしてもラフィーク一味の者が自爆テロを敢行しました。ラフィークはメディアを通じてロックウッド大統領に辞任を迫り、さもなくばニューヨークに原爆を落とすと脅してきました。
ヘイルとクルーはホワイトハウス前に陣取りました。すると夜の闇に紛れて1機のヘリが飛んできました。ヘリに乗っていたラフィークの手下たちはパラシュートでホワイトハウス上空から落下した後に空中で自爆テロを起こしました。そしてヘリも自爆しました。
ロックウッド大統領はホワイトハウスにヘイルを招き入れ、テレビを通じてニューヨーク市民に避難を呼びかけました。そしてロックウッド大統領は緊急会議を招集しましたが、ヘイルは一連の事件を操っていたのはCIA長官であり、ハト派であるロックウッド大統領を失脚させてタカ派のマロリーを擁立するためだということを見抜きました。
原爆は間一髪で発見され、爆破処理班によって無事解除されました。ロックウッド大統領は原爆を口実にハグレブへの軍事侵攻を開始しました。戦場の取材に訪れたヘイルは頭のカツラを脱いでヘルメットを被り、米兵と共にパラシュートで落下していきました。
以上、映画「シークレット・レンズ」のあらすじと結末でした。
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