初春狸御殿(はつはるたぬきごてん)の紹介:1959年日本映画。1960年のお正月にふさわしい、カラー、大映スコープのミュージカル映画。若尾文子、市川雷蔵、勝新太郎等が狸を演じる。大映作品でおなじみのスターの他に和田宏とマヒナスターズ等、ゲスト多数。山の狸と狸御殿のお姫様の二役の若尾文子が着る振袖も華やか。
監督:木村惠吾 出演者:市川雷蔵(狸吉郎)、若尾文子(お黒/きぬた姫)、勝新太郎(栗助)、菅井一郎(泥右衛門)、中村鴈治郎(狸右衛門)、楠トシエ(狸路)、ほか
映画「初春狸御殿」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「初春狸御殿」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「初春狸御殿」解説
この解説記事には映画「初春狸御殿」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
初春狸御殿のネタバレあらすじ:起・困ったお父さん
満月のきれいな夜、戸を叩く音がする。村の年寄りが戸を開けると見覚えのない若い娘が。酒を分けてほしいと言う。夜遅く父親のために感心な娘だと、どぶろくをたっぷりと大きな徳利に注いであげる。悪い狸が出るから気をつけてお帰りと言って送り出した後、代金のお金が葉っぱに変わっていた。その娘が狸だったのだ。
その狸の娘、お黒はカチカチ山で父の泥右衛門と暮らしている。お黒は父の飲みすぎを心配するが、父は肴がないと騒ぎ、里の百姓から鶏を盗ってくるのだった。お黒は薬売りの栗助から、兎にしてやられた父の火傷の古傷の薬をいつも買う。栗助はお黒を憎からず思っているが、恋の進展はなかった。
山に鉄砲の音が響き、お黒と泥右衛門はあわてて逃げようとするが、隠れ場所が思い浮かばず番傘に化ける。そこに狸御殿の腰元たちが逃げ込んでくる。お姫様は理想が高く、私たちにいつも人間に化けているように言い、私たちは腹鼓も打てないと言う腰元たち。隣国の若君狸吉郎がきぬた姫との見合いにやって来ると言われ、折からのにわか雨に番傘をさして御殿に帰っていった。
初春狸御殿のネタバレあらすじ:承・お姫様の身代わり
狸御殿で番傘から元の姿に戻ったお黒と泥右衛門。なんて素敵な御殿と思ったが、曲者として追いかけられ捕まる。だが、御殿の狸たちはお黒がきぬた姫と瓜二つなのに気づく。
その姫はと言うと、狸も人間の美しさを見習うべきよ、私は人間の夫を持つわ、と言ってお見合いを拒否して家出してしまう。困った家老の狸右衛門は老女の狸路らと謀り、お黒を姫の身代りに立てることにした。そして身代わりがばれないように今日は狸祭にし、全国から狸を集めて歌と踊りで狸吉郎の気をそらそうとする。
でも踊りの最後のパートナーになったきぬた姫(実はお黒)に狸吉郎は一目ぼれしてしまう。いよいよお見合いになる。身代わりだからと控えめを心掛けたお黒だったが、狸吉郎はますますお黒に魅せられていく。
初春狸御殿のネタバレあらすじ:転・許されぬ恋心
ご褒美をもらってお黒は家に帰る。だが、泥右衛門はきぬた姫が犬にでも食われればお黒が玉の腰に乗れると、またもよからぬことを考えていた。
やがて、狸吉郎が急に御殿を訪れたという知らせが来て、お黒は再び姫の身代わりをするために呼ばれる。泥右衛門は山の仲間の狸を集めて前祝いの大騒ぎをする。
御殿では自分は身代わりと知りながらお黒は狸吉郎に惹かれていき、口づけを交わしてしまう。狸吉郎は次に来たときは式を挙げましょうと言って去って行く。
一方、きぬた姫はそのころ、諸国を放浪し人間と結婚する目的は果たせず、現実の厳しさを思い知らされて御殿に帰ろうとしていた。暴漢たちに襲われ分身の術を使って振り切り、泥右衛門の家に来て一夜の宿を求める。泥右衛門は愛想よく泊めてあげるのだった。
初春狸御殿の結末:二つのカップル
再び身代わりの務めを終えて帰ってきたお黒は、寝ている姫を父が斬り殺そうとしているのを知る。きぬた姫は狸寝入りの名人だそうだから、私がちゃんと寝ているか見てくると言って父を押しとどめて、姫を逃がして自分が姫の姿になる。
泥右衛門はお黒を姫と思って襲い、お黒が自分はお黒よと言っても信じず太刀を浴びせ続ける。お黒が元のお黒の姿に戻ってやっと泥右衛門は自分の間違いに気づく。お父さんもう悪いことは考えないでねと言って息を引き取るかと思われたが、薬売り栗助が寝ずに作った薬が効いて一命をとりとめた。
今日はきぬた姫と狸吉郎の祝言の日。泥右衛門も招かれて御殿へ行った。お黒と栗助の祝言の日も近いようだ。御殿ではきぬた姫が狸吉郎に、女の子が生まれたら「お黒」という名前にしてねと言うのだった。
以上、映画「初春狸御殿」のあらすじと結末でした。
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