カリガリ博士の紹介:1919年ドイツ映画。ドイツ表現主義映画の代表作であり、世界初のホラー映画とも言われている。フランシスは村人に、ある恐ろしい体験を語って聞かせることにした。フランシスは親友アランと共に祭りへ出かけ、カリガリ博士と名乗る人物の見世物小屋を見つける。カリガリ博士が所有している夢遊病の男チェザーレは、どんな質問にも答えられる能力を持っているらしい。面白がったアランが自分の寿命を尋ねると、チェザーレは明日の朝までだと答えた。翌朝、アランは何者かに殺害され遺体で発見される。不審に思ったフランシスは、思い人ジェインの父親オルセン博士と共に、カリガリ博士の身辺を調べ始めるのだった。
監督:ロベルト・ウイーネ 出演者:コンラート・ファイト(チェザーレ)、ヴェルナー・クラウス(カリガリ博士)、リル・ダゴファー(ジェイン)、フリードリッヒ・フェーヘル(フランシス)、ハンス・ハインリッヒ・フォン・トワルドフスキー(アラン)ほか
映画「カリガリ博士」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カリガリ博士」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カリガリ博士の予告編 動画
映画「カリガリ博士」解説
この解説記事には映画「カリガリ博士」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カリガリ博士のネタバレあらすじ:夢遊病者の予言
舞台はドイツ山間部の架空の村。村の若者フランシスは、村人が語る亡霊の話を聞いていました。すると向こうから美しい女性が歩いて来ます。正気を失っているようにも見える彼女を見つめたフランシスは、自分の婚約者だと言いました。そして自分達が体験した、ある恐ろしい物語を語り始めます。
――フランシスは親友アランと共に村の祭りに出かけました。並び立つ見世物小屋の中に、カリガリ博士と名乗る香具師の姿があります。彼は夢遊病者のチェザーレを箱に入れ、見世物にしながら金を取っていました。カリガリ博士は箱を開けてチェザーレを起こします。チェザーレには全てを見通す力があり、客の将来を占うことが出来るそうです。
アランは面白がって、自分の寿命はどれほどかと尋ねました。するとチェザーレは、夜明けには死ぬだろうと答えます。アランは笑い飛ばしましたが、翌朝、彼は何者かに殺害され遺体で発見されました。
カリガリ博士のネタバレあらすじ:調査
無二の親友を喪い、悲嘆に暮れるフランシス。彼らが思いを寄せていた女性ジェインも事件を知り、激しいショックを受けました。チェザーレの予言通りになった訳ですが、フランシスはそこに違和感を覚えます。
村ではカリガリ博士が到着したその夜に、既に1件の殺人事件が起きていたのです。被害者はカリガリ博士を邪険に扱った市の吏員でした。2件の殺人事件にカリガリ博士が関与していると考えたフランシスは、ジェインの父オルセン博士に相談します。
オルセン博士もフランシスの考えを支持し、警察に許可を取ってカリガリ博士を調べることにしました。フランシスとオルセン博士は早速カリガリ博士を訪ね、疑惑について問い質します。ところがその矢先、殺人事件の犯人が捕まったという一報が入りました。
フランシス達は驚き、捕まった男のもとへ向かいます。しかし男は連続殺人鬼に似せて人を殺そうとしただけであり、2件の殺人事件とは無関係だと主張しました。
カリガリ博士のネタバレあらすじ:カリガリ博士の正体
ジェインは帰りの遅い父を探し、カリガリ博士の見世物小屋までやって来ました。カリガリ博士はこれ以上身辺を探られるのを防ぐため、チェザーレにジェイン殺害を命令します。夜、チェザーレは命令通りジェインの寝室に忍び込みました。眠るジェインにナイフを振り上げますが、彼女の美しさに心を奪われ、殺せなくなってしまいます。
チェザーレは悲鳴をあげるジェインを無理やり抱き上げ、連れ去ってしまいました。屋敷の人間が騒ぎに気付き、大勢の村人がチェザーレを追いかけます。するとチェザーレは突然苦しみ出し、ジェインを手放しました。無事保護されたジェインは、駆けつけたフランシスやオルセン博士にチェザーレの仕業だと話します。
しかし、フランシスは今夜密かにカリガリ博士とチェザーレを見張っていました。チェザーレはずっと眠っていたはずで、どういうことなのかと困惑します。カリガリ博士の小屋へ向かったフランシスは、警察の力も借りてチェザーレの箱を暴いてみました。
すると中に入っていたのはチェザーレそっくりの人形です。その場から逃げ出したカリガリ博士は、とある精神病院に入りました。フランシスが追いかけ、医師にカリガリという患者はいないかと尋ねます。院長室へ案内されたフランシスは、そこでカリガリ博士と対面しました。カリガリ博士は精神病院の院長だったのです。
カリガリ博士のネタバレあらすじ:カリガリ博士の欲望
夜。カリガリ博士が眠っている隙に、フランシスは医師達の協力を得て院長室を調べます。するとカリガリ博士が特別研究テーマに位置づけている本を見つけました。それによると、11世紀末にカリガリという人物がおり、彼は夢遊病者チェザーレと共に旅をしていたそうです。
カリガリはチェザーレを道具にして欲望を実現しようと考えました。彼はチェザーレを操り、奇怪な手口の殺人事件を起こしたそうです。どうやらカリガリ博士はこの「カリガリ」なる人物に魅せられ、「カリガリ」になりきろうとしたようでした。
カリガリ博士は病院に運ばれた夢遊病者を操り、かつての「カリガリ」のように殺人事件を引き起こしていたのです。そこにチェザーレの遺体が谷間で発見されたと報せが入りました。どうやら心臓発作で死亡したようです。フランシスはチェザーレを院長室へ運ばせ、カリガリ博士と対面させました。
ショックを受けたカリガリ博士は錯乱状態になって暴れ回ります。医師が何人も彼を押さえつけ、拘束衣を着せました。すっかり正気を失ってしまったカリガリ博士は、精神異常者として病院の鎖に繋がれます。
カリガリ博士の結末:現実
フランシスは、自分とジェインが体験した一連の事件を語り終えました。彼がいるのは精神病院の庭です。外に出ている患者の中には、ジェインやチェザーレの姿もありました。
これまでの物語は、全て精神異常者フランシスの妄想だったのです。そこにカリガリ博士の顔をした院長が現れました。フランシスは、カリガリ博士が来たと騒いで暴れ出します。彼は医師達に押さえつけられ、拘束衣を着せられました。
フランシスは偏執狂で、院長のことを謎のカリガリ博士だと思い込んでいます。院長は、しかしこれで治療の方針が決まったと頷きました。フランシスが病室に閉じ込められ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「カリガリ博士」のあらすじと結末でした。
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