背徳の王宮の紹介:2015年韓国映画。朝鮮王朝史上最悪の暴君として知られる第10代国王ヨンサングン(1476~1506)の実話を基にした歴史ドラマです。王の信頼を得ようと国中から1万人もの美女を集め、裏で王を操ろうと目論む重心、王に家族を殺され復讐を誓った女、王の寵妃に利用される野心的な芸妓などが織りなす激しい権力闘争と愛憎劇が描かれます。
監督:ミン・ギュドン 出演者:チュ・ジフン(イム・スンジェ)、キム・ガンウ(ヨンサングン)、イム・ジヨン(ダニ/ジョンファ)、チャ・ジヨン(チャン・ノクス)、イ・ユヨン(ソル・チュンメ)、チョン・ホジン (イム・サホン)、ソン・ヨンチャン(ユ・ジャグァン)ほか
映画「背徳の王宮」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「背徳の王宮」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
背徳の王宮の予告編 動画
映画「背徳の王宮」解説
この解説記事には映画「背徳の王宮」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
背徳の王宮のネタバレあらすじ:起
1504年の朝鮮。第10代国王ヨンサングン(キム・ガンウ)が即位して10年。重臣のイム・サホン(チョン・ホジン)とその息子イム・スンジェ(チュ・ジフン)がヨンサングンに接見し、血に染まった服を差し出すとヨンサングンの生母の死の真相について語り始めました。
ヨンサングンの生母は、ヨンサングンの父である亡き先代国王ソンジョンの二番目の妻でしたが、横暴な性格が祟って宮廷から追放され、賜死(毒殺刑)となったのです。血染めの服はヨンサングンが最期に着ていた服だったのです。
生母の死の真相を初めて知ったヨンサングンは激昂し、手始めに父ソンジョンの後宮(側室)2名を惨殺しました。ヨンサングンは生母を死に追いやった張本人として祖母をも死に追いやり、生母の廃位に関わった者をことごとく捕らえて処刑していきました。さらには死した者までも墓を暴いては晒し首にし、凄惨な粛清に遭った者の数は200人を超えるほどにまでなりました。
凄惨を極めた大粛清の後、ヨンサングンは幻影と不眠に悩まされ、心身を病んでいきました。密かにヨンサングンを裏で操ろうと目論むスンジェはこの機を逃がさず、ヨンサングンに国中から美女を宮廷に集めて快楽に耽ってみてはどうかと進言しました。
スンジュの進言を聞き入れたヨンサングンはスンジェとサホンを採紅使(チェホンサ)に任命し、国中から美女をかき集めて“運平(ウンピョン)”にすると宣言しました。
背徳の王宮のネタバレあらすじ:承
綾州にやって来たスンジェは、街で美しい女(イム・ジヨン)と出会いました。スンジェはこの女こそヨンサングンの理想の女だと確信しましたが、女は身分が最下層であったためにスンジェは身を引くことにしました。
スンジェはかつて父サホンを裏切った貴族の元に向かい、娘ジョンファを差し出すよう命じましたが、街で出会ったあの女がジョンファにすり替わっていました。スンジェはこの女を“ジョンファ”として宮廷に連れ帰ることにしました。
王宮には“ジョンファ”をはじめ、全国各地から集められた運平たちが集結しました。その中にはヨンサングンの寵妃チャン・ノクス(チャ・ジヨン)が送り込んだ芸妓ソル・チュンメ(イ・ユヨン)の姿もありました。
運平たちはヨンサングンの理想の女となるべく様々な教育を受けさせられました。数ある運平たちの中でも台頭してきたのは“ジョンファ”とチュンメの二人でした。ヨンサングンは治世そっちのけで運平たちにのめり込んでいき、スンジェはまだ教育中であるとヨンサングンをなだめました。
そんな時、スンジェは“ジョンファ”の正体がサホンの密告で逆賊として処刑された官僚キム・イルソンの娘ダニであることに気付きました。実はスンジェは若い頃、密かにダニに淡い恋心を寄せていたことがあったのです。
背徳の王宮のネタバレあらすじ:転
ヨンサングンは運平たちを集めて盛大な宴を催しました。その最中、ダニは舞を踊りながらヨンサングンの命を奪おうと近付きましたが、王宮を見下ろす小高い丘にはサホンが雇った刺客が弓でヨンサングンに狙いを定めていました。ダニはスンジェに抱きかかえられてヨンサングンの暗殺に失敗し、刺客もヨンサングンの暗殺に失敗して殺害されました。
サホンはヨンサングンに見初められた“ジョンファ”(ダニ)を他の運平が妬んだものだと報告しようとしましたが、スンジェはヨンサングンの威厳に関わることだとして謀反があったことにすべきだと主張しました。
スンジェはダニを連れ出し、無意味な復讐は止めるよう諭しました。スンジェはいつしかダニへの想いが蘇りつつあったのです。しかし、ダニは権力欲しかないスンジェに自分の気持ちはわかるものかと拒絶しました。
この二人のやりとりを密かにチュンメが盗み聞きしていました。その後、ヨンサングンは逆賊の父を持つ運平たちに弓を取らせ、自ら父を処刑させました。
運平の中から宮廷に選ばれる芸妓“興清”が選出されることとなりましたが、“ジョンファ”とチュンメは選定から脱落してしまいました。チュンメはノスクと結託している大臣ユ・ジャグァン(ソン・ヨンチャン)に逆賊の娘がヨンサングンの命を狙っていると密告し、ジャグァンは改めてチュンメを選出するよう選定担当の女官に働きかけたところ、“ジョンファ”とチュンメのいずれかが興清の候補に選出されることとなりました。
背徳の王宮の結末
ヨンサングンは自らの前で“ジョンファ”とチュンメを競わせ、勝者には敗者の首をやると告げました。“ジョンファ”とチュンメはヨンサングンの前で激しく抱き合い、その結果“ジョンファ”が勝者に選ばれ、チュンメは首を刎ねられそうになりましたが、スンジェの進言によりチュンメは一命を取り留め“ジョンファ”の下女になりました。
“ジョンファ”は興清として王宮に入りましたが、実はチュンメにすり替わっていました。その頃、ダニは再びヨンサングンの暗殺を決行しようと王宮に忍び込みましたが、失敗して捕らえられました。正体がバレたダニは、目の前で亡き父の遺骨を砕かれる様を見せつけられました。
スンジェも捕らえられ、ダニを殺すよう命じられましたが、スンジェは一芝居打ってあたかもダニを殺したかのように装い、チュンメに密かにダニを遠くに連れて行くよう命じました。
ヨンサングンはスンジェに再び運平を集めるよう命じましたが、スンジェはヨンサングンを誰もいない部屋に連れて行くと刀を向けました。スンジェはヨンサングンの足を刺して身動きが取れないようにし、部屋に大量のブタを招き入れてヨンサングンを閉じ込めました。
そしてかねてからヨンサングンの熾烈な圧政に不満を抱いていた反乱軍が一気に蜂起し、ヨンサングンは遂に王の座から引きずり落とされました。
1506年。ヨンサングンは罪人として流刑になり、代わってヨンサングンの異母弟であるチョンジュンが第11代国王として即位しました。ヨンサングンの失脚に貢献した功臣たちは出世して新王を支えることとなりました。
チュンメは茶店で王宮の語り部となり、スンジェは王宮を風刺する剣舞を舞っていました。ダニは群衆の中からスンジェの姿を見つめていました。
以上、映画「背徳の王宮」のあらすじと結末でした。
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