ライフ・イズ・ビューティフルの紹介:1998年イタリア映画。第二次世界大戦前夜の1939年。陽気で明るいユダヤ系イタリア人のグイドと、愛する妻・ドーラ。そして愛の結晶である息子。ジョズエ。この3人に待ち受ける、ナチス・ドイツのホロコースト…。笑い、泣き、考えさせられる、不朽の名作!
監督:ロベルト・ベニーニ 出演:グイド・オレフィチェ(ロベルト・ベニーニ)、ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)、ジョズエ・オレフィチェ(ジョルジョ・カンタリーニ)、エリゼオ・オレフィチェ(ジュスティーノ・ドゥラーノ)、レッシング医師(ホルスト・ブッフホルツ)ほか
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」解説
この解説記事には映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ライフ・イズ・ビューティフルのネタバレあらすじ:出会い・幸せな日々。
ブレーキが壊れた車で、突っ走るところから始まる。ユダヤ系イタリア人のグイドは、北イタリアの田舎町にやってくる。叔父を頼りに、給仕の仕事をしながらも、毎回同じ人のハットを盗んだり、書店を開くために奔走したり、明るく生きていた。その給仕の仕事をしている時に、レッシング医師と、「なぞなぞ」のやり取りをする。グイドは、「白雪姫が7人の恋人に会う時間は?」という問いに対し、散々悩むレッシング医師。ドーラを口説き落としたいグイドは、毎朝鍵を落とす家の前で、「ヘイ、マリア!カギ!!」と、言って、見ず知らずの者から、鍵を落としてもらい、「ほら、君の心の鍵だよ」と言い、その気にさせ、「チョコやアイスクリームを食べられるのは、いつごろかしら?」というドーラの無茶振りにも、そこにたまたま居合わせたレッシング医師に、「7ミニッツ」(7人の小人=7のミニ=7ミニッツ)と、言われ、すっかり、魅了されてしまう。 そして、ドーラという小学校の教師と駆け落ち同然で結婚し、愛息ジョズエをもうける。ジョズエは、戦車のおもちゃが好きだった。
ライフ・イズ・ビューティフルのネタバレあらすじ:1,000点。
やがて、戦争の色が濃くなり、ユダヤ人へ対する迫害行為が行われるようになる。その標的は、もちろん、グイド、ジョズエにも差し向けられる。強制収容所に自ら志願して乗り込むドーラ。3人は、厳しい生活を送るようになる。母親のドーラと会えなくなり、不安になる、ジョズエ。それに対し、グイドは嘘をつく。「ママに会いたかったら、いい子にしているんだよ。1,000点貯まったら、勝ち。勝ったら、本物の戦車に乗って、おうちへ帰れるんだ。」それを信じたジョズエは、希望を失うことなく、生き延びることが出来た。
ライフ・イズ・ビューティフルの結末:お父さんの言っているとおりだ!!
ナチス敗退後、グイドのゲームの「シナリオ」通りに、連合軍の戦車が現れる。パパの言っているとおりだ!!と、ジョズエたちを開放する。ジョズエは母親のドーラと再会することが出来たが、そこには、息子を最期の最期まで、自分が追い詰められながらも、死の直前まで陽気に振る舞った父、グイドの姿はなかった。
「ライフ・イズ・ビューティフル」感想・レビュー
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最初は、なんでこのお父さんはこんな悲惨な状況でふざけてばっかりいるんだろうと全く理解できませんでした。強制収容所ってすごく辛い仕打ちを受ける場所じゃないの!と。
でも、最後の最後、父親のグイドと子どものジョエズが離れ離れになるシーン。その後ジョエズが大人になったときに振り返るシーンを見てすべてっが理解でき涙が止まりませんでした。
戦争がテーマとなる映画は、いかに戦争が悲惨かを伝える映画が多いので悲しい雰囲気のものが多いのですが、これは強制収容所という悲惨な状況の中で子どもの心に傷を残さないよう、希望を失わないよう愛情を注いだ親が子を思う強さを教えてくれる素晴らしい映画です。 -
アメリカのインディペンデント映画名監督ジム•ジャームッシュ作品の常連俳優であるロベルト•ベニーニ初監督主演作品。ナチスの強制収容所内で自己犠牲的に息子を笑いで励まし救おうとする主人公の姿に胸を打たれました。笑いながら泣いてしまったラストシーンはこの映画が初めてです。奥さん役の女優さんは一緒にジャームッシュ監督のダウン•バイ•ローにも出ていた監督本物の奥さんですが、仲が良い夫婦なんだなあというのがスクリーンからも伝わってきてほっこりしました。
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この映画は、第二次世界大戦中の強制収容所での家族愛、特に父と子の愛を描いた映画です。この父親のわが子に対する愛には感動をしました。あっと驚くことはしない。ただ、それが父のわが子に対する純粋な愛を感じさせる素晴らしい映画でした。
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真っ直ぐで深い愛の物語。それはこの時代背景だから、極限の状況下であったからこその愛ではなく、人を愛する事は相手の幸せを心から願い相手を笑顔にする事なんだと教えてくれた映画です。胸が苦しくなる場面もたくさんありますが、最終的に観終わった後切なく悲しい気持ちは全くと言って良いほどありませんでした。とても暖かな感動です。こんな素敵な男性が旦那様でお父さんで幸せだなと思いました。またこんな風に私も命がけで誰かを愛する事ができたら幸せな人生だなとも思いました。
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どんなに辛くても、笑顔だから、悲しいんです。
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この映画は、1990年代のチャップリンと称される、ロベルト・ベニーニの魅力満載の作品ですね。
結婚までの物語の前半は、とにかく笑いの渦で、テンポの良いドタバタぶりと、張り巡らされた笑いの伏線は、もう見事の一言に尽きますね。それでいて、さりげない雨の中でのラブシーンなどは、とても美しく、忘れられない名場面でしたね。
ベニーニの嫌味のないキャラクターと、見事に仕掛けられた”恋の魔法”は、妻となる女性だけでなく、観ている我々の心までも、がっちりとつかみましたね。しかし、ナチスのユダヤ人迫害の影響を受け、家族そろって、収容所でつらい生活を強いられる後半こそが、ベニーニ映画の真骨頂だと思います。
かくも悲惨な歴史の荒波に巻き込まれた家族の半生を、さらりとした笑いを基調に描き出し、爽やかな感動を演出しているんですね。収容所内のマイクを使って、妻に呼びかけ、父子の無事を伝えるシーンや、死の間際に息子をかくまい、元気な行進を見せる父親の勇気と愛情には、ホロリとさせられましたね。
そして、ラストでは、愚直でひたむきなベニーニの頑張りが、夢のような奇跡を呼び起こすんですね。歴史は真実の愛に微笑みかけたのです。
この映画で、ベニーニの妻役を演じたニコレッタ・ブラスキは、実生活でもベニーニの奥さんと言う事で、庶民的で愛らしいキャラクターには、とても好感が持てましたね。
この映画は、全体的には、少々粗っぽさの目立つ作りながら、どんどんベニーニのペースに乗せられている自分に気づかされました。頑なに息子の前で道化を演じ、どんな過酷な状況でも、笑いのある人生の素晴らしさを伝えた父親と同様に、ベニーニの演出も、あくまでファンタジーのスタイルを崩していませんね。
その強い信念が、我々の心を動かすのだと思います。歴史の暗闇にユーモアという光を灯した勇気を、心から讃えたいと思いますね。
戦争の悲惨さと、家族の愛情の強さを考えさせられました。
強制収容所でジョズエを不安にさせないように、希望を失わせないように嘘をつくグイド。
その嘘がばれないために自らの犠牲を厭わずに、ジョエズを何よりも最優先に行動する愛に胸を打たれました。ジョエズが笑顔でいることがグイドにとって何よりも大切なことなのだと感じました。人生で何回でも観たくなる映画です。