シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―の紹介:2021年アメリカ映画。2013年に摘発を受けた実在の闇サイト「シルクロード」の実話を基に製作されたサイバー・ダーク・サスペンスです。自由な世界を作ろうとサイトを立ち上げたものの、やがて違法ドラッグや武器の売買、殺人の依頼など犯罪に手を染めていく若き天才と、パソコンも使えない引退間近の捜査官の闘いを描きます。
監督:ティラー・ラッセル 出演者:ジェイソン・クラーク(リチャード・ボーデン / リック)、ニック・ロビンソン(ロス・ウルブリヒト)、ケイティ・アセルトン(サンディ・ボーデン)、ジミ・シンプソン(クリス・ターベル)、ダニエル・デヴィッド・スチュアート(マックス)、ダレル・ブリット=ギブソン(レイフォード)、レクシー・レーブ(エディ・ボーデン)、ウィル・ロップ(シールズ)、ポール・ウォルター・ハウザー(カーティス・クラーク・グリーン)、アレクサンドラ・シップ(ジュリア・ヴィー)ほか
映画「シルクロード.com 史上最大の闇サイト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シルクロード.com 史上最大の闇サイト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シルクロード.com 史上最大の闇サイトの予告編 動画
映画「シルクロード.com 史上最大の闇サイト」解説
この解説記事には映画「シルクロード.com 史上最大の闇サイト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シルクロード.com 史上最大の闇サイトのネタバレあらすじ:起
2010年、アメリカ・メリーランド州ボルチモア。麻薬取締局(DEA)捜査官のリチャード・“リック”・ボーデン(ジェイソン・クラーク)は精神病院での治療を終えて退院しました。情報屋のレイフォード(ダレル・ブリット=ギブソン)から祝福を受けたリックは妻・サンドラ(ケイティ・アセルトン)と学習障害を患う娘・エディ(レクシー・レーブ)の待つ我が家に戻りました。
職場に復帰したリックは、自分がサイバー犯罪課に配置換えとなったことを知りました。リックは以前の上司から、引退までの9ヶ月間おとなしくしているよう言われました。サイバー犯罪課でのリックの新たな上司となったシールズ主任(ウィル・ロップ)はリックよりも年下で優秀で、パソコンもろくに使えないリックを見下していました。リックは一からパソコンを独学で学ばなければなりませんでした。
同じ頃。テキサス州コーパスクリスティには天才的な頭脳を持つロス・ウルブリヒト(ニック・ロビンソン)という若者がいました。ロスは本気で物事に取り組むとトップを獲れるだけの頭脳がありながら飽きっぽい性格の持ち主で、すぐに途中で物事を投げ出してしまう癖がありました。
ロスは交際を始めたばかりの恋人ジュリア・ヴィー(アレクサンドラ・シップ)に、自分の将来の夢は世界を変えることだと語っていました。
シルクロード.com 史上最大の闇サイトのネタバレあらすじ:承
ある日、ロスはAmazonのように気軽に匿名でドラッグが買える闇サイトを作ろうと思い立ちました。ロスは支払い方法は匿名で決済できる仮想通過ビットコインとし、児童ポルノなど他人を傷つける行為は禁止という独自ルールを自らに課してサイト作りを開始しました。
そして3ヶ月後、ロスは闇サイトのベータ版を完成させ、「地下ブローカー」と命名しました。試しに使ってみたところ、ドラッグは警察の監視を潜り抜けて無事に届きました。その後、ジュリアの提案でサイト名は「シルクロード.com」と改名しました。「シルクロード.com」はたちまちアンダーグラウンド界隈で有名になっていきました。
同じ頃、リックは職場では飼い殺し状態でしたが、それでも必死にパソコンの使い方を学び取ろうと努力していました。リックとサンディは娘エディを学習障害に対応している私立の学校に通わせようと考えていましたが莫大な学費がかかるため、二人は奨学金の申請をしようと考えていました。
そんなある日、リックはレイフォードにネット経由でドラッグを買う方法を教えるよう頼み、レイフォードから教えてもらった「シルクロード.com」で試しに購入してみました。すると1週間後、何の問題もなくドラッグが届きました。
ロスはジュリアや親友のマックス(ダニエル・デビッド・スチュアート)の助けを借りてチャットルームのフォーラムで「シルクロード.com」を宣伝してもらいました。それから6ヶ月後、「シルクロード.com」は更なる繁盛を見せ、ロスは飽きっぽい性格がまるで嘘のようにサイト運営にのめり込んでいきました。
一方の麻薬取締局も「シルクロード.com」を問題視し始めていました。リックは以前注文したものと同じ消印だった違法ドラッグの差出人が「クロニック・ペイン」と名乗る人物であることを知り、クリフォードを通じて調べてみることにしました。
「クロニック・ペイン」の正体はユタ州スパニッシュフォークで違法薬物を取り扱っていたカーティス・クラーク・グリーン(ポール・ウォルター・ハウザー)という男でした。カーティスの優秀さに目を付けたロスは自ら接触を取って近付き、自らのもとで働くよう誘いました。カーティスは引き受け、ロスはカーティスに預託口座の管理を任せることにしました。一方のリックもロスとカーティスの存在を知り、「ノブ」というアカウントを名乗ってロスに接触しました。
シルクロード.com 史上最大の闇サイトのネタバレあらすじ:転
2012年。「シルクロード.com」の件についてFBIが本格的に捜査に乗り出しました。捜査権はFBIに移り、サイバー犯罪課はFBIの支援に回ることになりました。リックはシールズからFBIとの窓口係に指名され、余計なことはするなと釘を刺されましたが、それでもリックは自らの金を使って「シルクロード.com」から大量の麻薬を買い、ようやくカーティスの居場所を突き止めました。
リックはカーティスのいるソルトレイクシティに向かい、カーティスの身柄を拘束しました。リックはカーティスからロスの情報を聞き出し、彼の口座からビットコイン20万ドル分を抜き出して自分の口座に送金するよう命じました。カーティスは言われた通りにしました。
その頃、ロスは完全に「シルクロード.com」の運営に没頭しており、ジュリアやマックスとの間にも距離が生じつつありました。そしてロスはカーティスと連絡が取れなくなったことに気付き、自らの口座から20万ドル分のビットコインが引き抜かれていることも知りました。
カーティスが裏切ったものだと確信したロスは、フレンドリーに接してきた「ノブ(リック)」にカーティスの殺害を依頼しました。そのことを知ったリックはカーティスに、ロスはカーティスを見限ったことを伝えると、あたかもカーティスが殺されたかのように偽装して写真をロスに送りました。
ロスはまんまと「ノブ(リック)」を信用し、リックはこれまでの捜査の結果をシールズに報告しようとしましたが、相変わらずリックを見下し続けているシールズは報告すら聞き入れようともせず、FBIのターベル捜査官(ジミ・シンプソン)に報告書を渡すよう命じてきました。
シルクロード.com 史上最大の闇サイトの結末
「シルクロード.com」ではドラッグのみならず、いつの間にか武器の取引までも始まっていました。さらに追い打ちをかけるように「シルクロード.com」でドラッグを購入した若者が中毒に陥り、死者まで出るなど社会問題と化していました。予想外の展開に心を痛めたロスはオーストラリア・シドニーへと高飛びしました。
一方のリックは捜査に熱中するあまり、娘エディの奨学金申請すら忘れてしまっていました。エディのためにどうしても学費がほしいリックは以前ロスから引き抜いたビットコイン20万ドル分を着服することを決め、報告書を処分してFBIに報告しないことにしました。
2013年。FBIの捜査の手はロスのすぐそばまで迫っていました。リックは着服の件を含めて独断でロスに接触したことが発覚することを恐れ、直接ロスに会いに行ってFBIに逮捕されない方法を教えると持ちかけて交渉しました。リックはロスからビットコイン50万ドル分を巻き上げ、ロスはリックに商売敵の殺害を依頼しました。しかし、摘発の時は刻一刻と近づいていました。
リックはレイフォードにビットコインの換金を依頼し、その金をサンディに渡すように指示しました。一方、ロスはFBIや警察の監視をかいくぐってサンフランシスコ公立図書館に入り、FBIはロスがサイトにログインした瞬間に逮捕することを決めました。
ロスがログインしようとしたその時、リックから電話がかかってきました。リックはロスに「お前が50歳になった時、思い描いていた人生と違っていたら、この言葉を思い出せ。『最初に見つけたのは俺だ』と」と告げました。その直後、ログインしたロスは逮捕されました。リックもまた着服の容疑で逮捕されました。
「シルクロード.com」は閉鎖となり、裁判でリックは懲役6年半、ロスは仮釈放なしの終身刑の判決が言い渡されました。リックの面会に訪れたサンディは、リックはこれからもずっとエディの父だと声をかけました。感激したリックは「これでいい」と呟きました。
以上、映画「シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―」のあらすじと結末でした。
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