キャメラを止めるな!の紹介:2022年フランス映画。企業の宣伝ビデオなど面白味のない仕事にうんざりしていた監督レミーにある撮影のオファーが舞い込む。それは「山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影が勧められていたが、俳優たちの下手な演技にキレた監督が本物のゾンビを召喚してクルーを襲わせ、超リアルな映像をモノにする」という内容の大ヒット日本映画『ONE CUT OF THE DEAD』のリメイク。しかも条件は30分間生放送、カメラは1台でワンカット撮影をするというものだった。無茶すぎる撮影に断ろうとしていたレミーだったが、娘にいいところを見せたくて引き受けることに。しかし、チームはまとまらず、役者も降板や入院など次々とトラブルに見舞われる。急遽、レミーが主演を、そして見学に来ていた元女優の妻も代役を務め、本番がスタートする。本作は予算300万のインディーズ映画ながら、SNSの口コミ効果で全国公開へと拡大し、興行収入31億円突破という社会現象的大ヒットとなった『カメラを止めるな!』のフランス版リメイク。
監督:ミシェル・アザナヴィシウス 出演:ロマン・デュリス(レミー/監督:ヒグラシ役)、ベレニス・ベジョ(ナディア/メイク:ナツミ役)、グレゴリー・ガドゥボワ(フィリップ/カメラマン:ホソダ役)、フィネガン・オールドフィールド(ラファエル/俳優:ケン役)、マチルダ・ルッツ(アヴァ/女優:チナツ役)、セバスチャン・シャサーユ(アーメル/助監督:ヤマコシ役)、ラファエル・クエナード(ジョナタン/録音:アキラ役)、リエス・セーラム(プロデューサー:ムニール)、シモン・アザナヴィシウス(レミーの娘ロミー)、アニエス・ウーステル(スクリプター:ロラ)、チャーリー・デュポン(カメラマン:フレド)、ジャン=パスカル・ザディ(音響:ファティ)、ルアナ・バイラミ(助監督:ジョアナ)、ライカ・アザナヴィシウス(カメラ助手:マノン)、竹原芳子(日本のプロデューサー:マダム・マツダ)ほか
映画「キャメラを止めるな!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キャメラを止めるな!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「キャメラを止めるな!」解説
この解説記事には映画「キャメラを止めるな!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キャメラを止めるな!のネタバレあらすじ:起
「人生がクソだから演技もクソなんだよ!」
監督ヒグラシは壁を叩きながら主演のチナツを怒鳴り散らしました。止めようとするケンを制するように平手打ちを食らわせ、「最初からお前が気に入らねえんだよ!」と言い放ちます。
ここは山奥の廃工場。低予算のゾンビ映画を撮影していますが、キャストとスタッフはやる気がなく、ヒグラシはイラついていました。撮影の休憩中、ヘアメイクのナツミが、チナツと彼女の恋人役のケンにある話を伝えました。それは、戦時中に旧日本軍がこの場所で死体を生き返らせる人体実験をしていたという噂話。3人の間にはどこかぎくしゃくしている空気が流れていました。
すると、3人の前にゾンビに変貌したカメラマンのホソダが現れ、襲いかかってきました。恐怖でパニックを起こしながらも必死で逃げ回るチナツ。カメラは不自然に地面に固定され、足元を映します。ヒグラシはカメラを持ってチナツに並走し「これが俺の求めた本物だ!」と大喜びしています。呪いの封印を解いて、ゾンビを目覚めさせたのはヒグラシだったのです。
ゾンビと化したカメラマン役のホソダや助監督役のヤマコシが暴走し、カオスが映し出されます。彼らに襲われゾンビとなったケンはナツミの頭に斧を突き立て、チナツに向かってやってきます。長い間叫んだチナツは斧を拾い上げ、ケンの首めがけて振り下ろしました。ヒグラシは「台本通りにやれ!」と怒鳴りましたが、チナツはそのままヒグラシを斧で滅多斬りにしました。
返り血を浴びて赤く染まったチナツは、地面に血で大きく描かれた五芒星模様の真ん中に立ち、まっすぐ空を仰ぎました。カメラは雑に揺れながら徐々に引き、高い位置からチナツを見下ろしています。
エンドロールが流れ、「カット!」と声がかかります。
キャメラを止めるな!のネタバレあらすじ:承
本番1か月前。
企業の宣伝ビデオなどつまらない仕事続きのレミーは、突然現場にやってきたプロデューサーのムニールからある映画のオファーを受けていました。それは日本で大ヒットした映画『ONE CUT OF THE DEAD』のリメイク版。
ただし、日本人プロデューサーのマダム・マツダから聞かされたのは、カメラは1台、30分間ワンカットで撮影、おまけにZとうB級映画専門チャンネルで生中継するというイカレた企画だったのです。「早い・安い・質はそこそこ」が売りのレミーでしたが、あまりの無茶ぶりに断るつもりでいました。しかし、娘ロミーが大ファンのラファエルがケン役を演じることを知り、父としての威厳を取り戻すために引き受けることにしました。
本番3週間前。
リハーサルが始まりました。しかし、ラファエルは脚本に何かと難癖を付け、チナツ役のアヴァはわがままばかりで、現場はまったくまとまりません。おまけにカメラマンのホソダ役を演じるフィリップはアルコール依存症で禁酒しているところに、お酒の差し入れが入り集中できず、アキラ役のジョナタンはお腹を下していて心配の面持ちでした。
さらに困ったことにマダム・マツダは原作の変更を固く禁じたため、全員が作品に疑問を持ったままスタートさせることとなりました。
キャメラを止めるな!のネタバレあらすじ:転
本番1日前。
レミーはマダム・マツダから役名も日本名のままでとムリな要求を突き付けられました。本番の1時間前にそれを聞かされたラファエルは、大激怒し降板すると言い出す始末。
さらに本番45分前。
監督役とヘアメイクのナツミ役の役者が交通事故という知らせが入り、現場は凍りつきました。ここはパリから2時間。代役を派遣することもできません。追い詰められたレミーは自ら監督役を引き受け、現場に見学にきていた元女優の妻ナディアにナツミを演じてもらうことにしました。ナディアは役に入り込むと、現実と思い込んでしまうクセがあり、現場で問題を起こして女優を辞めた過去がありましたが、もう残された選択肢はありませんでした。
不安も混乱も解決しないまま、一発勝負の本番がスタートしました。
キャメラを止めるな!の結末
「人生がクソだから演技もクソなんだよ!」
ヒグラシ演じるレミーはまるでこれまでの鬱憤を吐き出すかのように、アドリブまで入れて迫真の演技を見せました。
チナツ、ケン、そしてナツミの休憩のシーンに入り、ホソダ役のフィリップが酒に手を出し出番にも関わらず寝てしまったことが発覚。3人の前に“つないで”とカンペが出され、ぎくしゃくしながら演技を続けました。
一同がゾンビと化したヤマコシに追い回されながらも、アキラ役ジョナタンの下痢はピークに達し外で排泄している間も場をつなぎました。
モニター室では、もうこれ以上は続けられないとテロップを出す準備をしました。しかしそれを見ていたロミーは機転を利かせ、台本を飛ばして廃工場から脱出するくだりまで話を進めるよう提案。
そんな中、ナディアは演技と現実の区別がつかなくなってきていました。「ゾンビは私が全部ぶっ殺してやる!」と叫び本気でゾンビを追いかけまわしています。
3人をカメラでとらえていたフレドは、移動の途中転んで立てなくなり、カメラはしばらく地面においたままになってしまいました。足元しか映っていなかったのはこのためでした。
ナディアの混乱のために台本からそれてしまい、アドリブでゾンビに襲わせますがナツミは撃退してしまいます。暴走するナツミを制止しようと必死で抑えますが、そのさなか、クレーン機材が地面に落ちてしまい壊れてしまいました。
その後のシーンをなんとかやりすごし、クライマックスまできました。
返り血を浴びたチナツが五芒星の真ん中に立って空を仰ぐ。それをクレーンカメラで徐々に引いて最後は高い位置からチナツを映すというシーン。しかし、肝心のクレーンが壊れてしまっています。
その時、ロミーがひらめきました。「今何人動ける?」
可能な限りのスタッフを集め、五芒星の前でピラミッドを組み始めました。人間クレーンができあがるタイミングを見計らって、長い間叫んでいたチナツは斧でケンと監督を殺し、五芒星に向かいました。
レミーとロミー親子も急いでピラミッドに向かい、最上段に乗った父親の肩に娘を乗せました。カメラは手から手へ渡り、一番上にいるロミーまで到達しました。こうしてブレながらも引きの映像を取ることができたのでした。
番組は無事終了しました。キャスト、スタッフともに、安堵しお互いをたたえ合いました。やり切った彼らの表情は笑顔で溢れています。
ロミーはレミーの台本を見せました。最後のページには、幼いロミーが父親に肩車されている写真が張り付けられていました。ロミーはこの写真を見てピラミッドの案を思いついたのでした。父娘の顔には写真に負けないくらいの幸せそうな笑顔が戻っていました。
以上、映画「キャメラを止めるな!」のあらすじと結末でした。
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