ローマに消えた男の紹介:2013年イタリア, フランス映画。職責のプレッシャーから逃れるため身を隠した政治家と、彼の替え玉となって政界で人気を博す哲学教授の双子の兄弟。それぞれの人生模様を描いたヒューマンドラマ。
監督:ロベルト・アンドー 出演:トニ・セルヴィッロ(エンリコ・オリヴェーリ/ジョヴァンニ・エルナーニ)、ヴァレリオ・マスタンドレア(アンドレア)、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(ダニエル)、ミケーラ・チェスコン(アンナ・オリヴェーリ)、アンナ・ボナイウート(イブリーナ)、エリック・グエン(ムング)、アンドレア・レンツィ(ド・ベリス)、ジュディス・デイヴィス(マラ)、ほか
映画「ローマに消えた男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ローマに消えた男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ローマに消えた男」解説
この解説記事には映画「ローマに消えた男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ローマに消えた男のネタバレあらすじ:起・双子の兄弟
イタリア最大野党の党首エンリコは、国政選挙を目前に控えた今、党の支持率の低迷に悩み、党内部からも彼のリーダーとしての資質を問う声が上がり、憂鬱極まりない状態だった。
そのプレッシャーに耐え切れなくなったエンリコは、ついに「時間が欲しい」という書置きを残して行方をくらます。
重要な会議の場に現れなかったことでエンリコの失踪を知った側近のアンドレアは慌てふためき、取り急ぎ党内部には時間稼ぎのため「病気で入院した」と言い、マスコミは大々的に”エンリコ病気”のニュースが報じる。
隠ぺい工作に奔走するアンドレアは、エンリコの妻アンナに会い、彼の行方を尋ねるがアンナにも心当たりはなかったが、エンリコに双子の兄弟ジョヴァンニがいることを知らされ、彼を訪ねることにする。
ローマに消えた男のネタバレあらすじ:承・替え玉作戦
ジョヴァンニは哲学の教授だったが、精神を病んでいたため長く入院し最近になって退院したという。アンドレアはジョバンニをレストランに誘い食事を共にするが、彼が席を外した隙にエンリコと思った新聞記者がジョバンニに取材を申し込む。
ジョバンニはエンリコになりすまして取材を受けると、これまでと違ったウィットに富んだ物言いに記者ばかりかアンドレアまで驚かされる。若い頃によく入れ替わったが1度もバレたことはなかったと聞いたアンドレアは、唯一の解決策としてアンナの同意を得てジョバンニをエンリコの替え玉として政治の表舞台に立ってもらうことにする。
翌日、レストランでの取材記事が新聞に掲載されるとマスコミは騒然となり、その後に開かれた記者会見ではアンドレアの用意した原稿を無視し、歯に衣着せぬ物言いとユーモアを交えた演説で聴衆の賛辞を得ると、党の支持率も上昇、首相や大統領までも魅了する。
アンドレアは彼の奇抜ともいえる言動に精神の病が露見しないかと案じる一方で、このままエンリコが戻らなければいいと思ってしまったことに罪悪感を覚える。
ローマに消えた男のネタバレあらすじ:転・昔の恋人
その頃、エンリコはパリに住む昔の恋人ダニエルの家にいた。ダニエルは映画監督の夫ムングと娘エリーヌと暮らしていたが、疲れた顔で現れたエンリコを何も聞かずに招き入れ、滞在させていた。
彼女の元で静かな日々を送るうちに、エンリコは少しずつ気力を取り戻していたが、新聞記事でジョバンニが自分の替え玉となっていることを知る。ダニエルの職場である映画の撮影現場で彼女と過ごしていたエンリコは、ある時、新聞記事を見せて事の真相を打ち明ける。
かつてダニエルとエンリコ、ジョバンニは三角関係にあり、エンリコはダニエルは昔からずっとジョバンニを愛していると思いこんでいたが、彼女は2人を愛していたのだと告げる。
ローマに消えた男の結末:そこに残った者は
ジョバンニはアンナと海辺の別荘に来ていた。そこで2人はキスを交わすが、アンナからダニエル、エンリコ、ジョバンニの3人が写った写真を見せられた彼は姿を消してしまう。
アンナからの連絡を受けてアンドレアはあちこちを探し回るが、ジョバンニは見つからなかった。そしてエンリコもまた書置きを残してダニエルの元を去っていた。
一晩中探し回ったものの見つからず、絶望的な思いで党本部に戻ったアンドレアは、人の気配を感じて党首部屋へ向かうと、そこにジョバンニがいて安堵するが、なぜか違和感を覚える。
その気持ちを抑えながら選挙の勝算を告げるアンドレアに彼は、正念場はこれからだ、と厳しい顔つきで答え、去り際にドアの隙間から覗き見たアンドレアに愉快げな笑みを浮かべるのだった。
以上、映画「ローマに消えた男」のあらすじと結末でした。
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