バビロンの紹介:2022年アメリカ映画。1920年代のハリウッド。サイレント映画の大スター、ジャック・コンラッドは映画業界の豪華なパーティの主役として毎晩酒に溺れている。一方、大スターを夢見る新人女優ネリー・ラロイと映画製作を夢見る青年マニー・トレスは運命的な出会いを果たし、心を通わせていく。恐れ知らずで貪欲なネリーは魅力的な輝きで周囲を魅了し、スターへの道を一気に駆け上がっていく。マニーもまたジャックの付き人として映画界の一歩を踏み出していた。しかしサイレント映画からトーキー映画へと移り変わる激動の時代がやってきて、大きな波となりそれぞれの運命を巻き込んでいく。果たして3人が迎える運命とは…。ゴールデングローブ賞では主要5部門にノミネートし、作曲賞を受賞した。
監督:デイミアン・チャゼル 出演:ブラッド・ピット(ジャック・コンラッド)、マーゴット・ロビー(ネリー・ラロイ)、ディエゴ・カルバ(マニー・トレス)、ジーン・スマート(エリノア・セント・ジョン)、ジョヴァン・アデポ(シドニー・パーマー)、リー・ジュン・リー(レディ・フェイ・ジュー)、P・J・バーン(マックス)、ルーカス・ハース(ジョージ・マン)、オリヴィア・ハミルトン(ルース・アドラー)、トビー・マグワイア(ジェームズ・マッケイ)、マックス・ミンゲラ(アーヴィン・タルバーグ)、ローリー・スコーヴェル(ザ・カウント)、キャサリン・ウォーターストン(エステル)、フリー(ボブ・レヴィン)、ジェフ・ガーリン(ドン・ワラック)、エリック・ロバーツ(ロバート・ロイ)、イーサン・サブリー(ウィルソン)、サマラ・ウィーヴィング(コンスタンス・ムーア)、オリヴィア・ワイルド(イナ)ほか
映画「バビロン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バビロン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「バビロン」解説
この解説記事には映画「バビロン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バビロンのネタバレあらすじ:起
1926年、ロサンゼルス。黄金期の映画業界の中心地で、メキシコ系アメリカ人のマニーは、映画製作会社キノスコープ社の重役ドン・ワラックの邸宅で使用人として働いていました。
毎晩のように行われている豪華絢爛な映画業界のパーティで、今日も慌ただしく動き回るマニーは、自身をスターと言い張り邸宅に侵入しようとして警備員と揉めていた新人女優ネリーを助け会場へ招き入れました。
自由奔放なネリーに言われるがままドラッグをキメた2人は、互いに夢を語り合いました。
パーティではキノスコープお抱えの歌手フェイや、黒人トランペッターのシドニーらが場を盛り上げ、白熱していきます。
ネリーは狂ったように踊り続け、周囲を惹きつけていきました。そのクレイジーな言動がドン・ワラックの目にとまり代役のチャンスを掴みました。
一方、マニーは泥酔した大スター、ジャック・コンラッドを介抱したことで、彼の付き人として雇われることになりました。
バビロンのネタバレあらすじ:承
翌日、撮影現場で端役の娼婦を演じたネリーは、艶やかさと涙を操る演技力を見せつけ主役の座を奪い取るまでになりました。そしてマニーもまた、現場をピンチから救い周囲の信頼を集め出世していきます。
2人は同じ映画業界にいながらにして、別々の舞台で活躍を成し遂げていました。
そんな中、これまで定番だったサイレント映画に代わって、音を同時再生しながら映像を見ることが可能となったトーキー映画が出現してきます。
いち早く長編トーキー映画『ジャズ・シンガー』を鑑賞したマニーは、ジャックに「時代が変わる」と報告します。
ジャックは新たな可能性を見出し、意欲的にトーキー映画に取り組むようになります。彼はトーキー映画の時代にも自分の場所があると信じていたのでした。
バビロンのネタバレあらすじ:転
トーキー映画が台頭してきたことで、注目を浴びたのはミュージカル映画でした。マニーはジャックと回った現場で得た知識を使い、シドニーをはじめとする奏者を全面に出した映画を製作することで高い評価を得て、キノスコープから重役待遇で迎え入れられました。
しかし、シドニーは見栄えばかりを気にする世界にうんざりし、映画業界を去って街のジャズクラブへ戻っていきました。
大女優となっていたネリーはトーキー映画に出演するも、これまでなかったセリフの暗唱や声の調節に苦労し、次第に自信を失っていきます。そして彼女は現実から逃げるように酒やドラッグに溺れていきました。
そんなネリーを助けるべく、マニーは彼女を売り込み女流階級のパーティへ出席させましたが、結局彼女は暴れて業界から嫌われてしまいます。
そしてジャックも、トーキー映画にチャレンジしますが、観客に演技を馬鹿にされて少しずつ自分から客が離れていくことを肌で感じていきます。さらに長年の付き合いがあった評論家エリノアが、自分を酷評する記事を書いていたことを見たジャックは彼女に詰め寄ると、「時代が終わった」と言い放たれます。しかしそれは、これから先の未来でもジャックの姿は映画に残り続けるというエリノアなりの愛情でもあったのでした。
バビロンの結末
ジャックはすでに駄作のオファーしか来なくなっていました。以前ほどの情熱はなくなっていましたが、それでも彼は自分の身を受け入れる努力をしていました。
そんな中、ジャックのもとに一緒に一時代を気付いてきた友人ジョージの自殺の一報が入ってきました。これで完全に打ちのめされてしまったジャックは、パーティの最中に再会したフェイに「疲れたけれど、恵まれた人生だった」と語り、ホテルの部屋に戻ると拳銃を取り自らに向けて放ちました。
一方、映画業界に居場所がなくなったネリーはますます酒やドラッグ、そして賭博に溺れていきます。そんな彼女から「ギャングのボス、マッケイに借金8万ドルを返さなければ殺される」と泣きながら連絡を受けたマニーは、嘆きながらも彼女を助けることに。キノスコープから借りた8万ドルを持ってマッケイのもとへ向かいました。
マッケイはマニーに脚本のアイディアを上機嫌に語りますが、8万ドルは小道具係が作った偽札だということがバレて、怒りを買います。
マニーはすぐさま逃げネリーとともに街を去る決意をします。ところが車でメキシコへ行く途中でネリーは消えてしまいます。彼女はロサンゼルスから去ってしまいました。
その後、新聞でネリーがホテルで遺体となって発見されたことが報じられました。
1952年。
映画業界を去りニューヨークでラジオショップを営んでいたマニーは、妻子とともにハリウッドを訪れます。ひとり映画館を訪れたマニーは、『雨に唄えば』を鑑賞しながら、ネリーやジャック、シドニーやフェイなどと過ごしたサイレント時代の自分たちの日々を思い出し、涙とともに感情が溢れ出すのでした。
以上、映画「バビロン」のあらすじと結末でした。
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